いよいよイベント開始!
いよいよイベント開始。
リンにとっては別の意味でもイベント開始。
いよいよイベント開始かぁ。
メッセージでリンとカルラに居場所を伝えてあるから、直ぐに合流するだろう。
今、俺が居る場所は、運営が指定したイベントのスタート地点の中央の噴水広場に居る。
「ソーマ。」
噂をすればってやつだな。
「リン。今回のイベントも楽しみだな。」
「うん。私も楽しみ。所で……」
「まだ、カルラは来てないな……と、カルラ、こっちだ。」
もう1人の待ち人のカルラを発見。
「おはようございます。ソーマさん。」
「おはよう、カルラ。」
「ソーマさん。こちらの方は?」
「紹介するよ。リアルの友人『リン』だ。」
「初めまして。ソーマの『幼馴染み』のリンよ。よろしくね。」
「初めまして。カルラと言います。」
「それで、カルラ。パーティーの件だけど、どうかな?」
「それについては、リンさんとも話したいと思いますが、よろしいでしょうか?」
「俺は良いよ。リンは?」
「分かったわ。カルラさん。あっちで話しましょう。」
そういうと、リンとカルラはそこそこ離れた場所で話し始めたみたいだ。
「リンさん。貴女の不安は分かりますので、先に伝えますね。」
「どういう事?」
「私には、リアルで相思相愛の『婚約者』がおります。ですから、リンさんの『敵』になる事はありません。むしろ、『味方』になれると思いますよ。」
「な、何の事か、わ、分からないけど、カルラとは仲良くやれそうね。」
「それに、私の家が、になりますけど、こじんまりとしたコテージを持っていますから、何かの折りには最優先で予約を押さえる事が出来ますよ。」
「カルラ! これからは仲良くしていきましょうね!」
「ええ。私もリンさんが気に入りましたわ。」
「因みに、その婚約者は?」
「リアルの仕事の方が忙しいみたいでまだ、始めてもいません。」
「それなら、また紹介してね。」
「ええ。分かりましたわ。」
「改めて、これからよろしくね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
……なんか、盛り上がっているなぁ。
何を話しているんだろう?
あ、帰って来た。
「お待たせ、ソーマ。」
「お待たせしました、ソーマさん。」
「仲良くなれたみたいだな。」
「うん。カルラとは仲良くなれたわ。」
「私もです。」
「良かった。それじゃあ、パーティーの加入は?」
「ソーマさん。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく。」
カルラをパーティーに入れて、カルラとリンはフレンド登録が終わった時に、いきなり、天空は黒雲で覆われ、雷鳴が走り、プレイヤーがざわめき始めると、黒雲から何者かが、降りて来た。
3階建ての屋上くらいの所でソレは止まる。
ソレが右手を掲げ、不自然に良く通る音で指を鳴らすと、黒雲が消滅して、ソレが声高らかに宣言した。
「ようこそ、集まった! 『渡り人』達よ!」
ソレの外見はギリシャ神話に出てくる様なローブの様な白い衣装だった。
顔は、日本人の運営とは思えないホリの深い顔と真っ赤な長髪をしていた。
そういえば、あの時に会った運営の人達の中に居た様な気がするな。
「さて、設定上の役目が終わった所で、今回のイベントについて、運営からの説明をしたいと思います。」
先程までの雰囲気をあっさり壊して、神様からサラリーマンに変わった運営が話し始めた。
「さて、今回のイベントの大まかな概要は公式に告知済みですので、確かめたい方は、後で各自で確認したください。
今回のイベントは、用意したフィールドで記念硬貨を探すのが主な目的になります。イベント期間中は、基本的にはログインしますと、イベント用のフィールドにログインします。イベントを辞められる方はログインした時に、選択肢が出ますので、その時にお選びください。ただ、注意点が1つ。1度、辞められますと、今回のイベントに再参加が出来ませんので、気を付けてください。
当然、『聞いていない』と言うクレームは受け付けませんので、悪しからず。
さて、イベントの目的である記念硬貨は何処に有るかですが、至るところにあります。それも2種類。『金』と『銀』を用意しています。記念硬貨の『銀』は、イベント終了時に、『銀』が10枚で『金』1枚に交換されます。
次に、『ソロ』、『低人数』、『テイマー』、『サモナー』にお勧めのイベントも告知の通り有ります。
フィールドの至るところにイベントを設置していますので頑張ってください。勿論、正確な数字は言えませんが複数設置していますので諦めないでください。
細かいイベントルールはメニューで確認出来ますので、そちらを確認してください。
最後に、イベント開始時は、パーティーを組んでいたとしても、バラけた状態の開始場所がランダムスタートになりますので、そのまま『ソロ』で始めるも良し、連絡を取り合って合流するも良し。自由にしてください。」
運営がそう言うと、「ふざけるな!」とか、「ちょっと待て!」とかの声が飛び交うが、運営が良い笑顔で野次をスルーしながら、宣言した。
「それでは、イベント開始を宣言します。プレイヤーの皆さん。頑張ってください。」
運営が宣言すると、天空にバカデカい数字が現れカウントが始まった。
カウントが『0』になった瞬間に世界が真っ白になったと思ったら、視界が戻ると、そこは崩れた城の跡地だった。
周りを見ると、口をポカンと開けているリンが居た。
残念ながら、見える所にカルラは居ない。
「ソーマ!」
「リン。残念だけど、カルラは居ないみたいだな。」
「そうね。」
カルラからのメッセージが来た。
内容は、特に何もなければ、最終日に合流しようというモノだった。
まあ、カルラが良いならと、「了解」とメッセージをカルラに送った。
空気を読んでいた紅牙と古都魅がアピールした。
「キャン!」
「やっと喋れるのじゃ!」
「それじゃあ、1人足りないけど、始めようか。」
「う、うん。」
「どうした、リン?」
「な、何でもないわ。いきましょう!」
「あ、ああ。」
リンにもカルラからのメッセージが同じ内容が送られたが、最後に追加が書かれていた。
「最終日に、進展報告を期待しています。」と。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




