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オールドサーガ・ファンタジー・オンライン  作者: あまのやぎ
第3章~魔法、解禁~
34/95

チェーンイベント。

誰が本物を付けているでしょうか?


1人か2人くらいは予想が来るかな?

と、思っていたのですが、残念です。

「領主様。質問です。」

「どうぞ。」

「俺達が付けているのは偽物ですね?」

「そうだ。」

「良かった。俺達の中の誰かがだと1番イレギュラーなモノだったので良かったよ。」

「あははは。」


 俺は最初に長女の青蘭(せいらん)さんの前に行く。


「青蘭さんに質問です。」

「ええ。どうぞ。」

「貴女は長女でありながら、何故、その様な落ち着いた衣装を?」

「私自身が、そういった衣装を好みますので。」

「分かりました。ありがとうございます。」


 俺は次女の白蘭(はくらん)さんの前に行く。


「白蘭さんに質問です。」

「待ってたわ。」

「白蘭さんのその豪華な衣装ですと、やはり細かい所を気にしない方ですか?」

「ええ。そうよ。豪華な衣装は小さな事を吹き飛ばしてくれる魅力が有るわ。」

「分かりました。ありがとうございます。」


 次は紅蘭(こうらん)さんの前に行く。


「紅蘭さんに質問です。」

「ええ。どうぞ。」

「領主の正室は高い誇りと重い責任を背負える意思が必要ですか?」

「当然です。でなければ、領主の正室は務まりません。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「どうかな、ソーマ君。」

「ええ。誰が本物の『朱真珠のブローチ』を持っているか分かりました。」

「ふむ。それは誰だ?」

「本物のブローチを身に付けているのは、『紅蘭』さんです。」

「何故かね?」

「先ずは青蘭さんのブローチですが、通常『真珠』は、時と共に価値が下がる宝石です。ですから、その知識から言えば、5代も受け継いで来たという時間の経過があります。

 そして、この中で唯一くすんだブローチを付けている青蘭さんになります。」

「なら、青蘭が本物になるのでは?」

「ええ。しかし、この世界には『魔法』が有ります。

 例えば『保存』系の魔法を使えば、その輝きは永遠です。更に、保存系の魔法を使える者は少ないですが、使う者を選ぶ程の希少性は有りません。

 魔法を使える者なら時間が掛かっても身に付ける事は可能でしょう。なんたって『家宝』なのですから。」

「ふむ。」

「そうなると、白蘭さんか紅蘭さんのどちらかになりますが、此処で重要なのがこのブローチが『家宝』である事です。」

「続けて。」

「紅蘭さんはこの領主館に於いては第2位の立場と言えます。つまり、紅蘭さんが出席すれば、青蘭さんや白蘭さんは重い責任を背負う必要は無いという事になります。

 そうなれば、白蘭さんは本物を身に付ける必要は無い。自身を輝かせるなら本物を身に付ける事は無い。

 つまり、『家宝』という『本物』を身に付けるのは、領主が身に付けないのなら、次の責任者の『正室』が背負うモノです。それに、ブローチは女性が身に付ける宝飾品ですからね。」

「……お見事! 正解だよ。」

「ソーマ。私は青蘭さんと思ってた。」

「私は白蘭さん。」

「私も青蘭さんと思っていました。」


 周りからも俺への称賛を表している。


「さて。こんな事をやらせたのは訳が有るんだ。悪いが後で時間が欲しい。」

「……分かりましたぁ。」


 この後は何も無いだろうと、気を張らず歓迎会を過ごした。


 歓迎会が終わり、俺達に付けられたブローチは回収された。

 アレらは家宝を当てるという中では偽物だったけど、宝飾品としては「本物」だったらしい。

 1個が金貨数枚からだと。

 ……大切に扱って良かった~。


「ソーマ君達に残って貰ったのは、ある場所に行き、調査をして欲しいからだ。」

「調査ですか?」

「うむ。実は私は鉱山を持っていて、そこからは、宝石が採掘出来るのだが、最近は、鉱山夫が居なくなるという事が頻繁に起きているんだ。」

「その鉱山の調査を俺達に?」

「そうだ。内容が内容だから、本当に信頼出来る者にしか頼めないのだ。君達なら信頼出来る。引き受けて貰えないだろうか?」

「リン、セリカ、ラビ、どうかな?」

「私はソーマが行くなら行くよ。」

「私は行ってみたいわ。」

「私も行ってみたいです。」

「俺達はその依頼、引き受けます。」

「ありがとう。」


 《チェーンイベント『鉱山の調査』が発生しました。》


 領主がそう言うと手をパンパンと叩く。

 俺達の前に執事が現れた。


「お呼びでしょうか?」

「ソーマ君達を例の所へ。」

「畏まりました。」

「それでは、準備する為に部屋に案内いたします。」


 俺達は歓迎会用の衣装に着替えた部屋に案内され、それ程経たずに冒険者の衣装に着替えた。

 ノックが入り、入室を許可すると、俺の居た部屋に全員集合した。

 そして、執事さんから「治癒の魔法水(小)」を4本と「解毒水」を4本に「麻痺消し水」を4本を頂いた。


「これは?」

「領主からの贈り物です。使う事が無かった場合はそのまま、ご自分の物として持っててください。」

「分かりました。」

「準備がよろしい様なので、鉱山にご案内いたします。」 


 そう言われて付いて行ったら、領主館の地下の隠し扉から続く地下通路を通り、30分後に地上に出ると目の前に洞窟の入り口が有った。


「それでは、ソーマ様。コレをお預かりください。」

「コレは?」

「コレは鉱山に入る為の『鍵』です。コレを持たずに入ると魔道具が発動して侵入者が逃げ出さない様に出入口を結界で封じて出られなくなります。結界を解くには管理者が持つ『対の魔道具』が必要になります。」

「わ、分かった。大切に扱い、失くさないと誓う。」

「それは素晴らしい誓いです。帰る時は、来た時、同様にこの地下通路をご利用ください。それでは調査をお願いします。」


 執事さんが地下通路を使って帰った。


「さあ! 調査を開始しようか!」

「「「おお!」」」

「キャン。」

「カァー。」




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


勿論、元ネタは「頭脳は大人」です。

特に一流同士がぶつかる奴が好きです。

「黒真珠」や「銀翼」や「向日葵」等の「アイツ」が出ている話は好きですね。

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