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オールドサーガ・ファンタジー・オンライン  作者: あまのやぎ
第4章~イベント「宝探し」~
89/95

村人が実は……

戻るソーマ視点


申し訳ありません。

続きを待っていた方々、お待たせしました。

 何時もの様に高い高いからの情報収集をすると、古都魅はきちんと仕事をこなした。


「あっちの方角なのじゃ。」

「あっちは北西か。」

「ソーマ、行こう。」

「ああ。紅牙(こうが)も。」

「キャン。」

「白帝もよ。」

「ニャア。」


 こうして、進む事、30分後に到着した。

 極普通の村だが、何と無くイベントの予感がして、村長の家に案内して貰い、村長に村の空気が沈んでいる。

 何か協力出来る事は無いかと尋ねると、返って来た答えが……


「申し訳ない。もう、この村には何かをして貰う事が無いのです。」

「何も無いのなら、何故、村が沈んでいるのです?」

「我々としては歓迎もしたいし、助けて欲しい事も有りましたが全て解消された為に、こういう時に渡すお礼の品が無いのです。

 ……くっ。折角来て頂いたのに、渡す物が無いなんて……。お礼の品を受け取って頂いた時の笑顔を見るのが、我々の生き甲斐なのに。」

「村長。無理しなくても俺達は気にしません。」

「……ありがとうございます。せめて、今晩は私の家に泊まってください。(ささ)やかながら食事を振る舞いたいと思います。」

「俺達は何もしていないのですから……」

「いいえ。そういう訳にはいきません。どうか……」

「……分かりました。ご厚意に甘えたいと思います。」

「おお。それでは、お部屋に案内いたします。」


 こうして、俺達は村長の勧めで泊まる事になり、歓迎を受けて豪華な夕食に舌鼓した。

 そんな中、古都魅が俺の耳元まで来て一言伝えた。


「探偵モノなのじゃ。」


 ん!?

 どういう意味だ!?

 ……訳分からない。

 でも、だからと言って、意味の無い事をこういう時は言わないから必ず意味が有る筈だ。

 その意味は、「探偵モノ」がヒントになる。

 問題なければ堂々と言えば済む事を俺の耳元で伝えたという事は村長達に聞かれたら行けないという事だ。

 つまり、危険の可能性が有る事で、その危険はどっちだ?

 俺達か村長達か。

 此処で古都魅がどっちの味方かと言えば考えるまでも無く俺達だ。

 つまり、何もしなければ俺達に危険が迫っているという事になる。

 そして、ヒントの「探偵モノ」だ。

 古都魅が知っている「探偵モノ」は2つ。

 1つは、頭脳は大人。

 もう1つは、じっちゃんの孫。

 古都魅がどちらかを言わないという事は共通する何かという意味だ。

 その共通する何かは、食事中で起きる「危険」だから、普通に考えれば、食事に出される食べ物。

 つまり、危険と食べ物でイコールになるのは……「毒」!

 ……毒なら、古都魅がそれ自体を伝える筈だから、致死性の毒では無い事になるが、伝えたという意味で考えると遅効性の毒、それと探偵モノから出る推理は「遅効性の麻痺毒」か「遅効性の睡眠薬」になる。

 この考えが当たっている場合は、歓迎を受けているが、村長を含めて村そのものが「敵」の可能性が有るな。

 とりあえず、後で用意出来る解毒剤を錬金術で準備しよう。

 こういう時の為に、薬草採取は暇をみてはやっていたんだ。

 俺はトイレに行く振りをして、適当な部屋に入り、錬金術で解毒剤を作成した。


 歓迎会も終了した後、俺達は大部屋で休む事にした。

 最初はそれぞれに個室を勧められたが丁重に断った。

 リンは、俺と古都魅の水面下のやり取りに気付いていないのか、騒いでいたが、部屋に入ると真顔で言って来た。


「ソーマ、解毒剤を早く頂戴。」

「気付いていたのか?」

「うん。だから騒いで気付いていない振りをしたのよ。」

「流石、リンだな。」

「えっへん。」

「はい。解毒剤。」


 俺は皆に解毒剤を渡した。

 俺は確証を得る為に毒が何なのかを知る為に効果が出るのを待った。

 結果は睡眠薬だったが、勿論、解毒剤で回避する事が出来た。

 毒が睡眠薬だったから、寝た振りをしていると、部屋の外に人の気配が増えていって、何かを話し始めた。


「薬は効いているのだろうな?」

「大丈夫だ。充分な量を奴等は食べていた。」

「よし。それなら、行くぞ。」

「ああ。」


 部屋に浸入した村長達は、掛け布団を一斉に剥いだ。


「なっ!?」


 掛け布団を剥いだ後の布団には、予備の布団を丸めたモノが有った。

 そして、予備を使った事で空いたスペースに隠れていた俺達は(ふすま)を開けて飛び出た。


 そこに居たのは人狼、カタカナにすると、ライカンスロープが居た!


「え!?」


 俺達は虚を突いた事であっさり村長達は、お縄にする事が出来た訳だが、理由はある意味で普通だった。

 その理由とは、村の外れに村人総出でも勝てない化け物が住み付き、死にたくなければ生け贄を出せというモノだった。


「……ありきたりな。」


 俺は目頭を押さえていると、リンから一言。


「どうする、ソーマ?」

「当然、売られた喧嘩は買う。」

「そうこなくちゃ。」

「そういう事だ。それじゃあ、村長!」

「その化け物は何処だ?」

「あやつは……」



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