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未完成のまま― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―  作者: はるねこ


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第11話 世界の真実

???「これ以上、続けてはならない」


ラウルが怒鳴る。


ラウル「ふざけんな!!何すんだよ!!」


クロウ「邪魔ならお前らから殺すぞ」


1人が淡々と言う。


???「君たちは――勘違いしてる」


ハルト「……勘違い?何を言って――」


言い終わる前にハルトはその場で倒れ込んだ。

続いてラウル、クロウも。

どうやら体力を使い果たしたらしい。

その瞬間――


セラ「ハルト!!」


セラの声が響いた。

それに続きアイラが前に出る。


アイラ「大丈夫!?無理しないで……!」


水が静かに流れ込む。

その水はハルトだけでなく――ラウルに、クロウに。


アイラ「水癒(スイユ)!!」


傷は深く、すぐには治りきらない。

だが命を繋ぐには十分だった。


ハルト「……アイラ、ありがとう」


その声はかすれていた。

ラウルは天を仰ぐ。


ラウル「……なぜ、俺らにも?」


クロウ「……俺はお前らを殺ろうとしたんだぞ。それなのに……」


アイラは少し考える。

そして、出された答え。


アイラ「困ってる人がいると、助けたくなっちゃうから。自然とね」


ラウル・クロウ「……」


思いがけない言葉に思考が止まる。

遠くではミナとレイが観察する。


ミナ「ハルト君たち、大丈夫かな?私たちも行く?」


レイ「いや、行きたい気持ちもあるがまずはあの2人。敵意があるか調べないと」


レイが2人のログを見る。


リン

・属性:空間

・能力:短距離転移(フェイズ・ステップ)

【偵察】


トア

・属性:機械

・能力:構造解析(ストラクチャ・ハック)

【解錠】


レイ「……敵意はなし。けど勘違いって?」


トアが戦場を見回した。


リン「……ここまで荒れるとは」


地面が裂け、岩が砕け、草木は燃え盛る。


トア「やはり、想定外でしたね。危ないところでした」


トアが周りを見渡す。

そして再びハルトたちを見る。


リン「今から君たちに少し話をする」


リンは、一歩前に出る。


リン「この世界の真実を」


空気が変わる。

戦場だった場所が、一瞬で静まった。


クロウ「聞かせろよ。その真実ってのを」


クロウは未だに警戒している。


リン「……ふぅ」


静かに、口が開いた。


リン「この世界は――生存競争の舞台ではありません」


その言葉が落ちた瞬間、この場にいる全員の胸が強く鳴った。

世界そのものの話が、始まろうとしていた。


ハルト「……どういうことだ?」


トア「ここからは私が説明します」


トアが続く。


トア「この世界はただのバトルロイヤルではなく、人間の“可能性”を極限まで引き上げるために作られた実験場です」


ミナ「実験場?バトルロイヤルじゃない?」


いきなりの真実に混乱する。


トア「そして世界を管理する者、黒幕の存在がいます」


ラウル「管理されている?そいつは誰だよ」


少し間が空く。


トア「正体は――高度自律思考プログラム。すなわち、AIです」


フィオ「え、AI?」


トアが補足する。


トア「あなたたちが“世界”だと思っていたものは、AIが構築した仮想現実に限りなく近い閉鎖空間です」


レイ「……つまり、わざと私たちをここへ連れてきたと?まだ理解できないけど……」


ハルト「一つ聞きたいことがあるけど、いいか」


ハルトには言いたいことがあった。


トア「なんでしょう?」


ハルト「その真実、他のプレイヤーにも伝えないといけないと。これ以上被害が出る前に早くしないと。それに……」


リン「あぁ、それも伝える」


リンがはっきり答えた。


リン「君たちは、今まで違和感はなかったですか?」


違和感。

皆は考えた。

そもそもこの世界が非現実過ぎて思いつかない。

そんな中、ハルトは思い出す。


ハルト「あっ、岩の傷」


遠くで聞いていたソラも反応する。


ソラ「確かに!岩に攻撃が当たってたはずなのに、そんな傷跡無かった。どうしてだ?」


リン「そうです。そしてここで問題。戦うと出るものってなんだと思いますか?」


ラウル「なんだそれ、脳汁とか?」


ハルト「いやいや迷いだろ」


クロウ「違う、殺意だ」


ラウル「はぁ?絶対違うだろ!」


クロウ「お前こそ不正解だ!」


ハルト「俺が合ってるだろ」


ラウル・クロウ「お前はないだろ!」


リン「まぁまぁ喧嘩しないで。3人の答えも間違ってはないが、正解は“血”。血が出ないプレイヤー、いたよね」


その答えにアイラは反応する。


アイラ「でも、ハルト君たちはちゃんと血が出てるよ。ほら!」


ハルト「痛い痛い……。あんま触らないで」


アイラはハルトの腕の傷を触る。


リン「それは、本物の人間だからです。戦ってる時に血、気づきませんでしたか?」


クロウ「……血が出ないやつか、確かにいたな。明らかに傷が深いのに、一滴も出ないやつら。」


クロウの頭にはあの大量の虐殺が浮かんだ。


ハルト「……まさか」


リン「そう、すべて最初から人ではない――AIだからです。血が出ないのも、生成物に攻撃しても傷がないのも。」


全員は驚いた。

明らかに人間だと思っていたプレイヤーが、人間ではなくAIだと。

そんな中、ハルトは安心した。

今まで倒してきたプレイヤー、それは人間ではなかったから。


ソラ「ちなみになんで傷がなかったんだ?」


リン「それは、AIの攻撃はAIの世界に適正だから。生成物はAIの攻撃を予測されているので傷ができなかったのでしょう」


ノア「まって、ここにいる人たちはAIの可能性もあるってこと?」


トアが首を横に振る。


トア「あなたたちは違う。ここにいる18人と残りの2人だけが、現実世界から来た“本物の人間”」


ユリカ「……まって、残りの2人って誰?」


ユリカは不思議そうに問う。


トア「実は、そこからが本題で……」


ソラ「ここからが本題なの!?」


ソラは情報量が多く、頭を抱えている。


トア「みんなでこの世界から脱出するために、2人を説得させて欲しい」


To be continued…

第12話 対立

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