エピローグ~俺達の冒険はこれからだ!
この話でいわば、第1部完になります。
今後は不定期での投稿となります。
今まで読んでくださった方々、ありがとうございます。
新作も同時刻にローファンタジーに投稿しています。
もし、よろしければ、そちらも読んで頂ければ幸いです。
翌日
「それじゃあ、実戦に行きますか、サカツさん。」
「そうだね。事務仕事には慣れているけど、やっぱり違うね。」
「それでは参りましょう、司さ……、サカツさん。」
「うん。香澄さ……、カルラ。」
今日は、カルラのリアルの婚約者がこのゲームを始める日で、遅れを取り戻す為に皆が注意事項をカルラに送り、それをサカツさんに送った。
サカツさんは、その情報と既に流れているネットや公式の情報を複合的に精査してキャラ設定をした。ログインした後は、俺とカルラで街を案内して、冒険者ギルドで登録して、チート読書を済ませ、街の中の簡単な依頼を1つこなして、冒険者としての一巡を教えてから、街の外に出る事になった。
リンとスオウは既に街を出て、スキルアップや新しいスキル探しを初めている。
因みに記念硬貨の使い道は、俺とリンは折半してまだ悩み中だ。
スオウもまだ決めてないらしい。
カルラは、半分はサカツに使って貰う予定で、自分の分もサカツと相談で決めると話してくれた。
これは、選んだスキルはアイテム「スキルロール」としてプレイヤーに送られ、このスキルロールは他者に贈る事が出来るからだ。
さて。サカツさんのステータスだが、種族は人族で、職業は僧侶だ。
俺達のパーティーに専門としての回復要員が居ない事や、何よりもカルラにゲームとはいえ、無茶をして欲しくないのが本音らしい。
それに、リアルが管理職な為に、最前線に出るよりも、後方で指示する方が向いているからとか。
後、将来的には武闘家と僧侶を足した様な戦闘が出来る様に為りたいらしい。
サカツさんは、リアルで、空手、柔道、合気道と、幼少の頃から護身術として色々な武術を修めていて、全てはいざという時にカルラを守る為だとか。
だから、ゲームでも、状況に応じて、また、いざという時の為に戦える様にしたいと考えていると話してくれた。
最後に、この「意気込み」を話し始めてからは、カルラがモジモジし始め、最終的には身体をくねくねしていた。
「サカツさん。街の外に出たので、モンスターとの戦闘が有りますが、覚悟は出来ていますか?」
「勿論だよ。昨日から楽しみにしていたよ。」
「それは良かった。これから向かう場所は、南の森で、主にゴブリンやオーク等の人型のモンスターが多いエリアに向かいます。」
「分かった。それと先程から気になっていたけど、さん付けや敬語は要らないよ。ゲームの中ではリアルの立場とかは持ち込み禁止なんだろ?」
「分かりま、分かった、サカツ。」
「それで良いよ。」
「それで、何故、人型のモンスターが多いエリアを選んだかというと……」
「分かっているよ。人型のモンスターなら、弱点も人間と同じだからやり易い事と、人間に近い人型を殺す事に慣れる為だろ?」
「流石だな。」
「まあね。予習はしっかりやってきたからね。」
「それじゃあ、行きながら現れる獣型モンスターで戦闘に慣れるとしますか。」
「了解。」
そう言いながら、俺達に向かって来た森狼を紅牙が後ろ足を噛み機動力を殺す。
「良くやった、紅牙。」
「キャン!」
僧侶の初期武器は杖だが、既に拳甲に変えている。
この後、サカツに因る撲殺が続いた。
そして、何時もの広場に到着した俺達は、休憩がてらこの後の予定を話した。
最初は俺が「釣り」をしてある程度レベルが上がった所で、例のアレ「魔笛」を使う事を伝えた。
「ソーマ、『魔笛』というのは?」
「コレを使うと、周囲のモンスターを強制的に引き寄せる事が出来る。コレを使って一気にレベル等の上昇をさせる。」
「それは、無茶を通り越して無謀なんじゃないかな?」
「問題無いよ。俺達は何時もやっている事だし、今回はカルラも居る事だしね。」
「香……、カルラが居る事に何か意味が?」
「ああ。カルラは先のイベントで単独で1000人斬りを達成している。」
「は!?」
「ソーマさん。情報は正解にお願いしますわ。」
「悪い、カルラ。正解にはカルラには召喚系のスキルが有る。」
「そうですわ。出なさい、迦陵。」
「ご機嫌よう、カルラお姉様。」
「ご機嫌よう、迦陵。この子が私の義妹の迦陵ですわ。」
「初めまして。僕はカルラの婚約者のサカツです。」
「まあ、カルラお姉様の婚約者! では、私にとってのお義兄様になるのですね。」
「そうだよ、よろしくね。」
「はい。サカツお義兄様。」
「迦陵との自己紹介も終わった事だし、俺は行ってくるよ。最終的にはサカツ1人で、オーク5匹が楽勝になるまで続けるから。」
「ソーマは結構スパルタだな。」
「まあな。リアルでも似た様な日常だったからな。」
「確か、古流武術だったかな。」
「やっぱり調査済みか。」
「悪く思わないでくれ。こちらとして……」
「分かっているよ。」
「ありがとう。」
「じゃあ、行ってくる。」
数時間後
「もう行けるな。」
「ああ。スキルも出たし、行けるよ。」
「分かった。」
さあ、魔笛を使おうとした時、懐がもぞもぞと動いた。
「ふわぁあ。良く寝たのじゃ。」
「おはよう、古都魅。」
「おはようなのじゃ。所で、此処は何時もの広場みたいじゃが、大嶽丸はどうしたのじゃ?」
「説明は後で、ひと通りするよ。これから、何時ものをやるから離れて。」
「分かったのじゃ。」
「ソーマ、その子は?」
「俺達の仲間の天邪鬼の古都魅だよ。」
「天邪鬼の古都魅なのじゃ。よろしくなのじゃ。」
「ソーマの新しい仲間のサカツです。」
「それじゃあ、吹くな。」
約1時間後
「はい。終了と。」
「ぷはぁ! 疲れたー。」
「お疲れ、サカツ。」
「こんなの、空手の百人組手以来だよ。」
「そうか。」
西の方から、リンとスオウがやって来た。
「急にモンスターが居なくなったから、もしかしてと思ったら、やっぱり。」
「サカツさん。どうでしたか?」
「リンさん。意外とソーマはスパルタだよ。」
「あははは。」
「笑い事じゃないよ。」
「お疲れ様です、サカツさん。」
「スオウさん、次は皆でやろうよ。」
「そうですね、やりましょう。」
「ニャア。」
「ガウ。」
「勿論、白帝やレーヴェも一緒にね。」
「それじゃあ、再ホップまで大体30分後だから、それまでは休憩な。」
30分後
「それじゃあ、今後は皆でやるよ。」
「了解。」
「次が片付いたら、休憩して、そのまま南エリアのボス攻略だ。」
「分かった。」
オレは魔笛を吹く。
「さあ、ソーマ、やるわよ!」
「ああ、リン。俺達の冒険はこれからだ!」
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