良く分かったな。
こういう勘違いする奴っているよね?
上の文章だと、誰の事?って、なりますよね。
村人達の事です。
「あやつは……この村を出て北に向かうと大きな洞窟が有って、そこに居る。」
「分かった。」
「ソーマ。外の連中はどうする?」
「無視。」
「分かったわ。」
俺達は、村を出て北に向かうと、言っていた通りに大きな洞窟が有った。
《イベント『狂った黒い人狼を討伐せよ!』が発生しました。》
《勝利条件は、黒い人狼の討伐。》
《敗北条件は、パーティーの全滅。》
途中、歓迎するモンスターも居ないし、洞窟前にも居なかった。
さて、どう攻めようかな。
「ソーマ!」
「どうした、リン。」
「向こうから出て来たみたいよ。」
「……黒毛の人狼か。」
人狼は鼻を上げていると、隠れている俺達の方に向き直した。
「おい。隠れてないで出て来な。」
俺は、古都魅と紅牙と白帝には、このまま待機して貰って、いざって時の伏兵をお願いした。
「良く分かったな。」
俺とリンは、ご近所の散歩かの様に歩きながらも、相手の情報収集をしながら、戦う為の準備を始めた。
「オレ様の鼻は特別だからな。……さて、手前ぇ等はあの村が用意した餌……じゃあねえな?」
「ああ。俺達は餌ではなく、お前を狩る者だ。」
「なるほどな。村の奴等はオレ様を裏切ったという事か。」
「ちょっと違うがな。」
「まあ、そんな小さい事はどうでもいい。どっちにしろ、手前ぇ等は明日の太陽を見る事は無ぇから……なぁ!」
「速い!」
「おらおらぁ! どうしたぁ!」
「ソーマ、ちょっとよろしく。」
「分かった。」
「たった1人でオレ様に勝てると思っているのかぁ!」
「吹き荒れる風が雷雲を呼び、天空を染める雷雲から稲妻を発し影が生まれ闇が広がる。
我は闇を消し去る力を振るう者なり。……疾風迅雷!」
「なんだぁ?」
「闇の槍!」
「遅ぇんだよ。」
「貴方も、ね。」
「なっ!? ぎゃっ!」
「まだだ!」
「ぎっ! がぁあああ! ぐはぁ!」
リンが闇の槍を放ち、黒い人狼は避けるがリンはそれを読み、背後に廻り連撃を放つ。
そして、俺もその隙を突いて雷の槍を放ち当て、連斬し、炎の球を撃ち込む。
「て、手前ぇ……」
黒い人狼は、身体はボロボロだが、目を血走らせていた。
「許さねぇ。八つ裂きにしてやる……ウオオオーーーン!」
黒い人狼の身体は3倍近くまで膨れ上がった。
「後悔しながら死ね。」
「波紋水刃。」
「があああ!」
先程よりも、当然、パワーもスピードは増したがそれだけだ。
正直、当たれば怖いし、ダメージが大きいがそれだけで、怖くないし、知性を感じられない。
パワーに傾倒した○ルみたいなモノだ。
俺は奴の攻撃を躱しながら、魔法を放つ。
「氷の矢」
俺は奴の足下に集中して「氷の矢」を連続で撃つ。
魔法の「氷の矢」を連続で撃つ事で、奴の足下を凍りつかせた。
「リン、今だ!」
「任せて! 重力弾!」
「ぎ、ぎゃあああーーー!」
「閃光。」
「があ!」
「ナイス、ソーマ。陰雷。」
「があああーーー!」
「雷閃轟槍!」
「ぎゃあああーーー!」
「止めよ! 陰雷からの影刃連撃六連!」
「ぎぃ! ぐがあああーーー……」
そして、リンは黒い人狼はリンが背を向けて、どや顔の決めポーズ。
……5秒後に爆発した。
《イベント『狂った黒い人狼を討伐せよ!』は達成しました。》
《討伐報酬はプレイヤーに贈られました。》
「「やったー!」」
俺とリンは勝利を喜び、駆け寄った紅牙と古都魅と白帝とも勝利を分かち合った。
「勝ったのじゃ!」
「キャン!」
「ニャア!」
「レベルとかの確認は終わったし、討伐報酬は何かな?」
共通の討伐報酬
「黒い人狼の毛皮」「黒い人狼の牙」「黒い人狼の魔石」
リンの最後の一撃報酬
「黒い人狼の討伐者」
「あ、効果付きの称号だわ。」
「良かったな、リン。それと、どや顔の決めポーズ。」
「うん。ハマったかも。」
「それで、称号の効果は?」
「え~と、ね。人狼を含む狼系や犬系に攻撃時にATKが2割増えるみたいね。」
「効果対象が限定されているけど、結構良い効果だな。」
「うん。」
「それじゃあ、村に戻るか、それ以外にするか、決めるか?」
「戻らなくても良いんじゃない。戻っても、どちらかの全滅の未来しか見えないわ。」
「そうだよなぁ。」
「妾もリンと同じなのじゃ。」
「分かった。村には行かない事にしよう。」
「それで良いわよ。」
「次は何処に行くかだ。」
「もう、大分暗いし、あの洞窟に行って、安全地帯なら、そこでログアウトする?」
「そうだな。そうしよう。」
「それじゃあ、行くのじゃ。」
「了解だ。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




