追放劇
『お前には失望した』
その言葉を聞きながら僕は唇を噛む。
父は開かれた本の一文を横目で見ながら、
『お前を追放する!』
僕はその次に書かれた台詞を吐く。
『どうしてですか!?』
そう、僕と父は本に書かれた劇を演じている。
この本は初代様が書き記したとされ、ある条件が合致した者が出現したら、本に書かれている劇をしなければならないと代々言い伝えられているのだ。
『それはお前に属性が無いからだ!』
「ウフフ♪」
その条件とは、成人の儀で属性が無い者が現れた場合だ。
『そんな!』
そして曾祖父も属性が無かった為に、この寸劇をやらされたと言う。
『この伯爵家にお前の様な無能は不要だ、今すぐ出て行け!』
「クスクス」
初代様はなぜこんな劇をやる様に命じたのだろうか、理解に苦しむ。
『わ、判りました』
初代様はイセカイテンセイとやらで属性魔法が使えず、かなりの屈辱を味わったと言うので、子孫にもそれを経験させたいのだろうか?
『うむ』
「あ~可笑しいっ」
「母様、僕たちは真剣に演じているんですから、笑わないでください」
「あら、ごめんなさい。でもギルバード様の棒読みがおかしくて」
ギルバード様とは父の事だが、確かに下手くそだ。
父に演技させるくらいなら五歳になったばかりの妹の方がよっぽど演技上手だろう、その歳で男たちを手玉に取るのだ。
「セイレン、それはないだろう」
父は情けない顔をして母様に抗議する。
----
後が続かないので、ここで終了




