幕間・綻びから這い出るモノ達
明日は諸事情により、更新できないかもしれません‼︎
読んでくださってる皆さん、ごめんね〜。
それでは、今後ともよろしくお願いします☆
分厚い雲に覆われた、薄暗い夜。
街灯の灯りが届かぬ、路地裏で……それはゆっくりと這い出た。
「あぁ……やっと。やっと出れた‼︎」
黒い靄は嬉しそうに蠢く。
長い、永い時間……何も存在しない黒い世界に、一族諸共封印されてきた。
しかし、永い時間が影響を与えたのか……その封印に綻びが生じた。
本当なら、御方を一番に封印から解放すべきであったが……あくまで、その封印は綻んだ程度。
そのため、抜け穴から出れるのは、ある程度弱い者でないと無理であり……加えて、精神体のみだった。
「うぐっ……」
黒い靄は、痛み堪えるようにその場に蹲る。
身体を覆っていた靄が少しずつ薄れ、その存在感が薄れつつある。
それを確認したそれは、小さく舌打ちをした。
「…………あぁ、最悪。やっぱり、身体がないと、消えちゃうか」
精神体は肉体によって守られている。
そのため、精神体が剥き出しの状態では自然摩耗を防ぐことができず……精神体、つまりは自我の消滅は免れない。
しかし、それの身体は今だに封印の中。
今、この世界で使える器……それが乗っ取る身体を見つけなくてはならなかった。
「…………とにかく。僕と相性がいい器を見つけなきゃね。じゃないと、マトモに行動を取れもしないし……他の子を待たせちゃうかもしれないし」
そう呟いたそれは、闇に溶けるようにその場から消え去った。




