表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

とあるスナックママの証言


「寂しくなるなあ」


 そういう常連客を見て、なんとも言えない気持ちになった。


 正直に言うとたかしさんは厄介な客だった。


 自分より年下だとわかるとすぐに横柄な態度を取ったり、誰彼構わず説教したり。


 お客さんにはたかしさんがいるとわかったらすぐに帰ってしまう人もいた。


 そんな人だったが、居合わせた人に奢ったりもして一部の人にはとても慕われていた。


 それだけだったら気前がいいというだけで終わるがそうはいかなかった。その代金をツケてくれというのだ。


 金がないなら奢るな、と叫びたかったがそれはなんとか抑えた。


「クレジットカード使えますよ」


 そういうと、「早く言えよ」と呟きながらクレジットカードを出してきたので本当に使えるかどうか心配しつつ決済した。

 クレジットカード使えるように環境を整えておいてよかったとこの時、心底思った。


 しかし、別の店でツケをして支払いが滞っているという噂をしきりに耳にしていたので油断はできなかった。


 周囲の噂を聞いているとほぼ毎日夜は外に出て飲み歩いていたようだった。飲み歩くのが好きでも毎日のようにそんなことしていたら金はすぐにそこをついてしまう。ツケにしていたのは苦し紛れの金策だったのかもしれないと考えてしまう。


 そんな苦し紛れの金策をして飲み歩いていた。そう考えるとなんだか可哀想だった。


 たかしさんからは家族の話を聞かなかったから家族がいるのかいないのかもわからなかった。 


 でも毎晩の飲み歩きを注意されたとか、酒を控えるように言われているなんてことも言っていなかった。身近に言うような人がいないのか、ただ単に聞いていないだけなのか。


 勝手な想像だが、家族からは愛想を尽かされたんだろうと思った。毎日のように飲み歩いて、金を使っていく様は浪費をしているという印象しか持てなかった。ツケを頼まれてからはお金持っているという印象はキレイさっぱりなくなっていたから余計に。

 

 たかしさんにこれ以上関わることはないだろう。そう思って少し安心している私は薄情なのかもしれない。


ここまで閲覧いただきありがとうございます。


面白かったらブクマ、いいねお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ