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小説ネタ集  作者: うしろ
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冒険者ギルドの栄枯盛衰

ナーロッパ世界。


とある少年が街の門を通過する。

村長の息子と大喧嘩をして怪我をさせ、村に居られなくなり村を出たのだった。

村長の推薦状がないのでまともな職に就く事ができず、冒険者(底辺職)になるしかない。

街では大小幾つもの冒険者ギルドが乱立しており、門番から聞いた大手の冒険者ギルドの扉を叩く。


その日、冒険者ギルドの受付嬢は彼氏に振られ、男を目の敵にしていた。

その日、冒険者ギルドの職員たちは期末決算で忙しく、対応がおざなりになっていた。

その日、冒険者ギルドに居た冒険者は依頼を失敗し、周囲に当たり散らかしていた。

その日、冒険者ギルドに来た依頼者である商人は目的の物が手に入らず、荒れていた。


少年がけんもほろろに冒険者ギルドを叩き出されたのは偶々だったのだ。

そう、その日は幾つもの不幸が重なっただけだった。

いつもは冒険者の卵が来たら、親切丁寧に対応し、契約し、採算度外視で教育し、一人前の冒険者に育て上げる。

だからこその大手であり、門番がおススメするのだ。


文字通り叩き出された少年は頬を擦り、その冒険者ギルドに復讐する事を誓う。

冒険者ギルドが幾つかある表通りを一巡し、なんとなく裏道に入る。

道の両側の家屋は古びており、道幅が狭く人が殆どいない裏通りを歩く。

と、剣と盾を意匠した冒険者ギルド看板を見つける。


中に入ると薄暗く狭く、部屋の中央に丸机が一つと椅子が四つ。

壁の掲示板には多数の用紙が貼られている。

格子で仕切られた向う側の受付に一人の女性がいるだけだった。

少年に気付くと明るい声で「ご用件は?」と聞いてきた。


少年が冒険者登録をしたい旨を伝える。

受付嬢が慌てて奥に向かって「お父さん!冒険者希望の人がいます!」と呼ぶ。

奥から「ここではギルド長呼べ」と共に精悍な中年男性が出てくる。

ギルド長は少年をジロリと睨めつけると「こう言ってはなんだが、ここは冒険者が息子の一人しかいな弱小ギルドだ、表の大手に言った方が良いのでは?」と問う。


冒険者ギルドは民間運営されており。大小さまざまな冒険者ギルドがある。

大手は冒険者の数の利を生かして、依頼者にとって喜ばしい格安仲介手数料・多様な専門性・高達成率・短納期を誇っている。

中小冒険者ギルドはそんな大手冒険者ギルドに押され、冒険者の引き抜きやギルドの廃業やギルドを吸収合併されていった。

中には、この冒険者ギルドの様に家族経営しているのも有るが。


少年は先ほどの出来事を語る。

どんなひどい仕打ちを受けたかを。

容姿を馬鹿にされ、田舎訛りを馬鹿にされ、文字が書けない事を馬鹿にされ、木剣を馬鹿にされ、冒険者から殴られ、商人に硬貨の入った袋を奪われる。

あんなギルドは二度とお断りだと。


ギルド長は「大手はそんな事しないはずだがな~」と言いながら、折角来た冒険者希望をウロナ冒険者ギルドとして受け入れる事にする。

少年に依頼を達成して帰ってきた息子の冒険者を紹介する。

「息子は四級冒険者だ、少年は九級冒険者として四級冒険者から経験を積んで欲しい」と。

少年は宿賃もないので冒険者ギルド兼自宅に少年を住まわせ、冒険者登録料と宿賃は依頼達成料から少しずつ天引きしていく事となった。


◇◇◇ ここから箇条書き ◇◇◇


翌日から少年は冒険者活動を始める。


掲示板に貼ってある依頼用紙を受付嬢に読み上げて貰う。

・処女好き一角獣の角

・巨体な暴れん竜の卵

・実在不明な聖樹の種

・海の大王な烏賊の墨

などなど。


これらは大手が高難度故に受付拒否し、零細冒険者ギルドに流れ流れて塩漬けとなっていた案件だ。


しかし少年曰く手頃な依頼だと言って受ける事にする。


ギルド長が止めろと言ったが叶わず、少年が出かけてから七日後。


少年が種が付いた枝を持って帰ってきた。


ギルド長が「まさか!?」と鑑定すると聖樹の枝と聖樹の種と判る。


冒険者ギルドは依頼者から報酬として金貨千枚(日本円換算でおよそ一億円)を受け取る。


少年には、手数料二割とそこから税金二割を引いた金貨六百四十枚が渡される。


再び依頼達成の為に出かける少年、そして十日後に帰って来る。


今度は人の形をした赤い根野菜を五つ手にしている。


ギルド長が鑑定すると迷惑な歩く悲鳴茄子。


一つ金貨百枚で計五百枚を受け取る冒険者ギルド。


少年は二回の依頼達成で冒険者ギルドの十年分の稼ぎを叩き出す。


その後も次々を高難度の依頼を達成し、依頼を出すならウロナ冒険者ギルドという噂が立つ。


大手冒険者ギルド職員が少年を引き抜こうと接触するが、あの件を根に持つ少年が理不尽な要求をして破談となる。


そして冒険者ギルドにとって美味しい案件がウロナ冒険者ギルドにどんどん流れて行く。


多数の上級冒険者を抱える大手冒険者ギルドは採算が合わなくなり、新人冒険者・初級冒険者の雇用を切っていく。


切られた新人冒険者・初級冒険者は噂を頼りにウロナ冒険者ギルドに所属する。


ウロナ冒険者ギルドのギルド長が少年に特急冒険者並みの技量を持つのはなぜだと尋ねた事がある。


帰ってきた答えは「魔獣蠢く魔境の村の出身だ、日夜魔獣と戦い時には魔王率いる魔族と戦う事もあった」と言う。

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