結婚記念日は大切に
数年の月日が流れ、翔太と美咲は結婚して幸せな日々を送っていた。あの日の告白から、二人は様々な出来事を共に乗り越えてきた。
新居のリビングで、二人はソファに座って、夕食後のひとときを過ごしている。窓の外には静かな夜景が広がっていて、柔らかな灯りが二人の顔を照らしている。
「ねぇ、翔太。あの時、私が覚えてないって言ってた告白、覚えてる?」
美咲が突然そんなことを言ったので、翔太は少し驚いたが、すぐにニヤリと笑った。
「もちろん覚えてるよ。あの時、酔ってたからどうなるかと思ったけど、結局それがきっかけでこうして結婚できたんだから、すごいよな。」
美咲も笑いながら、翔太の肩に頭を乗せた。
「本当にね。最初はあんなに不器用で、私も心の中でどうなるのかなって思ってたけど、あれから色々あって、こんな幸せな日々を送れてるんだもん。」
翔太は美咲の頭を優しく撫でながら言った。「あの時、俺が告白しなかったら、今もこうして一緒にいることはなかったと思う。」
「そうね、でも翔太が本気で伝えようとした気持ち、私にちゃんと伝わってたよ。」
二人はしばらく静かに過ごし、最初の告白のことや、あの時の気持ちを思い出していた。その後、翔太が突然話を切り出す。
「でもさ、結婚してからも毎日楽しくて、こうして振り返ると、あの日が本当に大事な日だったんだなって改めて感じるよ。」
美咲は目を細め、翔太に向かって微笑んだ。「そうだね。あの時、勇気を出して告白してくれて、ありがとう。私はあの瞬間から、ずっと翔太のことが大好きだよ。」
翔太は美咲の目を見つめ、真剣な表情になった。「俺もだよ、美咲。あの時からずっと、これからもずっと。」
二人はお互いに手を取り、しばらくそのまま静かに過ごした。その後、翔太は立ち上がり、何かを取り出した。
「はい、これ。」
美咲は驚きの表情で翔太を見た。「何?」
「結婚記念日だから、ちょっとサプライズを。」
翔太が差し出したのは、小さな箱だった。美咲はそれを受け取ると、箱を開ける前から少しドキドキした。
中に入っていたのは、小さなペンダント。そこには二人の名前が刻まれた小さなチャームがぶら下がっている。
「これ…翔太、ありがとう…!」
美咲の目が少し潤んだ。翔太はにっこり笑って言った。「これからもずっと、君を守っていきたいから。」
美咲はその言葉に胸が熱くなり、思わず翔太に抱きついた。「私もだよ、翔太。」
二人は静かな夜の中で、穏やかな時間を過ごしながら、これからもずっと一緒に歩んでいく未来を心に誓った。