イベント報酬の引換券じゃないか。
ギルドの誰からかの依頼というテンプレですが、ラストはちょっとだけ、弄ってみました。
そこに現れたのは、先程の酔っ払いのおっさんだった。
「何か用か?」
「ああ。先ずはすまなかった。実力はどれ程なのか、試させて貰った。」
「……だと、思ったよ。殺気は無いわ、『殺す』と言いながら武器は使わないわで。」
「すまない。」
「謝罪は受け取るから、話を進めてくれ。」
「分かった。」
話しの内容はこうだった。
南側にある森の奥にダンジョンが存在し、そのダンジョンの最下層に仲間が残っているらしい。
半ば諦めていたが、俺の強さを知って助けて欲しいみたいだ。
「頼む。」
「行っても良いが、間に合わなくても良いな?」
「ああ。勿論だ。」
《イベント『ダンジョンから仲間を救え』が発生しました。》
「それじゃあ、早い方が良いだろうから行くか。」
「そうね。行きましょう、ソーマ。」
南側の森を進み、奥に有るというダンジョンを発見した。
「此処だな。」
「そうね。」
「キャン。」
「行くのじゃ。」
ダンジョンに進入すると、中は「森」で、思わず後ろにあるダンジョンの出入口を見る。
まあ、森の中に有る森型ダンジョンなだけか。
そして、外の森と違って中は虫系の出現が多かった。
階層が進むにつれて、出現するモンスターは虫系が増えていく。
ダンジョンのなかに有るセフティエリアで小休止する事になった。
このセフティエリアにはモンスターが現れないし、襲われないという安全地帯だ。
「なあ、リン。」
「何、ソーマ。」
「虫系が多くないか?」
「多いよね。」
「つまりは?」
「最下層のダンジョン・ボスは虫系の可能性が高いわね。」
「そうなるよな。」
小休止を終わらした俺達は、ドンドンと最下層に向かって進んで行った。
……途中から出現するモンスターが虫系から蜘蛛系に変わっていた。
それでも、目的が人命救助の為に速さ優先で進む事で、遂に最下層のダンジョン・ボス前の扉に到着した。
「多分、ダンジョン・ボスは『アラクネ』だよな。」
「多分、ダンジョン・ボスは『アラクネ』だと思うよ。」
「キャン。」
「これでアラクネ以外じゃと、巨大蜘蛛しかおらんじゃろうな。」
「……まだ、アラクネの方がマシだな。」
「……そうね。同じ蜘蛛系なら、アラクネの方がマシよね。」
「嫌がっていても埒が明かないな。行くぞ。」
「分かったわ。」
「キャン!」
「行くのじゃ。」
俺は扉を開けると中は、森ではなく、洞窟で、そこかしこに、蜘蛛の巣が張ってあった。
「キシャアアアーーー!」
《ダンジョン・ボス『アラクネ』が出現しました。》
「アラクネだ!」
先ずはSAN値を削る周りの蜘蛛の巣を火の魔法で焼き払った。
ダンジョン・ボスのアラクネは蜘蛛の巣を焼き払った事に怒ったのか、凄い勢いで突っ込んで来た。
俺は鬼神刀を取り出し、アラクネの攻撃に対応したが、アラクネの上半分の女性体からの攻撃が結構馬鹿にならなかった。
下の蜘蛛の部分と上の女性体からの攻撃で、上下での攻撃で目線が切れる為にスキル「制空圏」がなければ負けていたかも。
上に集中していると、下からの攻撃を感知する事が出来ないからだ。
「これで最後だ! 双龍閃!」
「キシャアアアーーー……」
20分後、リンや紅牙との連携で何とかアラクネを倒す事が出来た。
《ダンジョン・ボス『アラクネ』が討伐されました。》
《討伐した2名には討伐報酬が贈られます。》
恒例のレベルアップやスキルレベルが上がった事を確認して、手に入れた物を確認する。
共通
「アラクネの腹部装甲」「アラクネの脚」「アラクネの複眼」「アラクネの魔石」
最後の一撃ボーナス
「アラクネの魔糸袋」「アラクネの討伐の証」
「さて、依頼の仲間さん達は居るかな?」
「ねえ、ソーマ。」
「何、リン。」
「あの天井の3つの白い塊は何かなぁ?」
「……多分、アレがイベント報酬の引換券じゃないか。しかも3つセットじゃないとダメなヤツ。」
「……やっぱり、そうだよね。」
俺は風系魔法の「風刃」を使い、何とか3つの白い塊を落とした。
あ~。見上げてて首が痛かった。
白い塊を解体用ナイフで切ると中からは、なんと!
若い女性が3人だった。
俺とリンの依頼主であるおっさんへの好感度が一気に0を超えてマイナスのストップ高になった。
「助けて頂いてありがとうございます。」
何か代表の女性っぽい人からお礼を言われたから、依頼だと告げる。
「そうですか。それでも、命の恩人には代わりありません。」
「いや。お気になさらずに。」
「後、私達は冒険者で、貴方達の依頼主は私達の父親です。」
「え!? もう1度、お願いします。」
「私達はあの人の実の娘です。」
「「……えええーーー!?」」
「私達の母親が都市1番の美人でした。」
「……母親似で良かったですね。」
「私達姉妹も本当にそう思っています。」
「でも、父親であるおっさんも薄情だよな。」
「いいえ。父は責任ある立場です。肉親の情を捨てなければならない時もあります。それに……」
「それに?」
「私達は『冒険者』ですから。」
「なるほどね。そうだな。」
「後、私達はあの人を父親として大切に思っていますよ。」
「それじゃあ、帰ろうか。」
「はい。」×リンと冒険者姉妹
「キャン。」
「カァー。」
帰ると、涙と鼻水で溢れたおっさんが突進して来た。
「ありがとうー!」
「ふん!」
ガッ!
「ぶっ!」
おっさんが突進して来たが、姉妹の1人がおっさんに踵落としを放った。
「ただいま、お父さん。」
《イベント『ダンジョンから仲間を救え』が達成されました。》
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