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プロローグ




 今から起きることは現実(げんじつ)だ、僕の妄想(もうそう)なんかじゃない。


 都内有数(とないゆうすう)の進学校、私立蒼冠(そうかん)学園。

 旧校舎(きゅうこうしゃ)には立ち入りが原則禁止(きんし)となっており、普段は封鎖されている。

 古びれた二階建ての小さな校舎(こうしゃ)、その端にある小さな教室(きょうしつ)


 夕暮(ゆうぐ)れの西日で照らされたそこは、三つの人影(ひとかげ)がうごめいていた。


「ぐへへ……まさか僕にこんなチャンスが訪れるなんて、さすが()()()()()だな」


 スマホを片手に下衆(げす)な笑顔を浮かべる少年が一人。

 

 年齢(ねんれい)は16歳、高校一年生。

 ボブカットで鼻先まで伸びた髪が、根暗(ねくら)な雰囲気を(かも)し出している。

 身長は156㎝と小柄ながら、汗で透けた制服からうっすらと腹筋が見えるほどに筋肉質(きんにくしつ)だ。


 彼の名前は九々(くく)いちはち。男子生徒からは〈ゴッド〉、女子生徒から〈変態ゴミ〉の愛称で呼ばれている。


「さて、まずは僕のことをご主人様と呼んでもらおうかな?」


 (はち)はスマホを操作して、立体的な3Ⅾの()()を映しだす。


命令(めいれい)。君たちは僕の従順なメイド、目の前にいる人物をご主人様と認識(にんしき)する」

「「なにか御用(ごよう)でしょうか、ご主人様……」」


 (うつ)ろな(ひとみ)を浮かべた二人の少女が、機械音声(きかいおんせい)のような単調な声で答える。


 一人は、ドクロの眼帯(がんたい)印象的(いんしょうてき)な黒髪の少女。白のワイシャツにミニスカートの学生服(がくせいふく)を着ている。視線を集める豊満(ほうまん)乳房(おっぱい)は年上のお姉さんっぽい(つや)やかな色気を感じさせる。


 もう一人は、臀部(おしり)まで伸びた長い金髪の小柄な少女。学生服を着ているが、ブルマや体操服の方が似合いそうな童顔(どうがん)のロリである。


 (はち)意気揚々(いきようよう)とスマホを二人に向けて、口調を強めて命令する。


「そ、それじゃあ今着ている服を脱いでもらおうかな? 出来る限り()じらいと興奮(こうふん)を隠すようにね

 命令(めいれい)。君たちは体の内から熱くなってきて、思わず脱ぎだしたくなってしまう」

「「……わ、わかりました」」


 (はち)の命令に二人の少女は一瞬(いっしゅん)だけ躊躇(ためら)ったが、すぐに服を脱ぎだした。度々(たびたび)動きが止まるが、黙々(もくもく)と脱いでいく。


 ワイシャツやスカート、下着も脱いでいき10分も経たないうちに、一糸まとわぬ生まれたばかりの姿になった。


「お、おお。思ってたよりも緑仙(みせん)先輩のおっぱいって、大きいんだな。サイズってどれくらいなんだ?」

「え、えいちカップです」

「おお! エッチな体だけにHっていいね。前は遠くから見るだけだったけど、これは見応えがある」

「ひ、ひゃい」


 緑仙(みせん)と呼ばれた眼帯(がんたい)少女の裸体を、(はち)は隅々まで視姦(しかん)する。

 白くきめ細かい肌が、窓から差し込む西日(にしび)によって神秘的で美しい肢体に感じられる。

 両手に収まらないほどの二つのマシュマロ。ふわふわでもちもちしそうな質感で、先端の凸はいやらしくぷっくりと膨れている。


「でも、クレアのお尻も張りがあって()み心地がいいな。何か運動とかしているの?」

「……合気道を6歳のころからやってます」

「へえ、だからスラッとした筋肉質なんだね」

「くっ……きゃッ」


 クレアと呼ばれた金髪ロリのお尻を、(はち)が流れるような手つきで揉みしだく。

 うっすらと焼けた小麦色の肌は欲情(よくじょう)をそそり、抱きしめたくなるほど可愛(かわい)らしい。

 成長途中(せいちょうとちゅう)の小さな胸だが、引き締まったお尻はとても健康的(けんこうてき)だ。


 二人は(はち)に触れられるたびに「ひゃっ♡」「に、にゃあッ⁉」「んっ――」など、静かに(あえ)ぎ声を()らす。


 甘くて(とろ)けるような反応に、(はち)は調子に乗って二人の全身を(まさぐ)りはじめる。

 たっぷりと時間を使って、首元から足先まで全身を触る。敏感(びんかん)凹凸(おうとつ)や湿っぽい部位に触れるたびに、二人が体を(もだ)えさせる。


「ふぅ……かなり満足したけど、これだけじゃ終われない」


 (はち)は衣服を脱ぎ捨てて全裸になった。そそり勃つ逸物(いちもつ)に二人の少女は頬を赤らめる。

 興奮(こうふん)性欲(せいよく)に脳を支配された(はち)は、二人の美少女に(おそ)い掛かった。




 もう一度言っておく。これは現実(げんじつ)だ、エロ漫画ではない。




「「命令(めいれい)貴方(あなた)は今から私たちの犬、どんな指示にも従うっッ!」」


 緑仙(みせん)とクレアの声が重なり、(はち)の動きがピタリと止まる。先ほどまでの意気揚々(いきようよう)としていた蜂の姿はなく、顔から生気が失われており無表情(むひょうじょう)


 (たましい)が抜かれたような(はち)に、先ほどまで命令通りの行動をしていた緑仙とクレアは、不敵(ふてき)な笑顔を浮かべる。


 緑仙(みせん)口角(こうかく)(くず)して恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべる。(よだれ)をジュルリと(すす)って(はち)の頬を()でる。


「ふふふっ……まさか、本当に催眠がかかるなんてね。命令通りに動くのも気持ちよかったけど、これはこれで……」


 (はち)(ほほ)から(くちびる)へと流れて、口につけた指を緑仙(みせん)は自身の(くちびる)(ぬぐ)う。


「私の体は好きにして良いって言ってるのに……辛抱(しんぼう)のないハチくんなんだから」


 クレアは緑仙(みせん)の動きを(うらや)ましそうに見た後、(はち)辛辣(しんらつ)な視線を向ける。嗜虐的(しぎゃくてき)悪魔(あくま)のような笑顔で、首や肩をポキポキと鳴らす。


「さて、この駄犬(だけん)にはしっかりと(しつけ)をしないとね。心の底から、格下(かくした)だって分からせないと」


 クレアは動かない(はち)をサンドバックのようにして(なぐ)()る。最初は八つ当たりだったが、徐々に(はち)の反応を楽しみ始める。


 そんな彼女達の命令に従っている(はち)の脳内は、


(ど、どうして俺の催眠が効いてないんだ。しかも、なんで俺が催眠にかかって――ゔっ、緑仙(みせん)先輩が俺の体を触ってきて……これはこれで意外とアリかも、って(いだ)ッ! クレアの野郎(やろう)躊躇(ちゅうちょ)なく俺の股間(こかん)を蹴ってきやがった⁉ なんだこの天国と地獄に(はち)まれた新境地(しんきょうち)はっッ⁉)

 



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