表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未完成のまま― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―  作者: はるねこ
第1期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/48

第13話 理想と現実

ハルトとユリカ、2人の目はカイとエルマに。


リン「頼んだわよ」


リンの能力:短距離転移(フェイズ・ステップ)により、その場にいた4人は戦場へワープした。

ハルトとカイは廃墟された高速道路。

何層にも重なる道路に、所々壊れているガードレール、直線もあればカーブもある。


ハルト「こんなとこ用意してたのか、リン」


カイ「……おい、お前が俺の相手か。残念だが無駄な足掻きだ。さっさと死んでくれ」


カイは軽く首を鳴らす。


ハルト「そうか?俺は勝つからここにいる。そして、みんなで帰るんだ」


ハルトは鎌を握りしめる。

その鎌には、雷が纏う。


カイ「ふん、この世界は“死に損ない”の集まりだ。全員救うなんて幻想、ただの自己満足だぞ」


ハルト「違う」


ハルトは視線をそらさない。

一歩前に歩く。


ハルト「救うかどうかじゃない。俺は、守る側に立つって決めただけだ!」


カイの表情が変わる。


カイ「甘いな。お前なんかに守れるわけねぇだろ!」


ハルトの雷が強く光る。


ハルト「それでもやる。置いて帰るくらいなら、倒れて進めない方がマシだ!」


一瞬、風が止む。

カイの目が僅かに真剣になる。


カイ「いいだろう!その馬鹿げた理想、俺の手で全て切り裂いてやる!!」


空間に緊張が走る。

戦闘開始。



一方、ユリカとエルマ。

ワープした場所は、閉鎖された病院の廊下。

薄暗く、照明も最低限。

心電図のモニターだけが音を立てる。

ピッ……ピッ……。


エルマ「あなたが私の相手ね。てっきりあの男の方かと思ったわ」


ユリカ「私じゃダメだったかな?」


ユリカは微笑む。


エルマ「だって、私の相手になるの?今のうちなら降参して許してあげるけど。まぁ、そうしてもあなたたちを置いていくけどね」


エルマはポケットから何やら取り出した。

白い手袋。

それを手にはめながら続ける。


エルマ「怖くないの?戦うことが」


ユリカは少し考える。


ユリカ「……今はね。この世界に来て分かったのよ。戦いの意味を」


一拍あけて答える。


ユリカ「私は、楽しいから戦ってるんじゃない。守られてるから戦う」


ユリカの脳裏には、微かに水色の髪の男が。


エルマ「守られてるから、か。そんなこと気にしたことなかったわ。まぁ、いいわ。お話は終わり」


エルマの手には小さな刃物。

お互い、目が鋭くなる。


エルマ「私と戦ったこと、後悔させてあげる」


今でも心電図の音は鳴り響く。

戦闘開始。



静かに風が高架の隙間を吹き抜ける。

割れた標識が微かに揺れる。

ハルトの足元で雷が弾けた。

向こうの道路の橋。

カイは片手をポケットに入れたまま立っている。


カイ「雷かぁ。速いのは嫌いじゃない」


次の瞬間。

目の前にカイが現れた。

ハルトはそれに反応し、打撃を受け流す。


ハルト『速ぇ!?だが、攻撃は耐え……』


突然、ハルトの肩に切り傷。

血が滲み出す。


ハルト「何!?確かに避けたはず!」


確かに打撃だけだった。

カイは笑みを浮かべる。


カイ「まだだぁ!!」


またもや視界から消える。

次の瞬間には目の前にカイはいる。

またもや打撃。

ハルトは即座に雷を地面へ流す。


ハルト「瞬避(フラッシュドッジ)!」


身体が横へ跳ぶ。

間一髪避けた。

だが、


ハルト『ぐっ……』


左腕にも切り傷。

さっきよりも深く、複数箇所。


ハルト『どういうことだ!?なぜ切られる!?』


風が強く吹く。

カイはそれに応じて攻める。

次は蹴り。

ハルトは鎌で受け、雷を散らす。

その瞬間、雷が弾かれ空気に波紋が広がる。

今、何かが見えた。


ハルト「斬撃か!」


カイの口角はまた上がる。


カイ「気づいたか」


足元に風が集まる。


カイ「特別に教えてやる。俺の能力:高速移動(ウィンド・スキップ)は速いだけじゃない。打撃の軌道に沿って圧縮した風を乗せることで斬撃となる」


カイはトンネルの中に入る。

風がカイの周りを囲う。


カイ「だから、こんなこともできる」


次の瞬間、無数の斬撃がハルトに向かう。

先程よりもデカく、鋭い斬撃。

ハルトは姿勢を低くする。


ハルト「見えないなら、賭けで何とかすればいい。あいつならそう言うんだろうな」


ハルトの頭には、ソラの姿。

周囲に雷が増す。


ハルト「雷波斬(ショックウェーブ)!」


大きな一太刀。

雷の波動が無数の斬撃を弾く。


カイ「流石に少し舐めていたな」


カイは地面を踏み込む。


カイ「こっからはスピード勝負といこう!」



白いタイルの上、エルマは足音を鳴らして近づく。

その手には小さな刃物、メスを持っている。

先に動いたのはユリカだった。


ユリカ「思考侵入(マインドスリップ)


意識の奥へ入り込み、思考を濁らせる。

エルマの姿が、僅かにブレた。

次の瞬間。


エルマ「もう遅い」


ユリカの首に浅い切り傷。

突然の出来事に目が見開く。


ユリカ『嘘、そんなはずは……』


距離はあった。

踏み込みも見えなかった。

再び能力を使う。

意識を乱し、判断を狂わせる。

だが、エルマはその前に動き終わっている。

足払い。

転倒。

首元にメス。


ユリカ『攻撃が……間に合ってない?』


ユリカの呼吸は荒れる。


エルマ「あなたの“それ”、無駄よ」


メスがユリカを襲う。

ユリカは回転して避ける。

頬が裂け、血が床に落ちる。

精神妨害を重ねるが、全部“空振り”。


ユリカ『ここままじゃ……触れられない』


エルマは感情を見せない。


エルマ「あなたの能力、強いじゃない。でも、“遅い”わ。」


メスが光を反射する。

ユリカはエルマの能力の正体を知らない。

そして気づかない。

“自分の能力が逆に読まれている”ことに。

To be continued…

第14話 託された言葉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ