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鬼嫁
広島県の寒村に住む専業主婦が異世界召喚される。
とある王国が勇者召喚を行ったのだが、現れた女性は次の瞬間、衣服を破り身長二メートル半の鬼に変化する。
鬼人の出現に王城は近衛兵を総動員して戦闘態勢になる。
この世界の鬼人は一体で人間兵千人に相当する戦力だ。
鬼となった女性は、周囲の人々が自分を攻撃してくるのが理解出来ず、訳が判らないまま王城を脱出。
そのまま城壁を軽々と飛び越え、それが出来る自分に驚き、五階ビル相当から飛び降りても何ともない自分に更に驚く。
そして王都を横断して外壁も飛び越え、遠目に見える森に駆け込む。
森の中で暫く走った後、足を止める。
手を見ると太くたくましい、その手で自分の体を触りまくるが筋肉ムキムキ、頭には角が二つある。
そういえば、村にある伝説が語り継がれていたのを思い出した。
曰く、村のご先祖は鬼であったと。
島で争いも無く平和に暮らしていたら、突如、四人の侍が攻め込んで仲間が皆殺しにされ、命からがら本土に逃げ込み、誰もいない村でひっそりと生きたと。
異世界に来て、鬼の血が覚醒したに違いない。




