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未完成のまま― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―  作者: はるねこ


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9/9

第9話 雷鳴が響く先

三つ巴の中心。

雷、炎、影がぶつかり合い、戦場はもはや自然法則を失っていた。


ハルト「突雷断(アサルトスパーク)!!」


一直線の雷撃。

ラウルは即座に迎撃する。


ラウル「爆炎放射(ブレイズバースト)!!」


雷と炎が正面衝突し、爆風が戦場を薙ぐ。


ラウル「お前は何の用だ!!」


ラウルの炎が強まる。


ハルト「これ以上争えば必ず犠牲が生まれる!だからお前らを止めに来た!!」


ラウル「何言ってんだ!?この世界は1人しか生き残れねぇんだよ!!犠牲とか関係ねぇだろ!!」


分かってる。

どう頑張ってもこの世界では犠牲が生まれてしまう。

この目でいくつも見てきたから。

しかし、


ハルト「……ここは、俺のやり方でやってやる!!」


炎に負けずに雷の勢いが上がる。

その裏側、ハルトの後ろ。

クロウは、すでに動いていた。


クロウ『……雷、厄介だ。あいつから消す』


クロウの影が強まる。


クロウ「無音刃(サイレントエッジ)


ハルトの首元に影から伸びた刃が襲う。

だが、避けられた。

クロウの攻撃は死角から。

ほぼ不可避だ。


クロウ『……!?気づかれてたのか?』


ラウル「邪魔だぁ!!」


ラウルの炎がクロウへと向かう。

クロウは影に潜るが、間に合わずに左腕に火傷を負ってしまう。


クロウ「……くっ」


クロウは諦めてなかった。

ハルトを確実に殺すため、急な攻撃を仕掛ける。


クロウ『影からの急襲なら、確実に無傷では済まん』


雷が鎌に集束する。

ラウルにもう一度仕掛ける気だ。


クロウ「無音刃(サイレントエッジ)


今度はハルトのすぐ後ろからの攻撃。

その刃が腕に迫る。

しかし、


ハルト「……またか」


目に見えぬほどの速さで刃が弾かれた。


クロウ「何!?」


クロウは後退する。

明らかな不意打ち、防御は不可能。

それを容易く弾き返した。

違和感。


クロウ『何故、俺の攻撃が分かる?』


その光景にラウルも驚いた。


ラウル『おいおい、あいつどんだけ回避できるんだよ!?』


明らかにおかしい。

ラウルには分かる。

あの技は攻撃されるまで気づけない。

2人は気づく、先にハルト(あいつ)を殺らなければ……


ラウル「業炎爆砕(ヘルバースト)!!」


咆哮と同時に、灼熱の炎が弾ける。

圧縮された火球が一直線に伸び、地面を溶かしながらハルトへ迫る。


クロウ「影穿(シャドウピアス)!」


クロウの影が地面を滑り、刃のように尖る。

ハルトの背中へ突き上がる。

左からは炎。

右からは影。

完全か挟撃、逃げ場はない。


ハルト『右に避ければ、影に刺される。左に跳べば、炎に呑まれる』


一瞬の判断。


ハルト「瞬避(フラッシュドッジ)!!」


雷が爆ぜた。

ハルトの身体が稲妻のように揺らぎ、空間を“ずらす”ように滑る。

だが――


ラウル「まだまだぁ!!」


炎が進路を読んでいた。


ラウル「炎牙追撃(フレイムファング)!!」


火球が枝分かれし、逃げ道を塞ぐ。

同時に、影が伸びる。


クロウ「……逃がさない」


クロウの影が、雷光を“縫い止める”ように絡みつく。

次の瞬間。

轟音。

炎と影が、ハルトのいた場所で衝突した。

爆風が吹き荒れ、地面が抉れる。

その煙の中――


ハルト「雷波斬(ショックウェーブ)


鎌が振るわれ、雷の波動が前後に放たれる。

炎を切り裂き、影を弾き飛ばす。

またしても、当たらなかった。


ラウル『こいつ、どうなってやがる!?』


クロウ『さっきから当然のように対応してやがる。まるで次の攻撃が読めてるかのように……』


ハルトが少し横を見た。

クロウは何かに気づき、ハルトの向いている方向に視線を向けた。

そこには、ミナとレイ。


クロウ「……なるほど」


思わず声に出た。

何となく理解出来た。


クロウ『後ろに、目がある』


レイの背筋が凍る。


レイ「ミナ……!」


クロウはもう、ハルトを見ていなかった。

狙いは、決まった。


クロウ「……邪魔だ」


影が地面を裂き、一直線に二人へと跳ねた。

速い。

音もなく、距離を殺す。

ハルトの反応が一歩遅れた。


ハルト『まずい!!間に合わない――』


その影が、ミナを襲う。


ミナ「……!?」


その瞬間。


???「光盾結界(ルミナバリア)!!」


澄んだ声が割り込んだ。

白い光が壁となる。

セラたちが2人の後ろに立っていた。

展開された結界が、影の刃を受け止める。

ギィン、と鈍い音。

影が弾かれ、空間に歪みが走る。


ハルト「セラ!?なんでここに!?」


クロウ「……ちっ、次から次へと邪魔が入る……」


クロウは、止まらない。

影が再び形を変え、結界の隙間を探る。

その背後から、柔らかな声。


???「絶対に通さない」


フィオだった。

足元から緑が伸びる。

自然の力が結界に重なり、守りが強化される。


セラ「ここは――」


セラが一歩踏み出す。


セラ「僕たちが守る!」


クロウはその盾に圧倒され、壊すのを諦めた。


ミナ「みんな、なんで!?」


何故ここにいるか、謎だった。


アイラ「ごめんね、みんなが心配で付いてきちゃった」


ノア「ちょっと嫌な音が聞こえてね。不安になっちゃって」


アイラたちに救われた。

来なかったら今頃どうなっていたのか。


ミナ「ありがとぉ〜〜!!」


レイ「感謝する。君たちに救われたよ。ありがとう」


セラは笑った。


セラ「だって僕たち、仲間だから!!」


フィオ「仲間を守るのは当然でしょ!」


今改めて気づく。

私たちは仲間なんだと。


ミナ「うん!!」


戦場の中心でハルトが気づく。


ハルト『サポートがバレたか。だが相手の攻撃にも慣れてきた。いける!』


雷が再び走る。

三つ巴は、もう“純粋な力比べ”じゃなくなった。


『観測完了』


感情のない声が、世界そのものに響いた。

クリオだ。

ハルトの目線の先に、突然現れた。


クリオ『対象:ハルト

    対象:ラウル

    対象:クロウ』


クリオは淡々と続ける。


クリオ『予測値を超過』


ハルトは機械すぎるその声に、違和感を感じた。


ハルト「……何しに来た?」


ラウル「……誰だあいつ?」


クロウ「……あの時のガキ……今度こそ仕留める」


クロウは影を伸ばした。

だが――


クリオ『よって――』


空間に、数式のような光が走る。


クリオ『潜在制御:解除

    ――対象:120%』


次の瞬間。

――世界が、悲鳴を上げた。

To be continued…

第10話 120%のぶつかり合い

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