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私に力を

いまなんとか続きを書いたので、もしかしたらちょっと間違っている所があるかもしれないです。

見直してから直します。

 空気が太陽の光にさらされて熱をはらみ、湿気とあいまって不快指数を底上げする。じりじりと焼けていく地肌、髪の毛のキューティクルが汗と共に滴り落ちる。まりんはクーラーの利いた喫茶店へ避難した。部屋内の冷気がひとときの休息をもたらす。少し肌寒いぐらいの空気が心地よい。注文してた抹茶アイスティーが運ばれてきた。喉に流し込む。渋みの利いた甘い液体が細胞に水気を送り込んで一息ついた。


「あーあ残念ながら勝ち抜けませんでした」

 みのりは天を仰いで甲高い声で呟いた。すぐにおっかぶさる有線のJ-POP。みのりの競技かるた部は残念ならが本選には勝ち抜けなかったらしい。


「溝手君が戦力になっていればねえ」

 なかなか難しい所のある彼だが、磨けば光るセンスはあった。彼が部の妖刀として存在感を出すまでには時間はかかるかもしれないが、希沙との対抗戦が控えているので早く成長して欲しい所だ。


「でさあ、みのり。ここら辺はどうかなってチョイスしたんだけど」

 まりんはノートを開いて、主たる歴史イベントを見せた。みのりはしばらく見つめると、まりんの瞳孔に視線を合わせて話す。


「生霊を生かせばいいと思った」

 みのりは自分のメモを開くと、幽霊絡みの歴史的なエピソードをまりんに見せる。中には怪談話も紛れていた。


「怪談は歴史的事実ではなくてお話でしょ」

 


「堅い事言わない。大江戸さんがOKすればいいでしょ」

というとみのりは自信満々の表情を見せる。その安心感に流されるまりん。心の中に心棒が通り抜けたような気分。


 メモを借りるとまりんは自室に戻って、PCで調べるつもりだった。その時、聞き覚えのある声にさえぎられた。目を奪う飴のような金髪の女生徒、市来希沙だった。


「ここで一夜漬けのお勉強でしゅか」

あえて幼児語でからかう希沙に怒りの元素が脳内をかけめぐり、心が押し上げられる。


「完成形で勝負すればいいのよ」

希沙を見据えるような視線でからめとり、負けないように強気の声で押し通した。


「朗報よ、三本勝負になったわ」


「えっ何」


「うちの部の占い研究会が、結果を当てて見せるからそれを勝負に組み込めってうるさくて」

希沙はあくまで不本意そうに肩をすくめて両手を広げる。


「占い部ってうちの高校あった」


「西洋占星術ならあったと思うけど」

まりんに問われたみのりは、視線を空に彷徨わせた後に返答した。念努高校でもあまり知られていない部だが、一部の占いマニアには人気らしい。


「そちらの占い部とうちの研究会で勝敗当ての勝負をすることにしたから。命拾いしたわね。」

希沙の一敗ぐらいしてやるという余裕の態度にムカついた。


「絶対に勝てる出し物にしてやる」

希沙のちっこい後ろ姿を見ながら、まりんは闘志を高めるのだった。

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