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オールドサーガ・ファンタジー・オンライン  作者: あまのやぎ
第3章~魔法、解禁~
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今日は大事な話が有るのだろう?

父親イベントのベスト10に必ず入る娘からの「紹介したい人が居るの。」はどうなるのか?

「え!?」

「何? その反応。」

「いや。知り合いから教えて貰った鍛冶師の名が『チョセン』なんだよ。」

「誰から紹介を?」

「……あ!」

「どうしました?」

「名前を聞き忘れてた。」

「そういえば!」

「そんな状態だと、父さん(へそ)曲げますよ。」

「確か、美人三姉妹が居た。奥さんが街1番の美人だって言ってた。」

「……ああ。街1番の美人な奥さんに、美人三姉妹冒険者といえば、あの人しか居ません。『キャロト・グラセン』さんですね。」

「て、言うか。預かった紹介状に書いていたんじゃないの?」

「……しまった。」

「まあ、名前も分かったし、紹介状が有るのなら大丈夫ですよ。」


 こうして、プチイベントを無事に突破した俺達は中に入ろうとすると、いきなり扉が勢い良く開いた。


(やかま)しいわ。店の前で何を騒いでおる!」

「父さん!」

「ん。なんだ、ルイサか。どうした? さっさと入らんか!」


 多分チョセンさんが入れと言われた事で俺達は中に入った。

 中は、理路整然と良い武器や防具が並べられていて、その品質や性能を見るだけでも、鍛冶師としての腕は確かだと言える。

 ……理路整然と並べたのはチョセンさんじゃないかもしれないけどな。


「今日は大事な話が有るのだろう?」

「ええ。そうよ。」


 そこから、ルイサさんのプレゼンが始まった。

 紹介じゃなく、プレゼンなのは、チョセンさん相手に「優しい人だとか、良い人」等の感情論では動かない人だからだろう。

 だから、プレゼンで事務的に事実を伝える事にしたのだろうな。

 それでも、最後に今日有った事を話して終わった。


「ふん。ルイサを充分に養える実績が持てている様だな。」

「そうよ、父さん。」

「しかしだ! 他の誰かを救う為とは言え、自分の命を危険に晒すのはどうなんだ?」

「それは……」

「……と、言いてえ所だが、そこは今後の努力でどうにでもなる。その覚悟は認めてやる。」

「それじゃあ、父さん……」

「ああ。付き合いは認めるわい。」

「ありがとう、父さん!」

「ありがとうございます。」


 付き合い「は」、か。

 道のりは長いぞ、マリウス君。


 《イベント『受付嬢の機嫌を回復せよ。』を達成しました。》


 お。

 イベントクリアだ。

 次は俺達の番だな。


「ソーマ達もありがとう。また明日以降に冒険者ギルドに顔を出してね。お礼するから。」

「分かった。」

「それで、そちらのお客人はなんだ?」

「先ずは自己紹介を。俺は『渡り人』で冒険者のソーマだ。」

「同じく、『渡り人』で冒険者のリンよ。」

「冒険者、か。」

「それで、此処に来るにあたり、キャロトと言う人から、コレを預かりました。」


 そう言うと、俺は紹介状を渡す。

 チョセンさんがひと通り読むと、武器を見せろと言ってきた。

 俺達は武器を見せる。


「ふむ。2人共に真っ向勝負や乱戦も出来るが、好みとしては、『一撃必殺』を、という所だな?」

「「はい。」」

「オーダーメイドの武器を使うという事は、武器の形や長さや重量配分はコレを基準にした方が良いだろうな。2人共、軽く振ってみろ。」


 俺達は武器を返して貰い、言われた通り、軽く振ってみせた。


「うむ。良いだろう。一式打ってやる。」


 この後、チョセンさんから、武器や防具に使える素材は無いかと聞かれ、必要な素材を渡して、(つい)でに次は何時、手に入るか分からない奴以外は出して、買い取りもして貰った。


「1週間後に来い。用意しておく。」

「分かった。」


 この後、ルイサさん達と解散になって、街を散策していると、前々から、イベントの告知はしていたのに、日時は公開していないと、皆が運営に不満を愚痴っていたイベントの開催日が遂に公開された。イベントの日時は、リアル時間で9日後の金曜日の午後6時からスタートで、終了は3日後の日曜日の午後11時までとなる。

 更なる情報はイベント開始後に発表するみたいだな。

 個人的には、新しい武器等が手に入った後なのが嬉しいな。

 次は、何処に行こうかと思ったけど、気分が良いので狩りに行った。


 翌日


 ログインして、ルイサさんに言われた通りに冒険者ギルドに行くと、ルイサさんから、「ギルド内個室使用権無料証」を貰った。

 コレを使えば、何処の冒険者ギルドでも個室を無料で使えると言う訳だ。

 ルイサさんにお礼を言って、冒険者ギルドを後にして、レベルアップに勤しんだ。

 勿論、モンスターホイホイ公式チートアイテムの魔操笛を使って、な。

 コレに慣れると、動き回ってモンスターを探して狩るなんてもう無理。

 勿論、依頼で指定されたら別だけど、そうでないなら、もうコレ無しでは考えられない!

 こうして、前半は森の半ば辺りに必ずある広場でリンと無双した後は、冒険者ギルドの資料室で手に入るスキルを探すのがルーチンになった。

 今の所、見付かったのは……


 サーカス雑技術から「重力姿勢」と、「空中制御」を入手した。

 童話「猿蟹合戦」から「大跳躍」を入手した。


 スキル「重力姿勢」は、足場や体勢に関係無く、姿勢を維持出来る。

 要するに、自分の居る場所や位置に関係無く、身体がぐらつかないと言う事だろうな。

「空中制御」も「重力姿勢」の空中版みたいなスキルだ。

 これでどんな場所でも、身体がぐらつかないから、何かを狙い撃つ時に有利になるな。


 スキル「大跳躍」は、その場で、縦に15mジャンプするだけのスキルだけど、使い途が有る様な気がする。


 数日後、チョセンさんから、武器や防具を受け取る日が来た。


「ソーマです。チョセンさん、出来てますか?」




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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