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4.ドS女、今更後悔する

※小町視点

 その後、私はどうやって午後の授業を乗り切ったのか、殆ど覚えていない。というか、学活も伝達ミスが無かったかすっごい心配だ。


「――とりあえず、私を巻き込むな」


 開口一発、琴瀬から出た言葉に、私は撃沈する。


「うう・・・友達甲斐のない・・・」


「っていうか、私に恋愛相談してまともな答えが返ってくると思ってる?」


 そ、それは・・・。


「思ってない、です」


「それは良かった。期待されても困る。それに、物欲に負けてアイツの言葉に乗っかったアンタの自業自得」


「それは・・・武将フィギュアとか城めぐりとか心惹かれたけど、自分で集めたり、行けなくもないんだよ?でもっ・・・あの生徒会のイケメンが武将のコスプレとか!!!断ったらもったいない!!」


「そっちかい!!・・・アンタは意外と面食いだよな・・・」


「美形は目の保養!!・・・いやー、ウチの学校の生徒って、なんだってあんなに顔面レベルが高いんだ?」


「理事長の趣味・・・」


「・・・い、いやいや・・・それだけは、あって欲しくないんだけど」


 でも、否定し難い。なにせ、職員も生徒も最終的に面談しているのは理事長だから。


「とまぁ、冗談は措いといて・・・あの悩める青少年はそりゃもう用意周到に外堀埋めまくってたから。暗黒同好会でも話題になってたし」


「そ・・・そうなの?」


「そうなの。アンタに逃げられないようにって、理事長にはオトすぞ宣言してるし、自分の両親にはアンタの素行調査をさせて問題ないってことを確認させてたらしいし」


「ちょ!・・・素行調査・・・」


 そんなことをされていたなんて、まっっっったく気が付かなかった。っていうか、私のプライバシーは!?お金持ちって怖い!!


「学校来て授業やって歴史資料室で貴重な資料に萌えて職員寮に帰るだけの生活なんだから、調べられても痛くもかゆくもないでしょうに」


「うぐ・・・そ、それは」


「それに、埋められた外堀はそれだけじゃないぞ?」


「な・・・なに?」


 い、嫌な予感しかしない・・・。


「・・・ま、逃げられないって思ってた方が良いな。アレ、かなり本気だぞ?」


「え、気になる!!外堀ってどこの外堀!?っていうか知ってたら教えてくれたって良いのに!!」


「え、だってめんど・・・いや、おもしろ・・・ああ、まぁ、所詮他人事だから」


「うぉいっっ!!」


 面倒とか面白いとか言いかけたうえに、所詮他人事ってなんだ!!


 暗黒冥王、ゆらがねぇな!!


 なんとも微妙な思いになり、私は脱力する。


「後悔してもムダ。名古屋イケメン武将隊を楽しんでくるが良いさ。そして、ヤツの餌食になるが良い」


「やめて!不吉な予言をすんのは!!」


 年上キラーというだけあって、年上の女性の扱いは慣れているんだろうけど、教え子に振り回されるって…良いんだろうか?


 あぁ、それで理事長にも確認したのか…。というか、理事長…絶対面白がってるって、あの人。


 外堀は埋められまくっているようだけど…それで私が素直に受け入れるとは思わないでもらおう。


 私は、自分のペースを崩されるのが苦手だ。だから、強引に迫られても逆に冷めるだけ。


 先生に恋愛感情を抱くなんて、ただの憧れのようなものだから、きっとすぐに飽きるに決まってる。それまでは、まぁ、報酬付きなワケだし、付き合ってあげても良いだろう。


 そう、この時の私は、日根君の想いを侮っていたのだ。

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