第1話 艦長兼マン長は私よ
1台の宇宙船が地球に向かっていた。
日本の上空、沖縄県付近で旋回。
乗っているのは、源泉至上主義の源泉かけ流し星からやってきた男女2人の源泉かけ流し星人。
艦長兼マン長である23歳のエロかわいい上月湯菜と部下である27歳のデカチン珍湯太郎。
日本の源泉使用状況をパトロール中。
なぜ、源泉使用状況をパトロールしているかは湯太郎にはわからない。第15話くらいまでヒミツだ。
「あの古びた温泉銭湯、あり得ない湯使いだわ。見て!」
「かなり年季の入った建物ですけど、お湯はなかなかキレイな緑色のお湯ですね。」
「どこ見てんのよ!あんた、そんなことで、源泉かけ流しパトロールができると思ってんの!」
「たしかに、ヌルヌルした浴槽は泉質ではなくて、掃除が出来ていないからかもしれませんね。でも、この不潔感があるかどうかのギリギリのひなびた感じが良いんですよね。不潔感とひなび具合の瀬戸際を攻めてますね。僕は好きですよ。」
「ここの源泉はもともと無色透明無味無臭なのよ。それなのに、ここの経営者のばあさん、入浴剤で黄緑に染めて、塩素を入れて、掃除も適当で、めちゃくちゃよ。だんだん、興奮してきた、成敗してやろうか。」
と湯菜が赤いボタンに手を触れようとした。
「やめてください!そのボタンは最終手段、湯脈が途切れてしまいます。」
湯太郎が湯菜の手を握り、必死に訴えた。
「この経営者のおばあさんは、おそらく80代、後継者もいないようですし、このままにしていても、遠からず廃業するので、最後まで好きなようにさせてあげてはどうでしょうか?」
「私は艦長よ。いえ、艦長兼マン長よ!マン長の私の言うことが聞けないの???入浴剤と塩素まみれで温泉と言えるの?温泉なのに、入浴剤を入れるなんて、源泉に失礼だわ!こんなところに温泉を供給する必要なんてない。止めてやるわ!!!」
だんだん興奮してきた湯菜を見て、湯太郎も興奮してきた。
「常連さんもいるし、遠くから温泉マニアとか珍スポットマニアが来ていて、良い雰囲気じゃないですか。止めないでください。そんなに言われると、僕の操縦桿がカチカチになってくるじゃないですか。」
湯太郎が湯菜の手を取り、カチカチになった操縦桿を握らせると、激しく上下にシコシコとしごき始めた。
こうして、沖縄県唯一の温泉銭湯の源泉は守られた。
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第2話 扉が多すぎる謎の温泉 鹿児島編
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