カルラの方が大人だったか。
優良魔法使い、見参!
カルラの許可を貰いスキルや称号を見させて貰ったけど……
スキルは、「魔力感知」、「魔力制御」、「魔力増強」、「水属性魔法」、「風属性魔法」となっている。
凄く、魔法使いとしてバランスが取れていると思う。
スキル「魔力増強」は、ステータスの数値が上がる時に、INT+3%、MIN+2%追加加算される。
次は、称号だな。
称号:「優柔不断」は、全ての決定時に、3回以上やり直した者に贈られる。
……第3位という事は、やり直し回数が歴代3位という事か。
称号:「居候時間」は、転生の間に居た時間が長い者に贈られる。
……第2位という事は、キャラメイク等をする場所に、歴代2位になる程、居たという事だな。
称号:「準備万端」は、「職業」と「スキル構成」で、運営が想定した組合せで良い構築をした者に贈られる。
後、運営の悪ノリか、この3つの称号は効果付きだった。
「優柔不断」は、2択以上の選択を迫われた時、判断してから1時間の間、LUKの値が倍になる。
「居候時間」は、限定された空間や場所に居た場合、10分毎にHPとMPが5%回復する。
1時間後に「毒」と「呪い」以外の状態異常が回復する。
「準備万端」は、最初に選んだスキルは、通常に更に5%経験値が加算される。
なんか、一緒に連れて行くとおまけを期待したくなるな。
さて、イベント達成に必要な、薬草が有るとされる北の森に到着した。
目的の薬草を探しながら、俺はタンク役をこなし、カルラに戦闘が出来る様にした。
因みに複数居た場合は、雑魚なら俺の魔法で、そこそこなら、物理で黙らせた。
当然、ある程度のレベルになったカルラにも、複数のモンスターの対処も出来る様にした。
正直、下心有りだ。
リンから聞いたが、こういうゲームは、チーム対抗戦のイベントが必ず有るらしい。
普段の組み合わせが「パーティー」で、そのパーティーが2つ以上集まったのが「クラン」と呼ぶらしい。
ゲームを楽しむ為には、いつまでもリンとだけのパーティーは無理が有るだろうから、カルラを魔法攻撃役として勧誘したい。
「あ!? 有りました!」
「どれどれ。」
カルラに内緒で「鑑定」したら、目的の「指定薬草」だった。
「確かに、依頼された『指定薬草』だな。」
「これで、依頼達成ですね。」
「ああ。だが、依頼人に渡すまでが、仕事だからな。」
「はい。」
帰り道は、俺の助けを必要無く、カルラ1人で無双した。
依頼人にきちんと「指定薬草」を渡して、カルラの初めてと依頼は達成出来た訳だ。
初依頼達成祝いという名目で、カルラを甘味処に誘う。
「初依頼達成おめでとう。」
「ありがとうございます、ソーマさん。」
「カルラ、『さん』は要らないよ。」
「はい。分かりました。」
「言葉つかいも、な。」
「すみません。普段からの言葉使いなのです。」
「そうか。なら、普段通りでも良いよ。」
「分かりました。それで、ソーマさん。私に何か話が有るのではないのですか?」
「ありゃ。ばれてた!?」
「はい。ですが、それは私には不利益な内容とは思っていません。」
「あははは。カルラの方が大人だったか。」
「そんな事無いですよ。」
「実は、俺達のパーティーに入って欲しいんだ。」
「パーティーに、ですか?」
「ああ。俺も初心者に近いから詳しくは知らないが、こういうゲームには必ず団体戦みたいなのが有るらしいだ。
どんな形式になるかは、運営側が決めるから分からないけど、カルラには、是非、その時には俺達のパーティーに居て欲しい。
俺達のパーティーは俺を入れてプレイヤーは2人しか居ないんだ。カルラの様な魔法特化は絶対に必要になると思っている。だから、俺達のパーティーに入って欲しい。」
「……分かりました。でも、少し考えさせてください。」
「分かった。」
カルラとフレンド登録をして、この日は別れた。
この後、まだ時間が有ったから、街を出て軽くレベルアップする事にした。
街に帰り、宿屋に泊まりログアウト
自室で鈴花に連絡を取る。
「どうしたの、佳珠真?」
「実は今日、1人のプレイヤーをパーティーメンバーに勧誘したんだ。」
「どういう事?」
「前に言ってただろ。絶対に団体戦が有るって。だから、今日、魔法特化のプレイヤーと知り合えたから誘ってみた。」
「……ふ~ん。どんなプレイヤー?」
「リアルはお嬢様ぽくて、ゲームの職業が魔法使いの人。」
「……ぽくて、という事は、何も知らないのね?」
「当たり前だろ。今日会ったばかりの人に、根掘り葉掘り聞く訳無いだろ!」
「分かったわ。明日、会える様なら会いましょう。」
「分かった。報告は以上だ。」
「了解よ。明日からのイベント頑張ろうね。」
「ああ。頑張ろうな。お休み、鈴花。」
「お休み、佳珠真。」
よーし。明日からのイベント頑張ろう。
鈴花side
「佳珠真の馬鹿ーーー!」
「鈴花、うるさい!」
「ごめんなさーい。」
「全く。」
「何が『リアルはお嬢様ぽくて』よ! 明日、会える様なら、色々と注意する必要は有るわね。確かに団体戦は有るだろうけど……。
ああ! もっと2人きりを楽しみたかったのに~。
でも、ゲームも楽しんで欲しいし。兎に角、明日はどんな女か、見極めてやるわ!」
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