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未完成のまま― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―  作者: はるねこ


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1/7

第1話 完成された世界

未完成のまま

― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―


著:はるねこ


この物語は、

正解を選べなかった人のための話です。


努力が足りなかったわけでも、

間違った選択をしたわけでもない。


ただ、

最適解ではなかっただけ。


それでも人は、

選び続けていいのだと、

この物語は信じています。


未完成のまま進むことを、

誰かが否定しても。

コントローラーが指に馴染んでいる。

画面の中で、キャラクターが遮蔽物に身を寄せた。

正面には敵が2、3人。こちらには気づいていない。

撃ち合えば勝てる。多分。


???「……ダメだな」


別ルートへ回る。少し時間はかかるが、被弾の確率は大幅に下がる。

勝つために安全を選ぶ。

それが、ハルトの癖だった。


画面の中で戦況が変わる。

敵が焦って飛び出した瞬間、ハルトは最小限の操作で決着をつけた。


勝利画面。

派手な演出。


ハルトは小さく息を吐いただけで、ガッツポーズも

しない。

勝ちが当たり前のように。


ハルト「今日は、ここまででいっか」


PSの電源を落とす。勝ったがこれ以上続ける気分ではなかった。

立ち上がり、休憩しようとした。


その時だった。


視界が、急に歪んだ。

めまいに近い感覚。

だが立っていられないほどではない。


ハルト『……なんだ?立ちくらみか?』


その瞬間、床が崩れた。


ハルト「……!?」


落下しているが、落ちている感覚はない。

目の前は暗く、闇に包まれた。


ただ、徐々に目の前に光が見える。そこには、


世界の条件(ワールドプログラム)

・参加者数:128

・参加者同士の戦闘を許可

・参加者同士の同盟を許可

・フィールド内での行動を許可


ハルト「なんだよ…これ…?」


淡々と流れる文字列。

そして、ルールに続きが書いてあった。


・敗北の場合は()()とする

・最後まで生存した1名のみが()()を得る


ハルト「…資格?まさか、もとの世界に帰れる資格ってことか?」


また、文字が流れてきた。


【個別能力付与】

属性:雷

能力:雷波動(テンペスター)


ハルト「雷…?」


突然目の前が光に包まれる。

思わず目を瞑った。


光が収まり目を開けた。

だが、目の前に広がっていたのは別世界だ。

崩壊したビルが数々あり、地面は金属のように硬い。

空は不自然のように青い。

まさにゲームの世界のようだ。


ハルト「どこだよ、ここは…」


今起こったことが整理しきれずに呆然と立ち尽くしていた。何をすればいいのか、何ができるのか、今だに考えられない。

ただ、手に何か握っている感覚がある。

ふと見ると、そこには大きな鎌。雷の紋様が描かれている。

そしてやっと理解できた。


ハルト「……今の感じだと、俺はバトルロイヤルに参加させられたみたいだな。ということは…」


そう、戦い、傷つけ、殺さなければならない。


ハルト「他のプレイヤーも俺と同じ人間だったらの話だが。さっきのルールだと、負けて殺されたら排除となる。つまり、現実でいう『死』と同じ結果になるということか……?まずいな」


負ければ『死』、そう実感するだけで鳥肌が止まらない。もちろん死ぬのは怖い。だかそれ以上に今の現状に対しての恐怖が湧いていた。


その時、背後で足音がした。

驚いて振り向くと、傲慢な体型の男が1人、距離を詰めている。

その目は焦っている。

だかハルトはある言葉が脳裏をよぎった。


『同盟』


ハルト「なぁ。同盟を――」


そう言い切る前に、男の手が腰にかけてある斧へと伸びた。


ハルト「お、おい待て!戦う気はない!」


男は距離を詰めながら息を荒くする。


男「…生き残りたいんだ。なんとしても!!」


斧が勢いよく振られる。間一髪交わすも、次の攻撃が来ることを察知した。


ハルト『まずい。あいつ生き残ることしか考えてない。なら、本当にやっていいのか…?』


少し躊躇したが、やるしかない。

男が斧を振り上げた。まさに今、殺しに来る。


ハルト「……仕方ない」


力を込めると、鎌に雷が纏い始めた。そして、勢いよく飛びかかった。


ハルト「突雷断(アサルトスパーク)!!」


雷が空気ごと男を切り裂いた。

決着がついた。だが、違和感があった。


ハルト『切った感じがしない……?』


振り向き男の方を見ると、静かに地面に倒れている。

血は出てない。

その瞬間、傷口から少しずつ身体が崩れていく。

光の粒子が飛び交っていき、ただそれを見ているだけしかできなかった。


【参加者数:127】

小さく上空にUIが表示される。


ハルト「……もう、戻れないな」


ただ小さく息を吐いた。


???「やぁ!」


やけに軽い声。

声のする方へ振り向くと、少し離れた場所に少年が立っている。

水色の髪。力みのない姿勢。右手には小さなコイン。


少年「ねぇ、一緒に同盟組まない?」


ハルト「……え?」


突然の言葉にハルトは固まった。

To be continued...

第2話 同盟の条件

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