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1話

 俺は高学歴だ。高学歴になるはずだった。

 昔から地頭が良くて、学校ではいつも成績上位。高校進学の際も、地元で一番偏差値の高い高校だった。

 中学でつるんでいた奴らは、みんな低学歴の低偏差値の高校に進んだ。俺は勿論、そんな馬鹿な奴らを嘲笑いながら高校に進学した。頭の良い俺の特権だと思っていた。


 もちろん大学もそうだ。そうだったらどれだけ良かったのか。

 第一志望に落ちて、第二志望にも落ちた。残されたのは、低学歴Fランの滑り止め。

 そんな事実を、俺は、受け止めきれなかった。能力は人並み以上にあると自負していた。だがそんな事は、主観でしかなくて、客観的に見れば、俺は能力の高い人間じゃなかった。

 幼い頃に努力というものをしてこなかった俺は、努力の仕方がわからなかった。嫌な事からは逃げ続け、そうして出来る事だけをして生きてきた。褒められて、すごいって言われて、それで、俺は調子に乗ってた。


 そんな事を考えたくなくて、俺は引きこもった。いつか本気を出すと、自分の心にそう決めて、何年も引きこもった。

 ある日気づいた。自分には何もない事に。中学や高校で馬鹿にしていた奴らは、みんな努力して人並みの幸せを掴んでいた。会社を始めた奴に、有名企業に就職した奴、大学で成績を残した奴、俺と同じニートなのに人気者になっていた奴。

 俺に無いものを持っている奴らに、嫉妬していた。彼ら彼女らが努力していた事など知っている。だが、それらを度外視して、俺は奴らが憎かった。けど、俺に行動を起こす気力と勇気は、もう残っていなかった。


 そこからは早かった。手紙を残して、近場の高層ビルを見つけて、そして飛び降りた。震える足は止めれなくて、涙を流しながら俺は、浮遊感の中で惨めな人生を振り返った。


 自分より下の人間を見下して、本当に劣っていたのは自分なのに気づかないまま、大人になった自分を。

 生まれ変われるのなら、誰かを愛せる人間になりたかった。

どうもこんにちは飯豊ダイコンです。

2個同時に連載できるんかな?とも思ったんですけど投稿しちゃいました。

どうぞご贔屓にしてくだせぇ。お願いしまさぁ。

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