良いことと悪いこと
「では早速だがなにか依頼を受けてみるか。」
「じゃあまずは薬草とかかしら?」
「いや、そこらへんにいる魔物を倒してみよう。」
「え!冒険者なり立てというかつい今さっき登録した初心者の初心者如きが魔物なんて倒せませんよ!」
「えぇ...受付のお姉さんそんなこと思ってたのか...。」
「ちょっとショックかも...。」
「あ!すみません今のは間違いです。ハハハ...ハハ。」
「凄いことを聞いた気がしたが、まぁ置いておいて、そうだな...最初はだれでも倒せると思われているスライムでもやってみよう。万が一危なくなったら俺が助けるよ。」
「マソなら安心だね。わかったスライム如きこの私が倒して見せるわ。」
「では早速スライム〔ランクは問わない〕を受注するぞ。」
「ルッキーさんの補助お願いしますマソさん。では、期限は今この瞬間から2日後まで、頑張ってください!」
ということで俺たちは冒険者組合をでてヴァ―ナの外にある草原に行こうとしたがルッキーの武器がないことに気づき急遽武器屋に行くことにした。
「ところでマソ、この街来たのって初めてよね?」
「あ、あぁそうだがどうした?」
「一番最初会ったときはあんなに人見知りというか挙動不審というかそんな感じだったのにさっきの感じだとペラペラ誰とでも話せる人みたいだったじゃない。」
「いやぁ、そのなんだ、知ってる人の名前の街だったから不思議と安心感ってのが沸いたんだよな。」
「ふーん、そうなんだ。ん?ここはヴァ―ナという街、そして現魔王はヴァ―ナ様...。」
「まぁ知り合いとうか仲間というかそんな感じだ。」」
「すっごおおおい!!!マソ凄いよ!」
「お、おいいきなり叫ぶなよ。」
「どうやってお知り合いになったの?ぜひそこのところ詳しく誰よりも詳しく教えて頂戴!!」
「うーん、このことを教えるのはルッキーが魔法使いになったら教えるよ。それよりもっといいことを教えてあげようか?」
「それ以上の情報ということね?教えて!」
「ルッキーは薬を作るために魔王になりたいんだろう?」
「えぇそうよ。」
「今から良いことと悪いことを伝えよう。これはかなりまじめな話だ。一部の者にしか知らないことだからな。他言無用で頼む。もう一回言うぞ。これは真剣な話だ。ルッキー、おまえの人生にも関わってくることとなるだろう。」
「な、なによ。わかったわ。人生がかかってるなら真剣に聞くわ。」
「よし、これは人生の先輩として、前魔王としてのお話だ。」
「前魔王...?えぇえ!!」
「驚くのは最後にしておけ。もっと驚くからな。」
「うん。」
「まず良いことから、俺は前魔王でヴァ―ナの先輩だ。俺はルッキーが欲しがってる薬を今持っている。」
「え!」
「落ち着けって、さらに魔王になるための特殊な条件を俺は知っている。なんてって元魔王だしな。
で、悪いことなんだが、その笑みにこぼれている表情はやめてくれ。今からする話はその表情を恐怖に変えさせるからな。」
「う、うん。」
「悪いことその1、魔王になるためには歴代魔王3人、あるいは現魔王を殺すこと。俺もヴァ―ナも殺害対象に入ることだ。言った通りの表情になってるところ申し訳ないが悪いことその2、俺がもってるこの薬は渡すことができない。これは魔王になればわかることだが薬を作るにはそれ相応の代価が必要となってくる。最後に悪いことその3俺は人間ではない。以上だ。整理が必要だと思うから今日はスライム討伐はしなくていい。俺がやっておくよ。ゆっくり休んでな。」
「ちょっと重すぎかもだから休ませていただくね。」
「俺はもう一回冒険者組合に戻るよ。伝えないといけないことがあるからな。なにかあったら組合に来てくれ。ただその時は組合も大騒ぎになっていると思うがな。」
俺は冒険者組合に、ルッキーは宿屋方面に向かった。