2/50
002 この先真っ直ぐ
それは私が歩いているときであった
なんだか陽射しがまぶしくて何気なく上を見ると看板が目に入ったのだ
この先真っ直ぐ歩いて三分で〇〇〇というありきたりな看板だ
だが私にはその看板がとても気になった
何故ならこの先に〇〇〇などないからである
この街に移り住んで一年が経った私が言うのだから間違いない
絶対に〇〇〇はないのだ
歩いて三分ともなればこの場所からでもあるかを確認できそうなものであるのだが街並みのせいか見ることはできなかった
そしてたったの三分歩くだけで〇〇〇に着くと言うのであれば多少寄り道をするだけで〇〇〇がないことを確認できるという事である
そんな事を考えながら私はその看板の手前を曲がった