山の悪魔-yamano.yousei-
初めて書いた。恥ずかしい
ー今から約1000年前
ある村で、ある一家の身に悲劇が起きた。夫である良八郎、その妻であるカトメアー、その間に生まれた平八郎。村の人たちもこの三人を良くしてくれた。そんな幸せな家族に、地獄の日は突然訪れた。
村長は顔の色を赤くしこう言放った。
「貴様らはこの村を侮辱した!その為、処刑する!」
突然の事だったので、良八郎は少し驚いたが、
「村長?急にどうしたんです?もしかして、また酒の飲みすぎですか~。」
良八郎は酔いが回っていると思い、少しからかった。
だが、顔を真っ赤にし、
「ふざけるな!裏切り者は、この村から消え去れ!」
良八郎の見た目は少し特徴的だった。生まれつき左腕が無く、義手をしていた。そして、良八郎には、空想を現実にする力があった。
「それを村長や村の方々は、私の見た目や受け入れてくれた。なのに今更どうして!」
「そうじゃない!貴様らは掟を破った…。とにかく貴様らは処刑だ!連れてけ!」
「待ってください!理由をちゃんと教えてください!」
すると男数人が平八郎とカトメアーを強引につれ出し
「お父ちゃん助けて!お父ちゃん!」
「良八郎さん!これは一体どういうことなの!」
平八郎とカトメアーは突然の事に困惑していた。
「どんな理由があるかは知らんが、妻と子供には手を出すな!!」
良八郎はそう言い放った。だが、良八郎は抵抗も出来ず、腹を斬られ気を失った。
目が覚めるとカトメアーと平八郎は処刑台に立たされ拷問をされていた。
カトメアーは酷く泣き叫んだ。平八郎は父と母に助けを求めるばかり。それを住人たちは、誰一人同情せず嘲笑い、罵った。やがて。カトメアーと平八郎は息をしなくなり、返らぬ人なった。それを目の当たりにした良八郎は人生で初めて絶望をした。
「まるで悪魔のようだ…!!」
そう言葉をこぼし、悔しさと恨みが入り混じった涙を大量に流しながらすべてを呪った。その時に良八郎の頭に浮かび上がったのは、怪物の様な顔をして笑う奴ら。その大きな怒りが能力の限界…いや、人としての限界を超え、山という大きな自然を空想のままに操れるようになった。村の思想や考え方が「山の悪魔」を生んでしまったのだ。そこから、2百年に一度に山の悪魔は目覚め、大地を荒らし人々に恐怖や絶望を植え付けた。あの時と同じように…。
「という恐ろしい事件が、ここ神奈川で起こったのだ!」
私は一亜芽渡香、ただの女子高生。そして今しゃべっているのがオカルトが大好きな怪談部部長、海意 桜。私のお友達。私とは違い、社交的な人だ。
「へ、へぇ。そんな怖いことがあったなんてー。」
「だよねだよね!芽渡香も怖いって思うよね!」
なんか山が悪魔になったとか、意味の分からないことばっかり言ってるけど…
私そういうのに興味ないんだよねぇ。しかも、話長いし…。良い子ではあるんだけど。
「そういえばぁ…最近聞いた都市伝説なんだけどさぁ…」
「は、はい。」
桜はオカルトが大好きだ。だから都市伝説の話をよくする。ほぼ聞いてないけどね…。退屈な時もあるけど、まぁたった一人の友達だし?大事にしなきゃ。
「芽渡香!ちょっと聞いてる?もう下校時間だよ!」
「え?あぁごめん。」
「もぉ。早く帰るよ!」
桜はそう言い、私の手を握り強引に
登下校はいつも歩きだ。私の家は大きな坂の上にある。登校する時の坂は楽だけど、下校はのぼりだからきついんだよね。
「よいしょ!よいしょ!あー、きっつ!」
少し疲れたので一息ついていると、
「ん?なにあれ?」
何やら棒のようなものが坂の上から転がってくる。ピタリと私の足元に止まりそれを拾う。
「木で出来ているようだけど…なにこれ?」
しばらく見つめていると、
「あ、君ぃ!それ俺の大事なう、俺の大事な物!」
知らない男の人が、坂の上からこっちに走ってきた。え、なに?怖いんだけど。でも、ちょっとかっこいいな…。
「拾ってくれてありがとね!迷惑かけちゃったよね?ごめんね!」
心臓が早くなる。恥ずかしいのか怖いのか、どっちかわからない。まともに目も見れないし…。
「いや、べつに迷惑とは思ってないけど…?あ、これどうぞ。」
私は拾ったものを渡した。男の人に何度も渡したはずだ。なのになぜ、
「私の手に戻ってくるの…!」
「ええぇ!なんでぇ!」
私たちは驚いた。私から離れるのを嫌がるかのような、時が戻るような。
すると男は真剣な顔をして、
「君の苗字ってなに!今すぐ教えて!」
「きゅ、急に何?苗字は一亜ですが…。」
「オッケー、一亜ね!あと連絡先ちょうだい!もしかしたらのために!」
れ、連絡先!?男の人と初めて連絡先交換する…。ちょっとだけ嬉しいけど
でもたぶん遊び目当てじゃないかな。多分。
「全然大丈夫です!でもなんで私なんかの連絡先がぁ欲しいんです、か…?」
「さっきの見たでしょ?」
「さっきのていうのは、あなたの落とし物の事?」
「落としたというより、勝手に動いたというか何というか…。とにかくそのことなんだけど。実は君は…。」
あ、お母さんから電話だ。
「もしもしお母さん?」
「ちょっと芽渡香!あんた今どこにいるの?!」
「あー…。ごめん、友達と遊んでた!今から帰るから!」
私はそう言い、即座に電話を切った。お母さん怒ってたなぁ…。とにかく今から帰らなきゃ怒られる。はぁ…めんどくさ。
「お母さんから電話?」
「あ、はい。そうです…。」
お母さんにこの人の事バレたら変な誤解される…。最悪だ。
「どうかした?」
「いや…、何でもないです。とにかく私もう家に帰らないと…。」
正直、今はこの人と話してる暇なんか無い。早くしなきゃ!
「じゃあ続きは明日話すよ!ホレダカフェに12時半待ち合わせね!」
「えっ?あ、明日?」
「明日空いてないの?なら合わせるけど!」
いや、そういうことじゃなくて。もしかしてだけど…。この人陽キャ?うわぁマジか。一番苦手なタイプ…。まぁ、どうせ暇だし?いっか。
「いや、明日カフェで会いましょう。」
私はそう言ってその場を去り、家まで早歩きで帰った。
玄関の前についてしまった、母に怒られるのでは?その不安がドアを開けるのに戸惑いが生じさせる。でも外に居続けるのも退屈だし…。恐る恐るドアを開け、小さな声で、
「ただいまぁ…。」
ドアの音で気が付いたのか、母はジタバタと足音を立て、
「…!芽渡香ぁ!」
母は、安堵と驚きの混ざった声で私の名前を呼んだ。そして、私のことを抱きしめた。
「あ、あのぉ。ごめんなさい…。」
「大丈夫よ…!とにかく、無事でよかった!」
首元に触れた母の手が冷たかった。それほど心配させてしまったのだろう。母
は心配性だ。前に、30分ぐらい遅れて帰ってきた時も、心配してたっけ。
「もう遅い時間だから、お風呂に入ってきなさい。」
母はそう言い、私は小さく頷いた。
お風呂を出たあと、夕飯を食べて、寝る準備してベッドの上でスマホを見る。スマホ画面を見てると嫌な事すべて忘れられるの。ボーっと、スマホを眺め、ただただ時間が過ぎていく。すると、一通の連絡がきた。
(こんばんは!夕方に会った人裏 鍵だけど、覚えてる?)
あぁ、あの人か。てか鍵って名前なんだ。
(こんばんは。覚えていますよ。夜分遅くに何の御用ですか?)
(随分と言葉遣いがていねいだね笑)
ん?何が面白いんだこの人…?
(別に!特に用は無いけど、自己紹介しとこって思って!君と俺は今日からパートナーになるんだし!)
あぁ、そういうこと?って、どういうこと?!
(まぁ、細かい話は明日しよ!そういえば君の名前なに?)
いや、色々突っ込みどころ多いけど…。てか、通りすがりの他人でしょ?名前教えたくないんだけど…。一回お母さんに相談する?いやいや、絶対にめんどくさくなる。変な勘違いされても困るし…。まぁこういう場合、
(詳しい事は明日話しましょう!楽しみにしています!おやすみなさい!)
私はこう返信した。そして、
「ふぁぁあ。もう眠いから、寝ようかな。」
私はそう言い、瞼を閉じた。
「あぁ…、今日も朝がきてしまった…。」
週末なのに、なんで早起きしなきゃいけないんだ。
カフェ断れば良かったな…。ドタキャンしようかな?そんなことを考えていると、メールの通知音が鳴った。
「鍵さんからだ。朝早くどうしたんだろう?」
(おはよう!今日のカフェ楽しみだね!あ、ドタキャンは絶対にしちゃダメだよ?大事な話があるから。)
読まれている!?大事な話って何だ?
(あと、木の棒持ってきてね!必要になるかもしんないから!)
これが必要?!ダメだ、この人の話についていけない…。とりあえず、
(分かりました!)
まあ、こう送ったら大丈夫か。
てか、もう10時だ。そろそろ起きなきゃ。
「でも、昨日のことあるしなぁ。」
もう10時過ぎだし、さすがにお母さん仕事行ったよね?
そう信じて私は階段をおり、
「良かったぁ。仕事に行ったみたいだ。」
私は一息つき、リビングの椅子に座った。
「いつも通り朝ごはんも用意してくれてる。」
私は、休日だと遅くまで寝てる。なので母は、朝ご飯を用意してから仕事に行く。でも今日はめずらしく、手紙も一緒に置いてある。一体何が書かれているのか。不安と好奇心が手紙へ手を伸ばす。
「芽渡香へ。おはよう。よく寝た?昨日のこと気にしてるようだね。」
何故気づいた?
「因みに、お母さん怒ってないからね!だからお母さんが家に帰ったら、いつもの芽渡香でいてね。約束だよ?」
「本当、いつもすいません…。」
私は申し訳なさを背負いながら、唇と目玉焼きを一齧りした。
「休日は寝て過ごす」それが私のモットーだ。でも今日はいつもとは違う。だから少し不思議な気分だ。顔を洗い、歯を磨き、化粧水もたっぷりつけて、私服に着替える。ホレダカフェまではバスで行くから、お金も持ってかなきゃ。
「準備はこれで大丈夫かな。」
バス停は家の近くにあって、田舎にしてはバスの本数も多い。バスが来るまでは、バス停の近くでスマホを見る。のではなく、田舎の風景を楽しむ。そうすれば、バスなんかすぐ来てしまう。
「お、来た来た。」
カフェに着くまで少し時間がある。そういう時は音楽を聴きながら、窓の外を眺める。ボーっとしながらね。
ー次はぁ、ホレダ通り。ホレダ通りに停まりマァース。ー
もう着くじゃん。正直、このまま時が過ぎてもよかったけれど。とりあえず、鍵さんに連絡しとかなきゃ。
(もうそろそろ、カフェに着きます。)
(OK!!俺はもうついてるよ!)
ー停車いたしマァース。ー
私はバスを降り、カフェまで歩いた。そして、少し緊張しながらカフェの扉を開けた。
「いらっしゃいませぇ!一名様ですか?」
「あぁいや、知り合いが先に来てて…。」
知り会いではないけどね。すると、
「お!こっちこっち!」
うわ、鍵さん声大きい…。
「あ、あの人です。」
「かしこまりました。案内いたしますね!」
店員さんはそう言い、席まで案内してくれた。
「やあ。昨日ぶりだね!なんか飲む?」
「あ、ココアでお願いします。」
「店員さん!ココアを1つお願いします!」
声がデカい…。お願いだから、もう少し周りを見て…。
「さて、大事な話なんだけどさ。」
鍵さんがそう言った瞬間、空気が変わった。私も自然と身が引き締まり、唾を飲み込んだ。次の瞬間、鍵さんはこう言った。
「山の悪魔って、知ってる?」
「はい…?まぁ、友達から聞いたことはありますけど。」
なにを話すかと思えば、オカルトかい。覚悟して損したわ。
「じゃあ話は早い。俺の目的は山の悪魔を倒すことだ。」
「倒す?何のために?」
「人裏妖怪保護団体
初めて書いた。素人です。