後悔
それから壱夏は、アイツらとの約束の場所。
人通りの少ない陸橋の下へと来ていた。
少し離れた所から話し声が聞こえて来た。
「タケシくん今日は、お願いします!
今から来る奴コミュ症てキモいくせーに喧嘩だけは、めちゃくちゃ強いんすッよ。」
壱夏が隠れて見てみると、、、
いつものメンバーと一際、体の大きな人物!
(あれがタケシか!?)
「おう!任せとけ!!!
でも、何で?そんなに目の敵にするんだ?」
(そうだ!何で、そんなに目の敵にするんだ?
理由があるなら教えてくれ!)
「アイツ!俺らの事、馬鹿にしてるんすッよ。
学年1位だか知らねーけど!」
(してねーよ!コミュ症なだけだよ!!!)
「俺らが何度、話し掛けても
いつも、シカトして!俺らみたいな馬鹿とは話したく無いみたいなんすッよ。
そこが、気に入らないンスッ!!!」
「そうか、そう言う事か!!!
そいつは、俺も気に入らない!!!
任せろ!俺がギッタンギッタンにしてやる!!!」
(まてまてまて!!!初めに自分でコミュ症って、言ってたじゃねーか!!!
しかも、タケシ君そんな話を聞いただけで
僕を敵と見做し暴力を振るうなど、、、)
頭が悪すぎる!
「それにしても、、、遅いなアイツ!」
「家まで行くか!?」
(それは、困る。)
壱夏は仕方なく出て行くことにした。
壱夏が男達に近づくと、、、
とくに反応は無い。
なので、勇気を振り絞り声をかけた。
「あの〜、、、」
(お!自分から話しかけれた。
これが、仮面の効果か!!!)
そう思って居ると、、、
「何だ?なんか様か!?」
男達のリーダーが少し冷たく言い放つ。
「おい!とおる!!!何、女の子に何だ!
その口調は!!!」
体の大きなタケシが少し怒り出した。
「違うよ!タケシくん
あんまり人には、見られない方がいいと思って、、、。」
「そうか!そう言う事なら仕方ない!!!
お嬢さん、、、危ないから
ここから離れた方がいい!!!」
少しだけイケメン顔になったタケシが、そう伝えて来た。
「いえ。
僕は、とおるくんに呼ばれてここに来たんです。」
「何!とーるどう言う事だ!!!」
「え?わかりません!?」
「あ、、、とおるくん、、、僕です。
壱夏です。」
なんかスラスラ言葉が出てくるぞ!
素晴らしいぞ、仮面の魔法。
「はぁ?何言ってんだお前、、、?
て、、、」
「とーる!よく見ろコイツ壱夏かも知れない!」
「何!?でも、
何処となく面影が、、、。」
「お前!本当に壱夏か、、、?」
「うん。」
「マジか!!!
気持ち悪!タケシくんコイツです。
コイツをボコっちゃって下さい!!!」
「はぁ?何言ってんだ!!!」
ワナワナとタケシは、怒り出した!
鬼の形相で、とおるを睨み!
「、いや!違うんです。タケシくん、、、
コイツ、本当は、、、おと、ヘブしッ!」
とおるはタケシにぶん殴られた!!!
「ちょ、、ちょ、と、待って!タケ、ヘブしッ!!!」
「お前ら俺を騙したな!!!」
「違、、、へぶしッ!!!」
そこに居た、全員をタケシがギタギタにしていた。
「僕は、、、どうすれば良いですか?」
「あ!イチカちゃんは、帰ってもいいよ!」
「分かりました。ありがとうございます。」
壱夏は、タケシに一礼をすると走って家に帰った。
家に着くと、、、
階段を上がり姉さんの部屋に、、、
「姉ちゃん!!!」
「うわ!ビックリしたー!!どうした?
壱夏!?」
「あ、うん。
姉ちゃんの言ったとうり上手くいったよ!」
「え?何が?」
「女装だよ!女装して行ったら何とかなったみたい。」
「え?本当に、、、?何とかなったの?」
「え、、、?うん。」
「冗談のつもりだったけど、、、上手くいったなら良かったわね。」
「はぁ?冗談だったの!?」
「まぁ。最初は、ノリノリでやったけど、、、
アンタが、その格好で本当に友達の前に行くとは思わなかったわ。」
確かに、、、
今考えると、めちゃくちゃ恥ずかしい!
「ふざけんな!!!」
色々と思い出し激怒する壱夏!
「でも、何とかなったんなら良いじゃ無い!」
あっけらかんとした返事を返す。
お姉さんに怒りながらも、確かに効果はあったし
これで、何かが変わってくれればと思い。
壱夏は、納得した。
しかし、もう2度と女装はしないと心に誓った。