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6日目:のうりょく

キャラ紹介

たちばな 綾音あやね/たちばな 翔駒しょうま主人公

アルバイトで生活していた一般人だったが能力者が起こした事件に巻き込まれ能力者として覚醒

何故か身体が女の子になってしまったが元の性格が気は優しくて力持ちであった為特に違和感はない

女の子の生活にも次第に順応している


松之下まつのした 麗子れいこ

年齢極秘の麗しき所長、機関内でもかなりの優秀な研究者だが能力者対処専門事務所として前線に出ている

本人も能力者との噂もあるが真偽のことはわからない

普段は適当にぶらつきなぁなぁで済ませるような態度だが陰では暗躍してる節がある


ミヅキとユウカの能力を駆使した戦闘から数日後、俺はまさか再度受けるとは思わなかった学校の授業に苦戦しながらなんとか過ごしていた


担任の先生が「ちくわ部の件で1時間自習にしますから真面目に取り組むように」と席を外してから俺はペンを手で遊びながら少し考え事をしていた


「(能力者と対峙したのはこれで2回目…)」

「(わ…俺は恐怖で何もできなかった、言い訳をするわけじゃないけど、いきなり戦えなんて無理がありすぎると思う)」

一方でユウカとミヅキはかなりの場数を踏んでいるらしいし、ユウカに限っては能力者じゃなくても強そうなんだよなぁ…


「(今でも鮮明に思い出すけど、たった一度の斬り返しで四股を切り裂くなんて常人には無理な芸当だよね)」

「(とりあえず俺の能力をハッキリさせないことにはって感じだな)」

そして目の前にある自習課題に取り組む俺であった


ちなみにユウカは早々に課題を終わらせて本を読んでおりミヅキは爆睡していた


昼休み3人でご飯を食べている、気にしすぎか周りの目線を集めているような気がする

「やっぱユウカっちの弁当おいしすぎ〜」

ほくほく笑顔で高クオリティのお弁当を分けて貰っているミヅキ

「…えぇそうですね、相変わらず美味しいです」

少し引き攣ったような笑顔を見せているユウカ

「ところで、アヤネさんはお弁当なのですね」

「うん、少しでも食費を節約しようと作ってきたんだ」

菓子パンや既製品弁当は正直高い、多めに作ればワンコインで朝昼晩いける


ま、独身の悲しいスキルその一ってだけだけど

「…やはり手作りなのですか?」

「アヤネっちの手作り!?」

「ちょっと寂しいお弁当だけどね」


そういって弁当の包みを開く

弁当の中身はもやしメインの肉野菜炒め、家庭菜園で獲れたプチトマト、適当スクランブルエッグ、ご飯

我ながら適当に作ったものを弁当箱に詰め込んだ一品

ユウカの弁当と比べると少し恥ずかしい


「えへ、ユウカちゃんと比べると寂しい中身だけどねー、なんて」

「ねえねえ!ちょっち味見していい!?」

ミヅキが目を煌めかせて言う

「うん、味付けが気にならないなら」


ミヅキが肉野菜炒めを少し挟んで口に運ぶ

待てよ…手料理を誰かに、それも美少女に食べてもらうなんて初めてじゃねーか!

ふんふんと咀嚼するハヅキ、それを呑み込むと

「んまー!マジでこれアヤネっちが作ったん!?」

「…アヤネさん、私も少し頂いてよろしいですか?」

「どぞどぞー」


ユウカもスクランブルエッグを口に運ぶと数回頷き「美味しい…!」と口を漏らした


「ふへへ、誰かに手作り食べてもらうの初めてだから、なんか嬉しいな」

うんうん、手作りというか自分の作ったもので喜んでもらうのってなんか気持ちいいな、自然と笑顔になる俺がそこにいた


3人は食事を終えるとユウカとミヅキは俺に質問をしてきた

「アヤネさんは料理をどこで覚えたのですか?やはりシェフか誰かに師事を…?」

「うーん、なんというか1人で生活してて勝手に覚えたというか、節約してたら自然と自分で作ろうってなったかなぁ」

「マジでアヤネたん嫁だわ〜、あーしの家に来て欲しいぐらい!」

「…ふむ、専属シェフも悪くは…」

ニヤニヤしてる俺とマスコットの扱いでハグハグしてくるミヅキ、考え事をしているユウカとなんとも平和な昼下がりだった。



「へぇ〜美少女侍らせてさぞいいご気分だったんだね」

ニヤつきながら揶揄ってくる所長、学校が終わり2人と別れて俺は事務所へ招かれていた

「いや、学校手配したの所長でしょうが、こうなれば俺も覚悟というか学校生活楽しんでるだけですよ」

「ふぅん、まっ君が楽しんでいるのならそれで良いんだヨ」

「それで雑談は置いといてだね」

「いや所長が雑談し始めたんでしょ」

「君の能力についてのことだ」


所長から送られてきたデータを展開すると様々な検査結果とともに能力の内容らしきものが書いてあった

「硬質化」…?

・命の危機又は使用者本人が意識することで発動

・ありとあらゆる自身に対する攻撃的なものを「絶対的に」受け付けない

・偶発的な現象に対しても同様の効果を表す

要約するとこんな感じだった


「これが俺の能力…」

「わかりやすく例えると「マ◯オのスター状態」の防御特化バージョンだね」

「いや、例え」

「ということは俺は前線向きの力ってことですね?」

「まあそうだねぇ、絶対的な防御力はそうなるだろ」


いや、これはあの2人の力になれる能力で良かった!

この「硬質化」で2人を護ることが…


「ユウカちゃんの戦闘能力なら防御面はあまり心配要らないし、ミヅキちゃんのサポートもあるし、アヤネくんは気負わなくてもいい、かも」

「しってた」


「まっ、まあゆっくり成長できるってことだよ!力になれないなんてことは無いから気にしないでくれたまへ!」

と逃げるように話をはぐらかせ車で送ってくれた所長

…わかってたよ!

朝大量に作ったもやし炒めを温め直してもそもそ食べましたよ!




おまけ〜ユウカ生活ルームにて〜

日課の鍛錬を終えた私はシャワーを浴びてキッチンに対面していた

アヤネたんの作ったもやしの野菜炒め…味付けも程よくなによりもあの子が作ったと言う事実の調味料で至高の味だった

「私も手料理が作ることができれば…ふふっ」



妄想は自由だ、さあ後は作るだけ



数十分後…キッチンはまるで戦場跡地みたいな光景が広がっていた

なぜだ、私はもやし炒めを作っていただけなのに

「くっ!やはり鍛錬が足りないのか!」

目の前にある我ながら最高の出来のもやし炒めを一口味見するーーー


次に目を開けた時には既にベットの上だった

「…わからない、なぜ料理もまともに作れないんだぁあ!」

アヤネはもちろんミヅキもあまり聞かない絶叫が西園寺の敷地内に消えていった


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