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花見の後で  作者: Little by Little


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1/1

カイ

店を手伝ってから1週間が立ち、もちろん諭吉の事は気づいた時すぐに電話をしたがカイは電話にはでず、

メッセージアプリにも送ったが返ってこず今に至る。

あまりしつこくこちらから連絡するのもどうかと思い、今はカイからの連絡を待ってる状況。


そして連絡が来た。


ブーンブーンブーンブーンブーンとスマホが唸るので、画面を見たらカイだった。

『もしもし』ガサガサは相変わらずだ

『あのさ、メッセージにも送ったけど1万は返すよ』

『いいよ。いいよ。あれって俺の店で呑むとか言ってなかったか?』

ほほう、そういうのは覚えてるのか。

『そうそう。今日とか行こか?』

『あ~俺もヒロトにちょうど用があってそれでいいね。』

『用って何?。』

『用って対したようでもないけどさ、それだったら今日店来た時に話すよ、来るんでしょ?何時頃店来る?』

『日付が変わる前ぐらいかな。』

『わかった。じゃ待ってるね。』

と電話が終わった。

店とかじゃなくても今電話で話せばいいのに。

よっぽど対した用でもないんだろ。


カイとは高1から一緒なクラスになりそこからの仲だ。

カイにとっては、たくさんいるツレの1人だったんだろうな。

俺が思うカイと深く仲良くなったと思った時期は、特に何かあった訳ではないがしいて言えば

俺がウケ狙いでみんなから笑いをとろうとしてたまにはウケルが、空回りしてる時とかシラケた時にも、いつもカイだけ笑っていた。

最初はバカにされてるんだろうと思っていたけど、いつも笑ってくれる。そんなカイの顔を見てたら、なぜかもっと笑わせたい、笑顔を見たいと思うようになり、他の誰も笑ってなくてもカイだけが笑ってくれればいいやと思ってる自分がいた。その笑い声を聞きたい笑わせたいと。気がついたらいつもカイの隣にいた。

それからずっと俺はカイと一緒にいるようになった。


カイはツレの中心にいる人物ではなかったが、

不思議とみんなから必要とされていた。

そんな俺もカイを必要としいてた。


周りからは常に一緒にいると思われていて、カイに用がある時は俺に『カイは?』と聞かれる事が多かった。カイも同じ事を言っていた。『ヒロトは?』って。

先生までもがカイの場所を俺に聞いてくるぐらい、よく一緒にいた。


カイに初めて彼女ができ、学校以外では会わなくなってやっぱり遊ぶ頻度は落ちたが、寂しくなったからではないけど俺も同じ時期ぐらいに彼女ができた。

そういう事ならばと、お互いのカップル同士で遊んだりもしたが、カイと俺の間に彼女を挟むとなんだか楽しいは楽しいはずなんだけど、物足りないさというか本来の形ではないようなしっくりこない感じがあった。

それを察していたのかカイも遊ぶ時はお互いの彼女を連れて来ようとは言わなくなったし、連れてくる事もなくなった。

そういう事もあって俺はカイが彼女と別れてまた違う子と付き合っているのをツレから聞いて知っていたが、カイから聞くまで知らないふりをしていた。

そんなんだからお互いの彼女の話しをあまりしなくなった。

どちらもなんとなくいるんだろうなという空気を纏いながら。

彼女がいない時もあったが、カイが彼女がいる時は

俺はいる風を装っていた。なんか負けたくないと思っていたのか。

今覚えば無駄な事ではあるが。


狭い街なんで、遊ぶ所はたいてい決まっている。

俺がツレと遊んでいる時、カイがその時の彼女と遊んでいるのを見かけるし、出くわす。

その逆もあって見かけるだけならいいけど、ばったり会った時は気まずい気持ちになる。

兄弟に彼女を見られた感じというか、親に彼女を見られたような照れくさい感じもあり気まずさもある。

俺だけがこんな気持ちになっているのかわかんないけど、見られた出くわした時は会話もあいさつ程度でその場をあとにする。

で、学校で会った時に彼女の説明をする。

俺も何か悪い事をした訳じゃない、後ろめたい訳じゃないけど、しっかり彼女の事を説明する。

カイもグイグイ聞いてくる。

それを真似しているのか、カイも学校以外で彼女といる所を俺と出くわしたら、知り合いかのような

あいさつでそそくさと行ってしまう。

その後も俺と同じように学校でカイは説明をする。

で、なぜかお互い見られた後にダブルデートをするが、しっくりこないだけが残る。

とりあえず、顔見せして許可をとってるような。

そんな事を繰り返してるから、だいたいお互いの彼女の事は知っている。

でもその後別れた時は、理由などは聞かれないし、聞かない。

カイも俺も勉強が嫌いでそりゃ成績も悪い。

やらなきゃいけないのはわかっていたが、勉強だけはやる気が起きなかった。

今のご時世、大学はどこでもいいから出た方がいいと担任から言われたので、併設のFランク大学にエスカレーターで入る。

そんな成績が似てる2人はやはり大学も同じで、またカイとの学生生活を送れると思うと嬉しかった。

大学でも当たり前のようによくカイと遊ぶようになり、いつもカイには、対した用でもないのによく話しがあるからって呼び出され、パチンコ、競艇に行っていた。

そんな時は対した話しなんかしなくて

その時の話しなんて、聞かれたらお互いの付き合ってる彼女の話しか、聞かれなければ言わなかった。それかあそこのパチンコ屋新台入るとか、パチンコ、競艇でいくら負けたとか、パチンコ、競艇でいくら儲かったって話しをしていた。

いつも意味なく笑ってた。パチンコで負けても笑ってたし、(でもパチンコ屋には心の中では怒っていた)競艇負けても笑ってたし、笑えないぐらい負けても笑うしかないから怒りながら笑ってた。俺は負けた分をバイトして、また負けて。バイトしての毎日で。

麻雀だけはカイはずっと怒ってたな。

俺はカイに麻雀では笑わせて頂いた。

そして高校の時と同じで、ツレには『カイは?』と聞かれる事がよくあった。カイも同じ事を言っていた。

そんな毎日を過ごしていたある時から

カイは夜の世界に入っていた。


そしてカイはさっさと大学を辞めてしまい、大学を辞める事は俺は何も知らなかった。いつも一緒にいたはずなのに相談すらもなかった。後に聞いたら理由は忙しいからだと。

カイが大学を辞めてしばらくして、カイから誘われ俺もパズルでバイトを始めた。

カイからはBar と最初聞いていたんだが、店に入ったらカジュアルB ar だと言われ、続けていたらサパーだといわれた。はじめからサパーだったんだろう。

お酒を呑む事は嫌いじゃないし、それでお金を貰えるならと、またカイと遊べるぐらいの軽い気持ちでやりだした。始めは他のバイトと掛け持ちをしていたが、パズルは時給が高かったのでパズル中心の生活になってしまい、バイトはパズルだけになっていた。時給の高いパズルの給料はパチンコ、競艇で溶けていった。少しでも貯めておけばよかったな。


パズルでもお客さんを楽しませて笑わせてるんだけど、その笑いにつられてカイも笑ってくれてた。

好きなお酒も呑めて、お客さんを楽しませて、自分も楽しんでいた。

その反面色々と辛い事もあった。

この世界に入って視野が広がった。世間には色んな人がいるとわかった。

お酒の呑み方や、酔っぱらい方も人それぞれ違う。

やっぱり絡んでくるヤツが一番嫌だ。

大声で怒鳴ってきたり、時には暴力をちらつかせ本当に暴力を振るって来るヤツもいる。

自分のストレスを誰かれ構わずぶつけてくる感じだ。

そんな時はいくらなだめすかしても、聞く耳など持たない。何に対して怒ってるかもわかってないようなヤツもいる。

酔っぱらってるからと免罪符をかざし何をしてもいいと思ってるヤツがたまにいる。ふざけるな!

そんな酔っぱらいを見てあんな酒の呑みかたは絶対自分はせずにいようといつも思っていた。

たまに記憶がなくなるぐらい呑む時もあったが、酔っていた時どんな感じだったかを周りに聴くが迷惑はかけていない許容範囲だと言われるが、記憶がなくならないようには努めていた。

カイがいたから、パズルでの仕事もたまに嫌な事もあったが、楽しく何年も続けられた。俺も大学辞めた時からこの先を考えると、ずっとこのバイト(仕事)を続けて行く事は出来ないだろうと思ったのと、さらに他の理由もあったから、パズルを辞めた。

俺が辞める頃には

カイは、ますます水商売にはまっているように見えた。

自分の天職を見つけたかのように。


今思えば

そんな日々は金がなくてもなんとかなったし、

そんな日々はくだらなくて楽しかった。


そんな日々は二度と味わう事はできない。

あの日に戻りたい くだらなく楽しいい日々に。


でもあんな日々を送っていたから、

大学を辞めて

実家を追い出され

今は肉体労働の日々を送ってるんだ。


でもあの日々を無駄だったと思えないし思いたくない。

でも大学を辞めたのは無駄だったかな。


カイはあの頃の日々をどう思っていたのか。


カイは大学を辞めた事を後悔してなさそうだ

聞いた事はないけど


今日を超えて明日が見えてきた

そろそろ俺も店に向かおう

















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