004 偽装婚、決定事項の様です!
「一矢君、よく言ってくれたね! これでグリーンバンブーも一生安泰だ!!」
お父さんまで一矢の手を取って、涙を流して喜んでいる。
「ちょ、ちょっと待ってちょっと待って、お母さん、お父さん! な、なななんで私が、こここ、こんな男の嫁に行かなきゃいけないのよおっ!」
嬉しいけど・・・・嬉しくなあぁぁぁ――――いっ!!
「えー。だってぇ。いおちゃんがイチ君のお嫁さんになってくれたらぁ、お店売らなくてもいいんだよお? 家もなくならないし、みんなハッピーじゃない。ね?」
ね? じゃなーい!
こうなったのは、一体誰のせいだ、誰の!!
「そうだぞ、伊織。美佐江がこんなに困っているのだ。子供なら親を助けるのが当然だろう」
「ふざけるな――――っ!! とにかくそんな話、受けられないわよっ! そんな人身売買みたいな事・・・・現代日本で時代遅れじゃないのっ」
「どうでもいいが、私の弁当は一体いつになったら着手してくれるのだ」一矢が大きくため息をついた。この男は、私がこれだけ嫌だと訴えているのにも関わらず、平然としているのだ。「借金問題が片付いたら、弁当を着手できると言ったのは、伊織ではないか。私が助けると言ってやっているのだ。有難く受けるだけで良いだろう。グリーンバンブーも助かるし、私に煩わしい見合い話が舞い込まなくて済むし、今まで通り毎日弁当が買える。いいことづくめで、伊織が反対する意味が皆無だ」
「だ、だって! い、一生に一度の事なんだよ? け、結婚なんて・・・・」
問題ありまくりよおっ!
一矢のお嫁さんなんて・・・・ずっとなりたかったわよぉおおぉ――!
それなのに契約婚=いずれ離婚が決定なんて、拗れまくった初恋に未来ナシじゃないのよぉおぉ――――!!
もおっ! 反対したくもなる、私の気持ちも解ってよ!
「こんないい縁談を断るヤツが何処にいるんだ! 伊織っ、有難く受けなさい。一矢君、ふつつかな娘ですが、どうぞよろしくお願いいたします。どうか、伊織を貰ってやって下さい」
お父さんに首根っこを掴まれて、がっしり捕獲されて無理やり頭を下げさせられた。
「イチ君。いおちゃんと、仲良くねぇ。お幸せに!」
お母さんまで・・・・。
「伊織。諦めろ。家族が諸手を挙げて賛成しているではないか。そうと決まれば、早速これから私の嫁として働いてもらうぞ。盛大に婚約パーティーを開いてお披露目しようじゃないか! あ、日替わり弁当は後で私の会社に届けてくれ。茶番につき合っていて弁当を受け取る時間が無くなってしまった。もう出勤の時間だからな。あと、解っていると思うが、弁当にピーマンは入れないように。それに今日は特別だから、白飯は大盛で私の好物を入れてくれて構わない。おかずは伊織に任せた。頼んだぞ!」
憎たらしいくらいに清々しい笑顔を湛えた一矢は、じゃあ、と手を上げて去って行った。
一矢が去った後に、お父さんとお母さんに、頼むからこの縁談断らないでくれ、店の存続と一家路頭に迷わせない為に!! と言われ、私の意見は真っ向無視だったが背に腹は代えられず、好きな男と偽装結婚みたいな事をさせられることになってしまった。
私が断ったら、家族全員路頭に迷って家なき子になっちゃうんだもの。
断れないわあああ。
ジーザス! 私の恋の行方は、一体どうなっちゃうの!?
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