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感動的な再会(?)、魔王達の今後


不定期でごめんよ〜。

暑いとね、体調が微妙でして……まぁ、皆さんも体調に気をつけて過ごしましょう!


今後とも〜よろしくねっ☆

 







 ーーーーパリンッ‼︎




 地下室の中で待っていた国王ジルドレットは……硝子が割れるような音と共に、鈍く輝き出した水晶に目を見開いた。




 輝きは徐々に光度を上げ、最終的に地下室を白く染め上げる。

 あまりの眩しさに目を閉じて逸らした国王は、光が収まった後にゆっくりと目を開き……ギョッとした顔でその場に現れた者達を見つめた。

 そこにいたのは、神獣ラスティとその婚約者であるアニス。

 そして……老若男女数十名と、倒れた獅子に似た獣とまだ若い女性の姿。

 しかし、誰も……何かを言うことができなかった。

 何故なら……。



「「すぴょー……すぴょー……すぴょぴょぴょー……」」



 ……………スヤスヤと、こんな場所だと言うのに心地好さそうに眠る……先代神獣とその伴侶とおぼしき者達がいたからだ。


『……………………』


 全員の視線が、音の抜けたような寝息を発する二人へと向かう。

 …………結構、シリアスなシーンだと思えたのだが……問答無用で脱力した。


「………と、取り敢えず……多少、医学に通じてるから……この二人の体調を診ておこう」

「……………すまない。頼む……」


 魔王の申し出に、思わずラスティは頭を抱える。

 ………(多分、間違ってないだろう)両親の間抜けな姿に、彼は思わず遠い目をした。

 ジルドレットも何が起きているんだと呆然としていたが……ハッとした顔で、慌てて声をかけた。


「なんかもう色々と聞きたいがっ……ひとまず、ラスティ殿、アニス嬢‼︎ 怪我はしてないな⁉︎」

「俺は大丈夫だ。アニスは?」

「………うん、私も大丈夫だよ。でも、魔王妃様……いなくなっちゃった」


 アニスは自身の胸に手を当てて、少し寂しそうに呟く。

 消える最後にアニスだけに伝えられた言葉。


『力を貸してくれて、ありがとう。どうか神獣さんと、幸せになって頂戴ね』


 アニスは、彼女が後悔なく旅立つことができたのだろうと、なんとなく理解する。

 そして……心の中で祈りを捧げた。


(どうか、魔王妃様も幸せになれますように)


 目を閉じていたアニスは、ゆっくりと目を開けて……再度、魔族達に介抱されている二人の方へと視線を向ける。

 そのまま視線を動かさずに……隣にいる婚約者へと声をかけた。


「ラスティ」

「…………あぁ」


 先にそちらに視線を向けていたラスティは少し震えた声で、彼らに近づいていく。

 手首に指先を当てつつ魔法で様子を確認していた魔王は、ホッとしたように息を吐いた。


「…………大丈夫だ。爆睡してるだけだ」

「うん、見りゃ分かる」

「…………だろうな……」

「「すぴょー……」」


 魔王は思わず目を逸らす。


「………………この二人は……」


 国王ジルドレットも倒れている者達が誰なのかをなんとなく悟ったのだろう。

 封印術式は崩壊した。

 ならば……それに組み込まれていた者達が解放されるのも当然で。

 ラスティは……初めて会う両親の姿に。

 今だに眠る両親を見て、泣きそうな顔で口を開いた。



「……………感動的な再会(?)なんだろうけどっ……‼︎ なんで寝息が〝すぴょー〟なのかなぁ……⁉︎ 間抜けすぎるだろぉ……‼︎」



『………(否定できない……)』


 本当は色々と話さなくてはいけないと分かっているのだが……この間抜けすぎる寝息の所為(?)で話す気にもならない。


「…………取り敢えず、場所、移動しよっか?」

『…………だな』





 苦笑いを浮かべたアニス達は……取り敢えず、地下室から出ることにした。






 *****







 爆睡している二人を他の控え室に寝かせてから、応接室に戻り魔王達の紹介をした瞬間ーー。



 再度、ブリジットの拳が魔王達へと唸った。




「お前がぁぁあっ‼︎ 元凶ですのねぇぇぇぇっっっ‼︎」


 バゴッ‼︎ 


「ぐふっ⁉︎」


 ドスッ‼︎


「ごほっ⁉︎」


 バキッ‼︎


「ぎゃあっ⁉︎」


 殴られる魔王達。

 鬼気迫るブリジットの姿に逃げようとする者、ガクガクと怯える者、覚悟を決める者、抵抗しようとする者……その反応は様々だが。

 ラスティの魔法阻害を受けて動けなくなった魔族達は、問答無用で殴られていく。

 そんな光景を見たアニスは大慌てで、荒ぶる幼馴染(ブリジット)の腕に抱きついた。


「ブリジット、ストーップ‼︎ 今、絶対骨折れたよね⁉︎ めよう〜っ⁉︎ というかっ……なんでラスティは手伝ってんの⁉︎ なんで、ラフェルは今度は止めないの⁉︎」


 数時間前はブリジットを止めたのに……何故か今は止める気配がなくて、それどころかラスティは澄まし顔で魔法を使っ(サポートし)ているし、ラフェルはニコニコと黒い笑顔で笑っている始末。

 困惑するアニスに、ラスティは呆れたような顔をしながら……幼馴染(自分)達が止めない理由を告げた。


「そりゃそうだろ。さっき止めたのはアニスに関することへの()()()だったから止めただけ。でも、今目の前にいるのは……全ての元凶だ。もう情報が必要な訳じゃないし、止める必要はないだろう?」

「そうそう。アニスが受けてきたモノに比べたら、ブリジットの拳なんて軽いモノだろう? 大丈夫だ、死ななければ」

「なんだかんだと言って、お前も幼馴染大好き〜だよなぁ。何気にキレてるだろ?」

「それはそうだろう? 一番に優先するのはブリジットだが……ラスティもアニス嬢も大事な幼馴染だからな。元凶が目の前にいるなら……なぁ?」

「「あはははっ」」


 にこやかに笑うラスティとラフェルに、アニスは「えぇ……」と困った顔をする。

 大切にしてくれるのは嬉しい。

 ここまで思ってくれるのも、嬉しい。

 だが、流石に大切な幼馴染が怪我をするのは嫌だった。

 ゆえに、アニスは魔法(行動)使う(する)ことにした。


「ブリジット〜」


 むぎゅっ。

 アニスはブリジットに抱きついて、彼女の背中をゆっくりと撫でる。

 そして、落ち着いた声で優しく諭した。


「ブリジットが私のために怒ってくれたのはとっても嬉しいよ。でも、そのために傷ついちゃうのは私は嫌なの。それにね?」


 にっこりっ。

 ビクッ……‼︎

 アニスのドス黒い笑顔を見たブリジットは、思いっきり身体を震わせる。

 それに気づきながらも……アニスはその笑みを更に深くさせた。



「…………この人達はこれから、身を粉にして働いてもらうから……ブリジットが手を出さなくても、大丈夫だよ?」



「え、えぇ……分かったわ……」


 ブリジットはコクコクと頷き、魔王達もそれを聞いて、〝えっ……自分達は何をさせられるの……?〟と恐怖を覚える。

 シンッ……と静まり返った応接室。

 国王ジルドレットは……こんな空気の中、話を続けなくてはならないことに胃痛を感じながらも、ゆっくりと口を開いた。


「えーっと……取り敢えず、色々と対応を決めていきたいんだが……」

「あっ。魔王様達は私の下僕になりました。それ前提でお願いします」

「そうか、下僕か…………下僕っっ⁉︎」


 思わずアニスの言葉を流しかけたが、ジルドレットは思いっきり叫ぶ。


「とは言っても〜……あくまで私のお願いはなんでも聞いてねってだけで、必要な時以外は用がないので……空いてる時間はラフェルに貸し出そうかなぁっと」

「…………わたし、に?」


 ラフェルはそれを聞いて、目をパチクリとさせる。

 しかし、聡い彼はアニスの意図を察して納得したように頷いた。


「なるほど、そういうことか。王太子わたし個人で動かせる人材はとても助かる」

「うんうん。だよね? いい判断だと思わない?」

「あぁ。なら、アニス嬢の望む通りに……馬車馬の如く働いてもらおう。ラスティは魔法による誓約の手伝いをしてもらいたい」

「……あぁー……なるほど。了承した」


 幼馴染〜ズの間で話がまとまった様子に、言葉の断片から意図を察した国王と魔王は遠い目をする。

 そんな王達の姿を見た魔族達は……ビクビクしながら、質問した。


「…………あの……どういう……?」

「…………君らはアニスの下僕(配下)だ。実害はなけれど、ずっと精神的な害を及ぼしているのだから……彼女に仕えるのは当然だ。しかし、だとしても……普段はアニス嬢から頼む仕事はないらしい。なら、その間はわたしの元で働いた方が効率的という訳だ」

「ラフェルは王太子だからな。個人で動かせる人材があれば、色々とやれることが増えるだろう」

「そういうこと〜。本来の未来では、魔王様達がこの国滅ぼしちゃってるんでしょ? なら、国のために働いてもらうのが一番だよねぇ。国が安定してれば、私の生活も安定するし」


 そこまで聞き、魔族達も先ほどまでの会話を理解した。

 アニスの下僕(配下)であることは変わりないが……魔族達には、王太子の仕事を補佐する役目を与えられたのだ。

 だが、それは危険も孕んでもいる。


「アニス様がそう言うなら……オレ達はそれに従うだけだ。だが、魔族オレらに……この国の王太子(重要人物)の仕事を手伝わせるのは危険では?」


 魔王の反応も当然だった。

 魔王と魔族達は、今の今まで罪を犯してきた。

 それだけでなく高度な魔法能力を持ち……この少数人数であれど、国を堕とすことができる。

 そんな危険種族(自分)達に国の補佐をさせるのかーー?

 魔王の質問に、ラフェルはにっこりと微笑みながら……頷いた。


「そのためのラスティの誓約魔法だよ」

「誓、約……」

「内容は後々話し合うが……業務内容の口外禁止や、実害を与えられないようにするなどと言った内容が含まれるだろうな」

「…………なるほど。そちらが問題ないと判断したならば、それに従おう。他の者達もいいな?」

『はい、魔王陛下』


 そんな会話を見ていた国王は……思わずぽつりと呟いた。



「……………国王無視して、話を進めないで欲しいんだが……はぁ……」






 ジルドレットはストレスでまた禿げそうな予感がした。









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