聖女の死後に神が降臨
聖女が幽閉された王城の塔で、食事も水も与えられず一人孤独に息を引き取った日の夜。
神が王城の真上に顕然。
その神々しさに神だと瞬時に判り、我々の為に来て頂いたのだと喜ぶ王城の人々、しかし聞こえてきたのは期待したのと違う御言葉だった。
「汝らは罪深き者達である。故に罰を与えん」
罪とは何か?身に覚えのない王城の人々は不思議がった。
その日の晩餐、まったく味がしないのに気付く。
味のしない食事に絶望する。
五日後、再び神が顕然。
「我々が何をしたのでしょうか?」祈る人々に神は宣う。
「汝らは我が妻を鞭打つ罪深き者達である。故に罰を与えん」
そこではっとする、聖女を殺してしまったことを。
体中から激痛が走る、布がずれただけで肌に痛みが走り、歩くだけで足の裏が痛み、湯あみのお湯が当たるだけでのた打ち回る。
人々は痛む体に鞭打ち、聖女を丁重に弔った、これで許してもらえるのだろうかと茨も掴む思いで。
五日後、再び神が顕然。
「お許しください、神よ、知らなかったのです」地べたに付く膝から激痛が走りながら涙を流して許しを請う城内の人々。
「汝らは我が妻を鞭打ち虐げる罪深き者達である。故に罰を与えん」
今までは寝台に横たわれば背中の激痛に見舞われながらも疲労で眠れたのだが、その日から全く眠れなくなった。
神の怒りの御言葉を聞きたく無いが為に王城を出ようと一歩外に歩んだ瞬間、謁見の間に戻されしまう。
何度やっても、誰がやっても同じだ。
閉じ込められたのだ。
五日後、再び神が顕然。
一睡もできず激痛でのた打ち回り食事もまともに出来ない人々は体は痩せきり骨が浮き憔悴しきっていた。
人々は恐怖に慄いた、神が何を言わんとしていたか予想出来たがために。
「汝らは我が妻を鞭打ち虐げ殺した罪深き者達である。故に呪いあれ」
五日十日二十日と過ぎ王城にいた人々は知った、自分たちの呪いに。
骨と皮だけになっても生き続ける自分たちは不死の呪いを受けたのだと。
自ら命を絶とうとしても次の瞬間再生するのだ。
体をバラバラにしても元通りになる、激痛が伴う体と共に未来永劫生き続けなければならない事に絶望する。
王都に住む人々は呪われた国に住みたくないと一斉に国外に逃げ出す。
そして国は滅び、今も懺悔の言葉を口にしながら干からびた木乃伊が王城の中を歩いているという。
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異世界ことわざ
茨も掴む=藁にもすがる




