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オールドサーガ・ファンタジー・オンライン  作者: あまのやぎ
第2章~ゲームスタート~
8/95

エ! ボク、主人公ジャナイヨ。

森の奥で何が有るのか?

 俺はモンスターを倒しながら、全くのヤマ勘で森の奥に進んで行く。

 時には敢えて獣道を進んだり、時には出口が見える洞窟を進んだり、時には小丘を登ったり降りたりして、進むと霧が発生して、直ぐに濃霧になり、それでも進むと神社が有った。


「う~ん。完全な気まぐれで選んだのに、何か有る場所に出たぞ。」


 とりあえず、鳥居の前で一礼、手水舎で左手を洗い右手を洗い、左手に水を貯めてそれで口内を濯いで所定の場所に破棄して、柄杓(ひしゃく)を立てて残り水で柄杓を洗う。手の水気を取った後、参道の右側を進み、鈴をカランカランと鳴らして、賽銭箱に縁起物という事で思い切って金貨1枚を入れて、二礼二拍手一礼。


「此所での日々が大切な人達との楽しい思い出になりますように。」

[気に入ったぞ!]

「え!?」


 眩しい光が視界を奪ったと思ったら、360度一面が石畳に埋まっていて、俺の目の前に和風の軍神と言えばしっくりくる存在が居た。

 いや、軍神の「神」の所が「人」じゃないのは、ゲームなのに、感じる圧迫感とか引退する前の(うち)の徹真の爺さん以上だからだ!!


[さあ。準備を整え、我と戦うのだ!]

「ちょっと待ってください。どういう事ですか?」

[ん? 知らずに来たのか? ……いや、そうでなければ辿り着けぬか。まあ、過程は兎も角、此所はそういう場所だ。我と戦い、勝利すれば、神の恩恵が授けられる。内容は千差万別だがな。]


 これは戦うしかないな。

 まあ、此所なら誰も見てないから、異空間収納から、あの装備品を使おう。

 俺は操作して装備品を交換する。

 軽く刀を抜き、振って感触を確かめて納刀する。

 しかし、この流れはまるで、王道系異世界物だな。

 ……エ! ボク、主人公ジャナイヨ。

 でも、そういう話の主人公は日本じゃ平凡だったな。


 ……さて、現実逃避は止めて、頑張りますかな。


「待たせたな。」

[構わぬ。準備は良い様だな。互いに名乗り合おうぞ!]

「俺の名は『ソーマ』だ!」

[我の名は『大地の武勲(いさおし)』だ!]


 《ソーマ対大地の武勲(いさおし)の決闘を開始します。》


「え!?」

[行くぞ!]

「くっ!」


 これは一合で充分理解した。

 キンキンカンカンしてたら負ける。

 手は痺れるわ、押し負けるわで、向こうの攻撃は可能なら全て避けて躱して、僅かな隙を突いて技スキル「居合」で削るしかない!

 こんな時、何で魔法が使えねぇんだー!

 こういう時の為に回復魔法を選んだのにー!!



 あれからどれくらい経ったのだろう?

 いつの間にか沈む夕日まで景色に入っている。

 後、途中で何回かスキルが手に入ったみたいだな。

 それでも、何と無く分かる。

 後、一撃入れれば俺の勝ちだ!


 ……そこだ!


「覇っ!」


[……ぐっ!……我の負けだ。]

「……やった! 俺の勝ちだー!!」

[うむ。見事な戦い振りであった。一合目で瞬時に正面からの力押しでは勝てないと判断し、我の攻撃を躱して、その僅かな隙を突いて攻撃する。素晴らしかった。……ん? お主の刀はもう使えないみたいだぞ。]

「え!?」


 《ソーマの玉鋼の刀は耐久値を超えたので破損されました。》


「ああ~!? 追加効果とか全部消えてATK+1だけになっている!?」

[そうか。なら、本来の神の恩恵以外にも、我に勝利した褒美として武器を授けよう。]


 《大地の武勲(いさおし)から武器『鬼神刀』が譲渡されました。》


「え!? HP、MP、STR、VIT、INT、MID、AGI、DEX、LUK、全部に+5%でATK+80になっている!?」

[そうかそうか。そんなに喜んでくれると、我としても嬉しいぞ。]

「……いや、そうだ! 名前だよ!」

[名前がどうした?]

「名前が大地の武勲(いさおし)って、それは『大国主命』の別名だよな?」

[おお! 良く知っておるな。その名は我の幾つも有る名の中では余り知られていないのだがな。]

「なんで、そんな大物、もとい、偉大な方がこんな所から出て来るんだ?」

[ああ。先ずはあの社は本殿に繋がっていて、我は本体から別れた『分御魂(わけみたま)』だからな。まあ、要するに弱体化した分身だ。]

「……納得した。それと、この刀は何?」

[それはだな、簡単に言えば成長する武器だ。成長するのに必要なモノは色んな所に有るから探すが良い。近くまで来れば、その刀が導いてくれる。うむ。気分が良いから、(たわむ)れにもうちょい褒美をやろう。……ソーマよ、刀をもう一度見てみい。]


 大地の武勲(いさおし)から光の玉が生まれ、刀に入っていった。


「……、え~! 追加効果『不壊と、居合時、ATK+80』が付いている!?」

[がははは! 良い反応だ。]

「若干、抵抗感が有るが過分なる褒美をありがとうございます。」

[うむ。きちんと感謝を述べる事が出来るのは素晴らしい事だ。善哉(よきかな)善哉(よきかな)。]

「もう、充分な様な気もするけど、本来の『神の恩恵』とは何でしょうか?」

[おお! そうであった! では、『天照大御神』に代わり神の恩恵を与える。]


 そう言われた瞬間、俺の全身は光り輝き、暫くすると消えた。


 《ソーマのスキル制限が解除されました。》


「へ!?」

[これにて『決闘の儀』は全て終了した。ソーマとやら、また再会する日を楽しみに待っておるぞ。]


 大地の武勲(いさおし)が光り輝き視界を奪われたと思ったら、森の入り口に居た。


 なんでこの場所に転移するんだと、不満に思いながら、自分のステータスを見る。


「え~!?」


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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