赤角鬼(しゃかくき)の討伐。
ガチにキツいバトルイベント。
「ガアアアーーー!」
こっちも飛び出したが、向こうも飛び出したからちょうど広場の中央辺りで戦う事になった。
それに、あの黒い球体近くで戦うと、その戦いの余波で刺激を受けて、悪い流れを作りたくないしな。
「ガアアアーーー!」
「やっぱりパワー型だ。落ち着いてやれば大丈夫だ!」
「分かったわ。」
「キャン!」
俺達は武器で魔法でダメージを与えて何とか1匹倒した。
すると、黒い球体からは先程よりも体色が濃い「鬼」が現れた。
鬼を倒すと次の鬼が出てくる。
5匹目の鬼の体色は真っ赤だった。
俺達は治癒の魔法水を飲み回復し、戦いに備えた。
《イベントボス『赤角鬼』が顕れました。》
「ガアアアーーー!」
俺が氷の矢を連発して撃ち、別方向からリンが近付きながら魔法の「影縛り」を放ち、赤角鬼の両足を拘束する。
そして、リンは背後から攻撃を繰り出す。
俺も、リンが影縛りを放つ辺りで近付く為に移動し、赤角鬼がリンの背後からの攻撃に意識が行った時に、正面から両腕を攻撃する。
紅牙は、足元を走る事で集中力を乱し、隙有らば右足に集中して噛み付いていく。
勿論、火系や風系の魔法を使わないのは、氷系なら動きが鈍くならないかと思って放っている。
黒い球体から出る鬼はダメージ的には四大属性があまり効かないんだよな。
だから、氷系のデバフ効果を狙っている。
そろそろ雷系も混ぜようかな。
う~ん。
数で勝負の攻撃はあまり効果が無いな。
自動回復のスキルでも持っているのか?
「リン、紅牙! 時間を稼いでくれ!」
「任せて!」
「キャン!」
神霊召喚だ!
「封印の扉を開けし舞姫よ。刹那の夢幻を支配せし者よ。
その艶やかな舞で魅了せよ。神霊召喚!天字受売女!」
舞姫が踊り、藤の花びらが舞散り、この身に神を降ろす。
「さあ。第2ラウンドだ!」
「ガアアアーーー!!」
俺は居合の構えのまま、紅牙が離れている時に集中して右足を氷の矢で狙い撃ち、紅牙が近い時は、雷の矢を赤角鬼の心臓に狙い撃ちする。
リンも素早さを生かし、死角からの攻撃を繰り返す。
こうして、連携しながら、赤角鬼が大きな隙が出来た時は、桐生流古武術刀技を放つ。
これは居合を放つ勢いを止めずに、その場で一回転して、遠心力と廻る時の溜めを居合の鞘走りの代わりにしてもう1度を放つ二連居合。
「うおおおーーー、『双龍閃』覇っ!」
「ガアアアーーー……」
《鬼界からの侵略者『赤角鬼』を討伐しました。》
《イベント『鬼界からの侵略者』を達成しました。》
《討伐報酬をプレイヤーに贈られました。》
《称号『赤角鬼の討伐者』が贈られました。》
「……勝ったぞー!」
「やったー!」
「キャン!」
「勝ったのじゃ!」
この後も、レベルやスキルレベルが上がったメッセージが出た後は、お待ちかねの討伐報酬だ。
「……封神。討伐報酬の中身は何かな、と。」
討伐報酬の中身は……
共通の報酬
「鬼の棍棒」、「鬼の牙」、「鬼の角」、「赤角鬼の牙」、「赤角鬼の角」
最後の一撃報酬は……
「赤角鬼の魔宝玉」、「赤角鬼の腕甲」「赤角鬼の足甲」、「赤角鬼の討伐の証」
「ねぇ、ソーマ。」
「リン。何も言うな。」
「いいえ。言わせて貰うわ。」
「リン!」
「あの赤い鬼。赤角鬼は、余程痛かったのね。」
「くっ!」
「ソーマが攻撃した両腕と、ソーマの指示で紅牙が執拗に攻撃した右足が!」
「リン! 戦略であり、戦術だ!」
「……分かっているわよ、ソーマ。」
「笑っているという事は確信犯だな。」
「だって~。」
「ソーマにリン。夫婦仲が良いのは分かったのじゃ。だから、じゃれ合うのは終わりにして、この後はどうするのじゃ?」
「「夫婦じゃないし!」」
「同調してて何を言うのじゃ。」
「キャン~。」
「……と、兎に角、次だな。」
「ソーマ。遂に『東』に行く?」
「いいや。西の街道から進んで、武器とかを強化したい。」
「それも良いわね。どうせ、街道を塞いでいるエリア・ボスは、戦うプレイヤーに合わせてレベルが変更されるしね。」
「そうと決まれば、次は西だ!」
「おおー!」
「キャン!」
「おおーなのじゃ!」
次の目標が決まった所で、俺達は街に戻り、旅の準備を始めた。
先ずは、情報収集と旅の軍資金という事で冒険者ギルドへ。
街に到着した俺達は冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに到着した俺達は中に入るのだけど、必ず一瞬とはいえ、数人に睨まれるのはどうにか出来ないのか!
そんなテンプレを受けながら、受付嬢の列に並ばず、解体場に向かう。
解体場のおっちゃん達(NPC)をドン引きされる程のモンスターを出して換金して貰う。
「全く。しねぇとは言わないが1度に全てを出すな。」
「すまん。おっちゃん。」
俺達は解体場のおっちゃん達(NPC)の査定が終わるまで待っていると終わったみたいだ。
「査定は終わった。伝えておくから、受付嬢の所に行きな。」
「分かった。」
俺達は今度こそ、受付嬢の列に並ぶ。
そして、俺達の番が廻って来る。
「今回はどの様な用件ですか?」
「解体場での査定して貰ったから、その換金と、西の街道を進んだ先の情報が欲しい。」
「分かりました。それでは、先ずはギルドカードをお願いします。」
「分かった。」
俺達は、ギルドカードを受付嬢に渡す。
因みに紅牙と古都魅はギルドの外側の玄関口近くで留守番だ。
「ギルドカードをお返しします。此方が査定されたモンスターの素材買い取り金です。合計金額は……」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




