変わった世界
「おはようございます!」
店主の猫耳がピクンと動く
「おはよう、リゼッタ」
「開店準備、始めますか?」
「ああ。そうしておくれ」
私は、猫耳を持つ獣人レレイさんの経営するお店で働いている。
今では、特に珍しいことではないけれど、
私が子供の頃、彼らは皆、想像上のものでしかなかった。
私が6つの頃に彼らは人間と接触するようになり、
戦争もしたことがあったけれど今では和平を結んで、人の街に受け入れられている。
と言っても、それは一部の異種族だけでもともとヒト嫌いな種族は出てきていないとレレイさんに聞いた。
だから、ヒトと和平を結んでいるのは極一部。
獣人
龍人
エルフ
ドワーフ
この4つの種族が和平を結んでいる。
ただし、自由に行き来ができるのは獣人の国だけ。
レレイさんがいうには、龍人もエルフもドワーフも本来ならヒト嫌いだからだと。
あえて繋がりを作って自分達の領域を侵されないようにするのが狙いで、ヒトに接触したいと思っての行動ではないらしい。
開店準備を完了させ、表の札をopenにする。
カランカランと扉のベルが鳴る
「いらっしゃいませ!」
お客もヒトだけではない。
ヒトだけだった世界は、種族が入り乱れて様変わりした。
それでも落ち着いたこの平和な日々が続きますように、そう願いながら今日も一日が終わっていく。