足ツボマッサージの刑で。
村の恐怖だよね、大型の肉食獣は。
「儂はこの村で村長をしておる。」
「それで、俺達に何をさせたいんだ?」
「此処ではなんじゃ。話をするに家に来てくれ。」
「分かった。」
俺達は、村長の後に続き、村長の家に向かった。
「此処がそうじゃ。」
俺達は、村長の家に入り、ギリ応接室と言える部屋に通された。
「それで、『話』とは何だ?」
「うむ。実はな、『大牙虎』が村の北西に1時間進んだ所に城を築いたのじゃ。奴らが何時、この村に攻めて来るかと思うと夜も眠れん。どうか、討伐して欲しいのじゃ。」
「あのぅ、話に出た『城』と言うのは?」
「ああ。勿論、本当に城を築いた訳じゃないんじゃよ。
徒党を組んでおるのじゃ。」
「そうか。リンはどう思う?」
「受けても良いんじゃない。」
「分かった。」
「それで、どうじゃ?」
「判断する前に質問が有る。」
「なんじゃ?」
「その大牙虎の強さは?」
「冒険者ギルドの基準じゃと、大牙虎がBランクで、配下の牙虎がCランクじゃ。」
「数は?」
「大牙虎が1匹で、配下の牙虎が少なくとも5匹じゃ。」
「少なくとも?」
「儂らにはこれ以上を調べるのは無理じゃった。」
「強さは?」
「村一番の冒険者パーティのリーダーがBランクで他のメンバーがCランクなのじゃ。そして、リーダーは牙虎1匹を倒した勢いで大牙虎に挑んだのじゃが、負けて殺された。そして、他のメンバーも健闘したのじゃが……」
「分かった。最後は依頼料は?」
「依頼料は、金貨3枚。すまんがこれ以上は無理じゃ。」
「ソーマ、受けるの?」
「ああ。良いか、リン。」
「良いよ。」
「村長。その依頼を受ける。」
「そうか! 感謝するのじゃ!」
《イベント『大牙虎の討伐』が発生しました。》
《勝利条件は、大牙虎の討伐。》
《敗北条件は、プレイヤーの全滅。》
「皆。行こうか。」
「了解。」
「キャン。」
「のじゃ。」
「ニャア。」
一方、セリカside
「……やっと見つかったよ~。」
「お疲れ様、セリカ。」
「ラビも頑張っていましたよ。」
「ありがとう、レイ。」
「これで私達の記念硬貨は銀が3枚だね。」
「そうね。でも、『重箱の隅を探せ』とは良く言ったモノよね。」
「そうですよね。本当にあんな隅に開閉のスイッチが隠されているとは思いませんよ。」
「くそ運営めーーー!」
「同感だわね。」
「さあ! セリカにラビ。ダンジョンを出て行きましょう。」
2時間後
「私達って運が良いのかな?」
「そうよね。今現在は記念硬貨(銀)が合計で6枚。」
「そうですね。最初こそ、時間が掛かりましたけど、後は順調だと思います。」
「良し。この調子で集めるわよー!」
「「「おー!」」」
2時間後
「あれから1枚も見つからないよー!」
「直ぐ見つかるわよ。(くそ運営がぁー!)」
「ラビ。『素』が零れてますよ。」
「素?」
「何でも無いのよ、セリカ。」
「そうよ。それと、レ、イ。」
「……はい。」
「分かっているわよね?」
「……はい。」
「レイが分かってくれて嬉しいわ。」
「私だけ、何か蚊帳の外……」
「そんな事は無いわよ。このパーティーはセリカが中心なんだから。」
「そうですよ、セリカ。」
「む~。分かったわよ。それじゃ、今日は解散ね。次はリアルで土曜日の午前7時よ。遅刻厳禁よ。」
「分かっているわ。」
「分かっていますよ。」
リアルの土曜日の7時
「ラビ。やっぱりセリカは居ないね。」
「クスクス。やっぱりセリカは遅刻したわね。」
30分後
「遅れてごめ~ん!」
「遅刻厳禁と言ったのはセリカですよ。」
「だから、ごめんだってば。」
「罰金ですね。」
「ば、罰金!?」
「はい。」
「……ゴクリ。ど、ど、どんな?」
「セリカには、リアルで、足ツボマッサージの刑で。」
「……足ツボマッサージ!?」
「ラビ。見届けをお願いするよ。」
「任せて。必ず行かせて足ツボマッサージを受けさすから。」
「い、や、だーーー!」
「遅刻しなければ良いのですよ。」
「んぐ! 分かりました。」
「それでは罰ゲー……罰金が決まった所で行きましょう。」
「あーーー! 罰ゲームと言おうとしたー!」
「そんな事は無いです。出発しましょう。」
「誤魔化したーーー!」
「セリカ!」
「……ラビ。」
「元々はセリカが遅刻するからでしょう?」
「……は~い。」
一方、カルラside
「スタート地点の屋敷で記念硬貨(銀)が4枚も手に入ったのは僥倖でした。領主館が有るという事は、この場所は少なくとも街か都市ですわよね。それならば、外の自然フィールドに出ずに中を初日を費やしても集中して探した方が得策ですわよね。」
8時間後
「休憩を挟みながらとはいえ、沢山集めましたわ。まさか、初日だけで、記念硬貨(銀)が18枚も集まるなんて、幸運でしたわ。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




