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11.VSお嬢様

注意:

テンプレ悪役?なご令嬢の登場です。

が、ドS女は堪えた様子は無い模様。

大丈夫、オッケー!という方はどうぞ↓↓↓

 というわけで、現在は日根家のなんちゃらパーティーの真っ最中でございます。婚約発表はパーティーの最後の方にあるんだそう。


 紹介は最後になるけれども、とエスコートしてくれた日根君はどこぞの社長さんとやらに捉まって、小難しい話をしている。


 つまり、私は今、無防備にも1人なワケだ。


 となると、どうなるか。恋愛小説的な流れをご存知ならばおわかりかと思うが、日根君狙いのお嬢様方に取り囲まれてしまった。


「アナタ、凱さんとはどのようなご関係ですの?」


 “ですの”って、お嬢様言葉は、カロリー学院の姉妹校であるヘルシー女学園でも滅多に聞かないぞ・・・生粋のお嬢様が多いのに。


「どのようなって・・・言われましても」


 婚約者(仮)です、と自分で言うのも業腹なんだが。


 まぁ、今回のパーティーの最後に重大発表がある、ってな感じで情報が流されているわけで。


 そのパーティーに、いつもは主催者側として誰もエスコートなどしていなかった日根君が私を連れて来たもんだから、色々と想像してしまっているんだろう。


 確かに、その想像は間違ってないと思うけどね。


「どちらのお嬢様なのかしら?」


「いえ、ウチの親はフツーの会社員ですが」


 そう。あくまでも私はパンピーさ。はいはい。見下したいのね?わかってますよ。


「まぁ。身の丈に合ったお付き合いされた方がよろしくってよ?」


 “よろしくってよ”って、アンタはお●夫人か!


 つか、そういうのって日根家に対しても失礼じゃね?だって、私と付き合いたくなければそれなりに距離を置くだろうし、むしろ、ガンガン迫って来てるんですがね。


「身の丈とか仰いますが、当事者同士が納得してるなら、外野がとやかく言うことではないと思うんですけども」


 まだ納得してないけどね!!そう言わないと、このお嬢様方に上げ足とられそうなんだもんさ!


 しかし、さすが年上キラー・・・。17歳の日根君に対して、群がっているらしいこのご令嬢方はおそらく20代前半・・・たぶん、大学生から新社会人くらいの年代かと思われる。


 高校生に掌で転がされる成人済みのご令嬢方・・・自分のことを棚に上げつつ、ご愁傷様だと心の中で合掌しておく。


「ですけど、片方に全くメリットのないお付き合いなんてするべきではありませんわ。アナタ程度の方でしたら、高望みなどせず、もう少しランクの低い方をお相手になさったらいかが?」


 “アナタ程度”ね・・・はいはい。取り立てて美人じゃありませんけどね。歴女で酒豪でイケメン大好きですけどね!!


 でもな、アンタらの大好きな日根君はこの外見が好きなんだとよ!!つまり、私を貶しているようで、日根君の趣味にケチ付けてるようなもんなんですけどね!!


 あー、腹立つわー。よく我慢してるよなー私。いやまぁ、ね?日根家に迷惑かけるわけにもいかないじゃん?それにさ、ここで私が言い返しても大した効力はないわけで。


 ならさ、最も効果のある方法で報復した方が良いと思わん?・・・くくく、私をナメてかかったことを後悔させてあげようねぇ。


「何を仰りたいのか、よくわかりませんが」


 “え~、何言ってるのか、わかんな~い”とか、この歳で言ったらバカっぽいのでやらないけど、ニュアンス的には同じだよな。あはは。


 最初からケンカ腰のお嬢様方に丁寧な応対をするのもバカらしいからと、適当にさばこうとした私が悪かったのか、彼女等はわかりやすく激昂した。


「これだけわかりやすく言ってもわからないと仰るの!?だったらハッキリ言ってさしあげますわ!アナタ、目ざわりなのよ!凱さんに付きまとうのはやめてくださらない!?」


 いやいや、お嬢様。日根君が、付きまとってるんですよ?私が付きまとってるわけじゃないですよ?


 つか、このお嬢様が手が先に出るタイプじゃなくて良かった!痛いのヤだし、水とか、その手に持ってるシャンパンとかぶっかけられたくないからね!!


 さて、どうやってこのお嬢様をおちつけようか。周りにいるお嬢様方もマジギレ5秒前的な顔してるし。・・・せっかく綺麗に着飾ってるのに、もったいない。


 なんて修羅場を目の前に現実逃避をしてると、にゅ、と腹の周りに腕が回されて、そのまま後ろにグイッと引かれる。


「ひゃ!?」


 転ぶ!と思ったら、固い胸に背中がぶつかった。


 ふ、と耳を彼の息がくすぐる。


「小町さん、慌ててるの、可愛い」


 だあああ!!耳元で囁くな!!耳元で!!!


 凄まじく恥ずかしい体勢だってことはわかってるぞ!!なんか、片方の腕でがっちり抱きしめられてるんですがね!!


「ちょ、日根君・・・!」


「ん。もう少し、俺の腕の中にいてくださいよ。ね?良いでしょ?」


 あ、甘い!!砂糖を吐きそうだ!!勘弁してよ!!

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