娯楽棚のネタ本には……
リンにとっては図書館デート。
気付いてないのはソーマだけ。
《スキル『気配遮断』を修得しました。》
おお!
「ザ・NINJA」の本で、遂にスキルを修得したぞ。
え~と。
スキル「気配遮断」は、探知や察知系のスキルやその類いの魔道具が反応しない。使用時間はスキルレベル×10秒となる。
うん。
派手さは無いが俺好みだな。
コレを切っ掛けに、他にも修得出来るスキルは無いかな?
……この日は時間一杯使い、勘任せで色々と本を読んだ結果、幾つかのスキルを修得した。
「古流からの居合術」という本からは、
《スキル『古流居合』を修得しました。》
《スキル『古流居合』と『刀術』が統合されスキル『古流刀術』を修得しました。》
「仙女の家庭料理」という本からは、
《スキル『医食同源』を修得しました。》
《スキル『医食同源』と『野外料理』が統合されスキル『特級調理』を修得しました。》
娯楽棚のネタ本「浮気夫はベッドの下に隠れる。」からは、
《スキル『危険察知』を修得しました。》
《スキル『危険察知』と『見切り』が統合されスキル『第六感』を修得しました。》
手に入れたスキルの効果内容は……
スキル「古流刀術」は、武器が「刀」の場合に適用される。
刀を握っている間はSTRとAGIとDEXが全て5%加算される。
スキル「特級調理」は、ステータスに状態異常を起こす食材を調理する場合、全ての状態異常を無効化して、食後の2時間はSTRとVITとAGIが全て8%加算される。
スキル「第六感」は、自分、または一緒に行動するパーティーに被害が発生する場合に発動する。
常時発動し、被害がやって来る方角や位置や起こる時間が分かる。
終わってみれば結構、スキルをゲット出来たな。
俺は紅牙と古都魅を迎えて、図書館を後にした。
……それから、軽くスキルの効果を確かめながら狩りをしてからログアウトした。
翌日
リンを連れて図書館に行った。
俺は図書館で見つけたスキルが手に入る本とスキル名を教えて、その後は、お互いに別行動で、スキル化する本を探した。
……1日掛けて、幾つか見つけた有用なスキルを教え合い修得した。
手に入れたスキルは、「流体術」と「魔装体」と「浸透魔力」だ。
スキル「流体術」は、体術の上位互換で、「体術」以上に身体を動かせる事が出来る。常時発動している。
スキル「魔装体」は、魔力による身体強化の上位互換で、「身体強化」の効果に加え、身体の表面に薄い膜が覆い魔法攻撃に因るダメージを5%軽減する。
スキル「浸透魔力」は、対象に触れる事で効果が発動するスキルや魔法の場合、その効果が20%上乗せされる。
翌日
スキルの試し狩りじゃ~!
南のゴブリンさん。オークさん。オーガさん。
いつもお世話になっています。
また、何時もの広場で試し狩りに来させて貰いました。
「ソーマ。準備は良い?」
「ああ。良いぞ。」
「じゃあ、行くよ。」
「ソーマよ。アレを使うとどうなるのじゃ?」
「見てのお楽しみだよ。ただ、ある程度は離れていた方が良いぞ。」
「わ、分かったのじゃ。」
「紅牙は一緒にやろうな。」
「キャン!」
「紅牙だけ差別なのじゃ。」
「紅牙は戦えるけど、古都魅には戦う力は無いだろ?」
「そうなのじゃが、悔しいのじゃ!」
「気持ちは分かるが無い以上は避難してくれ。」
「……分かったのじゃ。」
リンはレベルとスキル向上御用達の魔道具「魔操笛」を使う。
この笛はバトル中のモンスターは反応しないけど、それ以外の範囲内に居るモンスターには効果が出る。
「じゃあ、リン。一応はお互いにフォロー出来る様にな。」
「分かっているよ。」
「キャン!」
40分後
「いやー。狩ったなぁ。」
「そうね。」
「キャン。」
「ソーマよ。どうだったのじゃ?」
「あ、ああ。……お! 最近修得したスキルのレベルが軒並みに上がっているな。」
「私もよ。」
「しかし、あの時、モンスターが居なかったのは、コレが原因じゃな?」
「あ、分かった?」
「当たり前なのじゃ! 幾ら何でも目の前で見せられれば阿呆でも気付くのじゃ!」
さて、全員が回復も済ました所だし、次はどうするかな。
《度重なる短時間でモンスターが減少した為に、鬼道が開きました。イベント終了まで範囲外に移動出来ません。》
《イベント『鬼界からの侵略者』が発生しました。》
《勝利条件は、侵略者の全滅です。》
《敗北条件は、パーティーの全滅です。》
「おい。何かヤバそうなイベントが発生したぞ。」
「そうみたいね。」
俺はスキル「第六感」が発動した事からも、武器を「鬼神刀」に変えた。
リンも、俺の武器変更を見て身構えた。
……そして、頭痛が起こる程にスキル「第六感」が騒ぎ出す。
「来るぞ!」
俺が半ば叫ぶと、北東の方角の広場と森の境に反射しない黒い何かが産まれ、形を直径3mの球体になる。
その黒い球体から、トゲ付き棍棒を持つ「鬼」が現れた。
その姿を見た瞬間、全身に鳥肌が立つ様な感覚に襲われた。
その「鬼」の外見は、2本角に肌の色は茶色に近い。
当然、筋骨隆々で身長も2mを超えていた。
「リン。紅牙。古都魅。行くぞ!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




