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001 自動販売機
ある日私は自動販売機の前に立っていた
いつも自動販売機で飲み物を買うことないのだがその日は何故だか無性に飲み物が欲しくなったのだ
財布からお金を取り出し光るボタンを眺めながら何を飲もうか考える
深く考えこむようなことでもないのですぐに決めてボタンを押した
するとがたんという音がして飲み物が落ちて来た
そして私は落ちて来たそれを取ろうとして気が付く
飲み物が二つあるのだ
もちろん同じものである
念のため確認したが当たり付きの自動販売機ではない
前に来た人が忘れていったのか悪意がある者が置いていったものなのかわからない
私は困った末に二つの飲み物を置いてその場を去ったのであった