安直と言ったら潰す!
RPGにありがちな「お使いイベント」はどうなるのか。
すみません。
予約指定をミスっていました。
「所で名前は?」
赤い目のお嬢さんは、表情豊かに「今更?」という顔をして、何処からか出したホワイトボードに「レッドアイよ。安直と言わない様に。言ったら潰す!」と書いて見せた。
何処を潰すのとは聞かない。
……実践されたら怖いから。
「分かった。レッドアイだな。因みに俺はソーマだ。」
そう答えるとホワイトボードには「そうよ。」と書いていた。
さて。
この赤い目のお嬢さんのレッドアイは何故、喋らないのか。
考えられる理由としては……
1つは、元々、会話の能力や権限が与えられていない。
もう1つは、発声すらしない方が良いと思える程に危険だという場合だな。
……な~んとなくだけど、此処の運営なら後者を用意している気がするな。
因みに、レッドアイは紅牙の頭の上に、古都魅は紅牙の肩の上にいる。
そして、俺は当たり前の様に会話しながら、俺達に襲い掛かるモンスターを瞬殺している。
暫く歩いていると、紅牙が「キャン。」と俺に声を掛ける。
振り向くと、レッドアイが出したホワイトボードには「あの青い植物がキベリザよ。」と書いていた。
周りを見ると少し開けた所に生えていた。
確か、「球根」だったなと思いだしながら引っこ抜く。
ある程度は纏めて生えていたから、抜いていると、紅牙が吠えた。
どういう事なのかと、紅牙を見ると、頭の上に居るレッドアイが視界に入り、序でにホワイトボードにも視線がいく。
ホワイトボードには、「早く仕舞わないと特定のモンスターが来るわよ。」と書いていたよ。
「レッドアイ。ホワイトボードに書いてくれた事には感謝しているけど、手遅れだよな?」
レッドアイは笑顔でホワイトボードに書いた「うん。」という字を見せた。
このやり取りを待っていたかの様に森の中が騒がしくなってきた。
「レッドアイ。どんなモンスターが来るのか、知っているのなら教えて欲しい。」
レッドアイが「え~。」と不満顔をしながら、ホワイトボードに何か記入する。
ホワイトボードには「トレント」と書いていた。
……確か、トレントは樹木系のモンスターで、枝での物理攻撃に、葉っぱを回転させなごら飛ばして触れた所を切ったり、風系魔法で切り刻むだったかな。
後、数が多い場合が有るだったよな。
序でに言うとラノベでは大抵は良い素材になるモンスターだったな。
……コレってもしかして、「護衛イベント」か!?
いや、違うか。
そんな事を考えていると、あまり移動しない事でも有名な「トレント」が集まったようだな。
ざっと5匹か。
「少ないな。」
この一言が合図かの様にトレントとの戦闘が開始した。
俺は居合の構えのままにトレントの居る場所の飛び込み、トレント5匹を斬り刻む。
6分後には、俺の旅袋には、「トレントの木材」×5と「トレントの若葉」×3とレアアイテムの「トレントの果実」×1が入っている。
トレントとの戦闘から帰ってみると、レッドアイが持つホワイトボードには「ソーマって、強いのね。」と書いていた。
俺はキベリザの球根を回収して帰る事にした。
ログハウスに到着した俺達は、中に入るとレッドアイが飛び出して、スクナに抱き付く。
「レッドアイ。お疲れ様です。ゆっくり眠りなさい。
……そうですか、分かりましたよレッドアイ。ソーマ達もお疲れ様です。」
「ああ。それと材料だ。」
「これだけ有れば充分足ります。」
そう言うと人形になっているレッドアイを所定の場所に置き、作業用の席に着き、始めた。
「こりゃあ、薬を調合すると言うより、錬金術で合成すると言う方が近いな。」
「そうですね。割合だと、調合3、合成7と言った所でしょうか。……はい。完成しました。名は『調伏の霊水』です。」
俺は「調伏の霊水」をスクナから受け取る。
《ソーマは『調伏の霊水』を手に入れた。》
調伏の霊水を鑑定する
名称:調伏の霊水
効果:対象に対して振り掛ける事に因って、対象の「呪い」や「寄生物」を排出する。
但し、排出した「呪い」や「寄生物」を「核」にしてモンスター化する。
……と出た。
聞いたまんまだな。
俺は「調伏の霊水」を異空間に仕舞う。
「しかし、昔に比べれば、この霊水も見かけ無くなりました。」
「どうしてだ?」
「材料の1つが『古の神に連なる者の涙』ですよ。今では手に入れるのが非常に困難になっています。まあ、誰かさんは、手の届く位置に居ましたが。」
「あははは……」
俺としては貰う物は貰ったし帰ろうとすると、スクナから静止が掛かった。
「レッドアイから聞きました。トレントの素材を手に入れたそうですね。」
「ああ。」
「トレントの木材×2とトレントの若葉×2とトレントの果実をください。」
「どうするんだ?」
「それらを使ってある物を作ります。」
「分かった。」
少し、トレントの果実が惜しかったが、また狩りに行けば良いかとスクナに渡した。
「ありがとうございます。では……」
スクナに渡したトレントの素材が光り出して、光りが収まると、そこには、緑色の装飾が付いた「弓」が2つ持っていた。
そして、スクナの下にレッドアイが飛び込んで来た。
「レッドアイ、本当に良いのですね?」
スクナが確認すると、やっぱり無言で頷き、ホワイトボードを俺に見せた。
ホワイトボードには「ソーマは危なっかしいから助けてあげる。」と書いていた。
レッドアイはホワイトボードを仕舞うと、スクナが「いきます。」と言い、トレントの素材で出来た「弓」1つとトレントの果実とレッドアイが光り出す。
光り出す中、レッドアイが俺にバイバイする。
……光りが収まると、先程の「弓」より立派な緑色の装飾と「真紅の宝玉」が付いた「弓」が出来ていた。
スクナは2つの「弓」を俺に渡した。
「どうぞ。」
俺は2つの「弓」を鑑定した。
内容は……
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