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オールドサーガ・ファンタジー・オンライン  作者: あまのやぎ
第3章~魔法、解禁~
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大事な日なのに。

昔のゲームなら24時間何時でも泊まれたのにな。

 あれから、リアルで2日分使ってレベルアップに勤しんだ。

 その後、乗り合い馬車に乗って鉱山の街「ビーゼン」に向かったのだか、途中、盗賊が現れたから、蹴散らして臨時収入を稼ぎ、到着した。


「ようこそ。鉱山の街『ビーゼン』へ。」


 門番から手続きと挨拶を済ました俺達は、今日から使う宿屋を決める。

 え!?

 なんで、最初に宿屋を決めるかって?

 当然、泊まる宿屋を確保する為だ。

 ここでも、運営がリアルを追及した結果、宿屋探しを最後に回した場合は、空いている宿屋が超高級かボロの2択になる。

 リアルだと、商人や冒険者等が宿屋を使うとなれば良い宿屋から埋まる。

 だから、昔のゲームの感覚での、「宿屋」=「空いている」にはならない。

 さて、良い宿屋も決まったし、次は冒険者ギルドだな。


 俺達は、冒険者ギルドに到着して、中に入るとやっぱり一瞬睨まれる。

 それと、気の所為(せい)か、若干空気が重い様な感じを受けながら、受付嬢の列に並ぼうとすると、何故か1ヶ所だけ誰も並んで居なかった。

 ラッキーと思っていたが、受付嬢を見た瞬間に理解した。

 そりゃあもう、苛立ち、不機嫌を全面に出した顔をしていたのだ。

 確かに、アレじゃあ、誰も並ぼうとはしないよな。

 いや! むしろ、男性冒険者なら並ばない!

 それなのに、リンがそんな事、知っちゃこっちゃないと、スタスタと誰も並んで居ない受付嬢の所に行った。

 俺も仕方無く、後に続いた。


「ようこそ。鉱山の街ビーゼンの冒険者ギルドへ。(わたくし)、ルイサが対応いたします。」

「この街に初めて来たんだけど、何か注意事項は無いかしら?」


 そのまま、不機嫌な受付嬢の相手をリンにして貰った。


「特に有りません。強いて言えば、鍛冶師はそれぞれが『頑固者』な上に横の繋がりが強いので、1ヶ所で嫌われると全体で嫌われる可能性が有りますのでご注意ください。」

「分かったわ。ありがとう。所でどうしたの? 悩みや気になる事が有るなら、話くらいなら聞けるわよ。」

「……今日は大事な日なのに、彼が採掘から帰って来てないのよ。」

「そっか。因みに、『大事な日なのに』というのは?」

「今日、彼を父さんに紹介する予定だったのよ。」

「まあ! その『彼』は、何処に行ったか分かるかな?」

「北の鉱山に行ったわ。」

「……もしかして、『1人』で!?」

「そうよ。彼、冒険者としても、そこそこに強いから、いつも単独で行っているのよ。危ないから止めてと言っているのに。」

「それなら、私達が行ってみようか?」

「そんないいですよ。」

「良いから。私達が行っている間に怖い顔を直しておいて。それで、彼の外見は?」


 リンは受付嬢から外見を聞き出し、俺の承諾を得ずに決めて探しに行く事になった。

 ……まあ、良いけどね。


 《イベント『受付嬢の機嫌を回復せよ。』が発生しました。》


 俺達が北の鉱山に行ってみると、少々騒然としていた。

 理由を聞いてみると、見た事の無いモンスターが現れたらしい。

 しかも、皆を逃がす為に男性が1人、(おとり)になって引き連れて行ったらしい。

 男性の外見を聞くと、俺達は急いで男性が行ったという方向に向かった。

 選りにも選って、男性の外見は受付嬢から聞いた「彼」の外見だった。


 進むと、黒い森狼が居て、その先には男性が最後の抵抗をしていた。


 俺達は直ぐに救出する為に、魔法で攻撃した。

 多分、そんなに都合良く「イレモン」に当たる訳無いから、前の街で行っていた「色違い」かな。

 確かに強いけど、リンがスパッと首を狩り終了した。


「大丈夫か?」

「はい。ありがとうございます。」

「ちょっと聞きたいんだが良いか?」

「はい。どうぞ。」

「貴方の名前は『マリウス』か?」

「はい。そうですが、誰から聞いたのですか?」

「冒険者ギルドの受付嬢のルイサさんから。」

「ルイサから……あー!?」

「しまった! わぁ、時間がだいぶ過ぎているよ。」

「急ぐのなら、俺達も一緒に行こう。」

「良いのですか?」

「構わないし、元々ルイサさんからお願いされていたからな。」

「……ありがとうございます。では、行きましょう。」

「ああ。」

「ええ。」

「キャン。」

「カァー。」


 今まで空気だった紅牙や古都魅からも返事が出た。


 俺達は急いで街に戻り、冒険者ギルドに到着した。

 入ると、男性冒険者からはマリウスに向かって、憐れみの顔を向けられ。

 受付嬢からは、怒りの表情を向けられた。


「あら。お早いご帰還ね。私との約束なんて忘れていたと思ったわ。」

「そんな訳無いだろ。大切なルイサとの約束で僕にとっても大切な日なのだから。」

「だったら、時間に遅れないでよ!」

「それについてはごめんね。ルイサに贈る宝石(いし)を探していたんだ。」

「もう。マリウスのばか。」

「……ルイサ。」

「こほん。」

「ソーマ様、リン様。ありがとうございます。」

「別に良いわよ。それより時間は大丈夫?」

「はい。マリウスがこうなる事を予測していたので。皆、良いかしら?」

「「「どうぞ。」」」


 ルイサさんがギルドの職員に聞くと了解の返事が帰って来た。


 ルイサさんが、片付けを終わらせると、一旦裏から回り、俺達の所に来た。


「これから、私達は父さんの所に行くのですが、一緒に来て頂いて良いですか? お礼をしたいので。」


 リンは頷いたので、「分かった。」と言って、一緒に行く事になった。


「此処が父さんの家兼鍛冶屋『オサフ』です。父さんの名前は『チョセン』です。」



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