雲と電車とチョコミント
コレでラストです
貴重な時間を割いて頂き、ありがとうございました。
彼女を親友に寝取られた高校生・篠は、元彼女の宇都とローカル電車の中で再会する。夏休みの14時24分から14時32分。その短い時間は宇都と会話するようになって……。
私が大好きな糖度低めの青春モノ。友達じゃないし、付き合ってないし……という名前をつけるのが難しい関係だけど、周りの人は『あのカップルヤバい』って言ってるからきっとそれだけお似合いなんだろう。私も最終的に付き合うと思ってた。
篠の長身マッチョで猫好きで優しいイケメンキャラが、あるアニメのキャラを連想させるけど、『略奪や浮気は縁を捩り切る』と親友と彼女を間接的に切り捨てようとする惨い一面もある。親友と彼女のカーストが激落ちするというシリアスな場面では手助けもナシ興味ナシと、惨い一面が際立つように感じた。
好きな台詞は宇都の『今は恋じゃない。けど篠と付き合ってたのは楽しかった』中学時代、太っててクラス中でからかわれた篠と、眼鏡とおさげ髪で地味な見た目だった宇都。そんな二人は秘密の付き合いで、でも二人は限られた時間と場所でも考えて恋していたのがとても微笑ましく映った。
今では洗練された二人が付き合ったら見返しカップルになるなと勝手に思った。
短編小説だけどなかなか満足した。ただ、何でタイトルに『チョコミント』が入ったのかは未だにわからない。裏設定があるのか、比喩的なものか、語感で決めたのか。作者は何も明かしていないからとても気になるところだ。