アイテムボックス・ストレージ・異次元収納・収納魔法
名は違えども、いずれも物を謎空間に収納し放出する能力である。
使い勝手がよく、色々な機能がついている。
・無限収納
・時間停止
・鑑定
・分別
・複製
・分解
・回収方法
・放出方法
・有効範囲
・生物は不可(死体は可)
・レベルアップして機能拡張
しかし収納に機能を持たせ過ぎると小説のバランスブレイカーとなる。
まぁ収納な小説で俺TUEEEEEを単純に見たい人向けならば良い題材とは思うが。
という事で制約を入れよう。
・無限収納
→およそ30cm×30cm×30cm
・時間停止
→時間停止しない
・鑑定
→鑑定機能無し
・分別
→1種類のみ収納し、2種類目は収納出来ない
・複製
→複製出来ない
・分解
→分解出来ない
・回収方法
→有効範囲内の物品を回収する一択。分量や場所は指定できない
・放出方法
→収納した物品を一括して放出。分量は指定できない
・有効範囲
→自分を中心に半径90cmくらいの物品
・生物は不可(死体は可)
→同様
・レベルアップ
→レベルアップせずこのまま
けっこう縛りがある収納を活用するには、作者の技量が問われる。
この設定でどこまで出来るか考えてみる。
◇◇◇ ◇◇◇
例によってナーロッパ
例によって異世界召喚
例によって城から追放
例によって街は衛生的
召喚時、収納というスキルが出来て喜んだものの、周囲からは「役立たず」と冷淡な声が。
そんな事は無い、収納はチートだと主張したが、城を追い出される。
城外で検証したら、本当に役立たずだった。
まず容量が小さい。
砂を入れて出してみたら、およそ30cm×30cm×30cmで小さい。
しかも自分ではどのくらいの量を収納したか判らない。
更には1種類しか入らない。
砂を入れた後、石を入れようとしたが入らない。
砂を出した後、石を入れると入るが、今度は砂が入らない。
他にも色々試したが2種類目が入らないのだ。
今度は足元の石を収納してみたら出来た。
手で触れなくても収納できることが判った。
石を放出して少しずつ石から離れて収納。放出を繰り返す。
有効範囲は歩幅二歩分だ。
この手のファンタジー小説に付き物の鑑定も複製も無い。
収納を知っている人たちに向かってチートと主張した自分が恥ずかしい。
とは言え、この異世界で生きていくには、このスキルしか頼る物が無い。
◇◇◇ ◇◇◇
ファンタジー小説にお馴染みの冒険者ギルドが有ったので冒険者登録しに行く。
登録はガバガバだった。
身元保証とか身辺調査とか無し。
ファンタジー小説のお約束であるアウトロー冒険者に絡まれる事無く、無事登録した。
名前と特技、公開してよいならスキルを受付窓口に申請、受付窓口が代筆。
特技とスキルは仕事斡旋の時に有利になるからと言われて申告。
正直に収納と申告したら残念な顔をされた。
そして収納の残念機能を聞かされる。
暫くしてギルド証が渡される
衛兵からギルド証を提示を求められたら提示しないといけない、無い場合は留置場行き、という注意を頂く。
なお、一般市民も身分証を持っている。
冒険者ギルドで仕事を斡旋してもらう。
とは言っても、ファンタジー小説で定番の初心者ご用達、城壁外の草原に生えている薬草を採取してくるだけの簡単なお仕事。
城を追い出される時に、文官らしい人から銀貨一枚貰ったが、どうやら宿一泊分しか無いらしい。
明日の宿代の為にサクッと稼ごう。
◇◇◇ ◇◇◇
ファンタジー小説で定型化された門番のお小言を頂いて草原まで歩く。
感覚的に2時間歩いて草原まで来た。
早速薬草を摘み始める。
薬草がどんなのか判らなかったので、無理を言って冒険者窓口で薬草の見本を見せて貰っていた。
受付窓口によれば、こういうことを要求するのは稀との事。
似た草を地面から親指一個分上の箇所で摘んで収納する。
ファンタジー小説の説によれば根ごと取るのはいけないそうだ。
あとは草をひたすら摘んで収納していく。
と、収納出来ない草が。
全く同じなのに収納出来ないという事は、別物なのだろうか?
その草を放り投げて再び薬草を摘んでいく。
五回に一回の割合で収納出来ない草がある。
だいぶ時間が経った後、ふと思う。
捨てていた草なのだが、実はその草が薬草だったりして。
慌てて捨てていた草を見つけだして手に掴み、収納していた草を一旦全部放出して袋にまとめる。
そして手に掴んだ草を収納した後、採取した道順を戻りながら収納を繰り返す。
これで2種類の草を分別出来た。
冒険者窓口で両方見せて窓口の人に判別させれば良いだろう。
太陽がだいぶ傾いてきたので帰るとするか。
◇◇◇ ◇◇◇
で、冒険者窓口で両方の草を見せた所、量の少ない方が薬草だった。
危うく金を捨てる所だった。
分別出来ていたので色を付けて貰って銀貨一枚に銅貨十四枚となった。
冒険者窓口で新人冒険者が泊まれ、かつ個室の宿を幾つか紹介してもらう。
冒険者ギルドに近くから遠くまであるが、遠くの方が安いと予想して遠くの宿屋へ行く。
夜朝食事つきで一泊銅貨五十枚=銀貨半分との事なので、二泊分として銀貨一枚を渡す。
食事を終えて個室で藁むき出しの寝台に横になりながら考える。
どうすれば稼げるようになるだろうか?
どうすれば収納を有効活用できるだろうか?
地球の砂場には砂鉄や砂チタンがあるが、この異世界も同様だとしたら、それを収納して鍛冶屋に卸せないだろうか?
いや、鍛冶屋があるかどうかは疑問だし、そもそもどうやって最初の砂鉄や砂チタンを収納するのだろうか?
◇◇◇ ◇◇◇
翌朝、宿の裏にある井戸から水を収納し、壁外の北側に位置する荒野に来た。
器に四分の一ほどの砂を入れ、器一杯に水を放出する。
木の棒で攪拌して暫くした後、慎重に上澄みを捨てる。
それを二十回ほど繰り返し、器に残った黒っぽい土を持ってきた木の板に撒布する。
暫くすると黒っぽい土が半乾きになったので、木の板を小刻みに揺すって小石を転がり落とす。
これで砂鉄っぽいのが抽出できた。
黒っぽい土を指で掬って収納してみる。
ほんと、鑑定が出来ればどんなに助かる事か。
周辺を歩きながら収納を繰り返す。
ある程度収納したら、木の板に収納した砂鉄っぽいのを半分ほど放出する。
そして再び収納を繰り返した後、木の板の砂鉄っぽいのを収納する。
自分では容量が一杯になったかどうかわからないのだ。
収納と放出を繰り返して、収納容量が一杯になったかどうかを確認してく。
昼過ぎごろ、収納容量が一杯になったらしく、これ以上は収納出来ないようだ。
見本として少量の砂鉄を小さな器に入れる。
元々使っていた器は水洗いしたあと、木の板に残っていた黒っぽい土を器に移す。
木の板はそのまま放置し、器を持って街に戻る事にした。
◇◇◇ ◇◇◇
壁内に戻り、門番に鍛冶屋を尋ねて鍛冶屋を訪ねる。
鍛冶屋に入り、砂鉄の買取が出来ないか聞く。
返答は「出来るが量が無いなら出来かねる」との事なので、遠慮なくタライみたいな器に砂鉄を全て放出する。
量として100Kg程か、驚く店員、どや顔の主人公。
計量すると地球換算で112kgあった。
この量なら地球換算で鉄が18kgは出来るとの事。
以外と少ない量でショボーンとする主人公。
結局砂鉄の買取価格は銀貨一枚との事。
全然少ない事に更にショボーンとする主人公。
では器にわずかに残っている黒い土は何かと尋ねたら軽鉄という。
鉄より軽く強くさびにくいとの事。
正しくチタンの事だ。
軽鉄の買取価格を聞いた所、地球換算で1kgが銀貨一枚との事。
がぜんやる気を出す主人公。
次回買い取り依頼に来る事を告げて宿に帰る。
◇◇◇ ◇◇◇
翌日から軽鉄の回収に勤しみ、一日で銀貨十二枚を手に入れる。
安定収入が出来る様になったので、個室があるものの最低クラスの宿屋から中級者向けの宿屋に宿替えする。
一泊銀貨二枚だが、快適な安眠の為なら必要な出費だ。
チクチクする藁むき出しの寝台はこりごりだ。
毎日休みなく荒野で砂チタンを回収して鍛冶屋で売却していたのだが、ついに鍛冶屋から「暫く買い取りしない」の言葉が来た。
ショックを受ける主人公に罪悪感を感じる鍛冶屋は、何か協力する事は無いかとの申し出る。
ならばと採取用の短剣を所望すると、弟子が作った習作を格安(銀貨二枚)で譲ってもらえることになった。
ここまで十日、初日の砂鉄売却を含めれば銀貨百二十一枚の収入となった。
(なお支出は銀貨二十四枚銅貨三十八枚)
◇◇◇ ◇◇◇
夕食後、宿屋で手触りの良い布で覆われた寝台に横になりながら考える。
取り合えず五十日分の生活費は確保した。
しかし、それ以降はどうやって稼ごうか。
考えたくは無かったが、街に落ちて見つからずにいる銅貨・銀貨を収納で拾い集めよう。
乞食みたいだけど贅沢は言っていられない。
注意すべきは、人や店などの建物の近くで収納しない事だ。
人の財布からスリ取ってしまう事になる。
犯罪者にはなりたくない。
金貨を持っていれば金貨も収納できるのだけど、両替するにしても銀貨がわずかに足りない。
いずれは枯れた鉱山に入って金銀を回収出来れば良いな。
◇◇◇ ◇◇◇
貨幣漁りの初日。
宿の朝食を終えて街に繰り出す。
先に銀貨を収納した後、中央通りから街の外れまで、人と建物に接近しない様にしながら収納を発動しまくる。
一日歩き回って銀貨三十二枚を収納する事が出来た。
二日目。
鍛冶屋の所で、無理を言って銀貨百枚+手間賃銀貨一枚を金貨一枚に交換してもらう。
そして金貨を収納した後、昨日と同じ様に中央通りから街の外れまで、人と建物に接近しない様にしながら収納を発動しまくる。
一日歩き回って金貨十九枚を収納する事が出来た。
三日目。
再び鍛冶屋の所で、無理を言って金貨一枚を帝国金貨一枚に交換してもらう。
この街、というかこの王国で主に流通している金貨は自国の王国金貨、旧王国金貨、帝国金貨、聖国金貨の四種類だ。
それ以外にも旧帝国金貨、旧旧帝国金貨、旧聖国金貨も有るらしいが、鍛冶屋店主は見たことは無いという。
貨幣価値は、旧王国金貨>王国金貨=銀貨百枚>帝国金貨>聖国金貨となる。
旧王国金貨は金含有率が高い分、貨幣価値が高いらしい。
帝国は仮想敵対国家なので、使用するにしても足元を見られて価値が低いとの事。
情報量として銀貨一枚を手渡して再び街に繰り出す。
一日歩き回って帝国金貨七枚を収納する事が出来た。
四日目。
再び鍛冶屋の所で、無理を言って帝国金貨一枚を聖国金貨一枚に交換してもらう。
一日歩き回っったが聖国金貨は収納する事が出来なかった。
完全な無駄骨である。
ここまで四日、成果は金貨十九枚、帝国金貨七枚、銀貨三十二枚となった。
ボーナスタイムの終了である。
◇◇◇ ◇◇◇
翌日、十四日?久しぶりに冒険者ギルドを訪れたら、受付窓口の人に驚かれた顔をされた。
なんでも十日以上来なかったので、死んだと思われていたようだ。
よくもまぁド新人の顔を覚えていましたね~と言うと、身なりが良いのでどっかの世間知らずのボンボンが家を追い出されて冒険者になりに来た、と推測して注視していたとの事。
注目されていたとは……
悪い事は出来ないな。
まあ兎にも角、冒険者ギルドの薬草採取の仕事を受注する事にした。
前回の薬草採取は一日頑張っても銀貨一枚、つまり今の宿の半日分にしかならないので、別の実入りの良い薬草採取が無いか尋ねる。
在るには在るが、徒歩移動に四分の一日の草原で、もう既に四分の一日が過ぎている、すると採取時間は四分の一日となり、稼ぎが半分になるとの事。
暗にもっと早く来いと言ってる様に聞こえる。
なお、四分の一日とは日の出日の入りを四分割した時間で、地球換算で3時間相当らしい。
取り合えず、今日は採取は諦めて、その場所に行ってみる事にした。
採取場所の地図を見せてもらう。
とは言っても道一本なので迷う事はないらしいが。
勿論、受付窓口にお願いして採取する薬草の見本を見せてもらい、銅貨十枚で買い取りする。
採取場所へ行く途中、催してきたので道を逸れて用を足す。
今は良いけど、魔物がいる森に行く場合、用を足す時は無防備になるので見張り役の仲間が必要になるな~とつらつらと思う。
採取場所に着いたが、目印が無いのでよく判らない。
が、あちこちに丸まった冒険者がいるで、多分ここだろう。
良く見ると、身なりのキチンとしたベテラン風の冒険者が二人三人いる。
多分護衛だ。
しかし新人冒険者に護衛を頼むだけの金銭はないと思われるので、冒険者ギルドが雇った護衛か、郎党なのだろうか。
自分も他の冒険者同様に丸まって、短剣で草を刈り収納を試みる。
何回か草を刈って収納した後、放出すると、何本か出てきた。
しっかり薬草が採取出来た様である。
下見も終わったし、帰るとしよう。
◇◇◇ ◇◇◇
採取初日。
日の出より少し遅れて(起こす人がいなかったので寝坊して)宿を出発。
四分の一日で草原に到着。
草刈りをしつつ収納を行い薬草を回収する。
他の冒険者が帰り支度を始めたので、自分も採取を止めて帰る事にする。
一緒に引っ付いて帰ると寄生と思われるのが嫌なので、早足で先に歩くことにする。
冒険者ギルドで換金すると銀貨一枚に銅貨五十三枚。
最初の薬草採取よりは良いが、宿屋一泊分には届かない。
二日目。
頑張ったが成果は銀貨一枚に銅貨七十一枚。
やはり宿屋一泊分には届かない。
これは無理。
今の宿を変えるか、もっと稼ぎを良くしないといずれ資金不足になる。
或いは薬草に付加価値を付けるか。
時間停止が有れば鮮度を保つことができて高く売れそうなのに。
二日目の夜。
どうやって薬草から薬を作るのか想像してみる。
1)薬草を磨り潰す
2)水か湯を加えて布で薬草を絞り出す
3)液体を煮詰める
4)追加のく薬を加える
5)分量を量って瓶詰して出来上がり
薬草から直接原液を抽出する事が出来れば、1)~3)の工程が無くなって高く売れるのではないか?
しかも煮詰める時に薬が蒸発して効能が悪くなるかも知れない。
原液ならそんなことも無く、効能が高まるかも知れない。
三日目の夜。
宿屋の部屋で作業開始。
昼間に回収しておいた草を全て放出。
草を爪で引っ搔いて磨り潰す。
出てきた汁を指で掬い取り回収、出来た
そして草から直接汁を回収、出来た。
宿屋から借りてきた三十リットルは入りそうな大きな器に汁を放出、量としてはざっくり八分の一ほど。
青汁っぽい。
舐めてみたが凄く苦い。
汁を回収。
◇◇◇ ◇◇◇
原液売却一日目の朝。
冒険者ギルドに行って、この薬草から出来る薬を聞き出す。
薬を作成する人を紹介して欲しかったのたが「ギルド間協定でダメ」との事。
雑貨屋に行き薬が売られている事を確認し、どうやって仕入れているかを聞いたら、薬師ギルドから仕入れているとの事。
作成者である薬師にたどり着くのは無理っぽい。
ならばと薬師ギルドの場所を聞いたら、これは銀貨二枚と引き換えに教えてもらえた。
雑貨屋で五リットルくらい入る器と蓋を購入。
原液売却一日目の昼。
器に汁を放出して蓋をして器を抱え、冒険者ギルドと比較したらこぢんまりとした薬師ギルドの建物に入る。
受付っぽい窓口で買い取りを願いしたら「買い取りはしない」との回答が。
雑貨屋の店主の名前を言ってここで買い取りしてもらえると嘘をついて薬草汁の入った器を見せる。
「なんだこれは」と聞かれたので薬草の原液と答える。
受付窓口の人は慌てて奥に行き、老人を連れて戻ってきた。
老人はこの薬師ギルドの副会長らしく、原液を鑑定(鑑定スキルではない)したら興奮して「今すぐ売れ何が何でも売れ拒否しようが売ってもらうぞ」と言い始める。
なんでも純度が高く、この薬草からは本来なら初級回復薬となるはずが上級回復薬に匹敵するとの事。
価格は、冒険者ギルドでは薬草採取一日分として標準価格銀貨1枚なのだが、これは冒険者救済価格であり薬師ギルドの発注価格は銅貨五十枚なのでこれを基準に、薬師の手間削減で十倍、更に上級回復薬になる事から中級三倍上級三倍の銀貨四十五枚となった。
次回、収納の容量一杯の原液を売れば…ポク…ポク…ポク…チーン、金貨三枚になる。
良し、予想以上に金になる。
副会長からは「どうやって原液を抽出した!?」と聞かれるが、飯の種なので教えないと拒否。
その代わりに次回取引の約束をする。
原液売却一日目の夕方。
薬師ギルドの副会長の紹介状を持って商業ギルドを訪問。
商人登録をし、今まで稼いだお金の半分を商業ギルドの資産保管に預け入れる。
保管料は取られるが、大金を持ち歩く必要が無くなるので安心安全だ。
ついでに税金の事も聞いてみた。
すると簿記を作成し、年一回徴税官が査定して商人税の金額を決めるとの事。
やべー、直接取引した分は脱税になるじゃん。
聞くと脱税は鞭打ち、巨額になると死刑だとか。
そもそも冒険者は文字が書けないので代わりに冒険者組合が税金を納め、、税引き金額を冒険者に渡しているので問題ないとの事。
慌てて商業ギルドで簿記と筆記用具一式を購入して帳簿に記載しようとして筆が止まる。
文字が判らない…
商業ギルドで会計士を紹介してもらい、代わりに簿記を付けてもらう事にした。
原液売却二日目の朝
商業ギルドの一室で会計士と面会、手数料を払ってこれまでの直接取引(冒険者分を除く)を申告して簿記を付けて貰った。
これは文字を覚えないとダメだな。
簿記のやり方はチンプンカンプンだが、少なくとも数字に不正が無い事は確認出来ないと不味い。
原液売却二日目の昼
薬師ギルドに突撃し、文字を教えてくれる教師役を紹介してもらう。
商業ギルドで紹介して貰えなかったのは、会計士の飯の種を奪う事になるから紹介しないらしい。
薬師ギルドの職員が無料で文字を教えてくれる事になった。
上級回復薬の原液を持ち込むので、VIP待遇なのだろう。
その日は文字を教えてもらう事で終了。
自分の席の後ろで副会長がウロウロとして原液を早く持って来いとプレッシャーを掛けるので、明日は原液を採取しよう。
原液売却三日目
原液を売却せずに残しておいた原液を回収。
草原に来て、草を刈りながら原液を回収、草刈り回収、草刈り回収、草刈り回収。
昼を過ぎた頃にどうやら回収出来なくなったようなので、撤収。
宿に戻って三十リットル入る器と蓋を持って薬師ギルドに移動。
薬師ギルド手前の家の裏で、器に原液を放出して蓋をする。
重い、地球換算で三十kg近くあるので、抱えて牛歩の如く歩くのがやっと。
漸く薬師ギルドに到着、足で扉を開けて受付窓口まで行く。
受付窓口の人は直ぐに奥に行って副会長を連れてきた。
副会長の原液鑑定で前回と変わらない品質の評をもらう。
地球換算で二十七リットルあるので予想通り金貨三枚で取引成立。
その後は夜遅くまで職員に文字を教えてもらい、宿に帰って就寝。
◇◇◇ ◇◇◇
以降は原液採取しながら、偶には冒険者ギルドに顔を出し、土地借用(土地は領主の物、王都なので国王の物)してそこに住み、地球換算で年収九億相当の生活をする。
◆◆◆ ◆◆◆
手を触れずに有効範囲の物を収納できる機能がチートだった。
---- 設定 -----
銀貨一枚=おおよそ1万円
銅貨百枚=銀貨一枚
銀貨百枚=金貨一枚
14世紀イギリス金/穀物=24000 鉄/穀物=4.8
金の価値が同じと仮定
金1kg=1400万円
鉄1kg価格=4.8÷24000×1400万円=2800円
砂鉄1kg買い取り価格は20%掛けとして560円
草を回収してから原液を作る場合、どのくらいの量になるか?
草の密度は0.1~0.5g/cm3らしいので0.3g/cm3と仮定
30*30*30=27kcm3なので
0.3*27k=8.1kg
草の水分量は葉で80%なので50%と仮定
8.1kg×50%=4.05kgの原液
直接草から汁を回収する場合
原液27kgなので、草は54kgとなる
54k÷8.1k=6.67倍の薬草回収に相当
一回につき平均銀貨一枚銅貨五十枚と仮定すると
1.50×6.67=銀貨10.0枚相当




