防衛戦、開始!
スタンピード、開始。
VR週間ランキングで第42位
応援してくださる皆様のお陰です。
ありがとうございます。
「とりあえず、最初のイベントが『スタンピード』なら、兎に角倒せ! 無双しろ! な、内容だろ?」
「それに、街の防衛を足さないと。」
「そっか。」
「だから、東西南北のどれかの門を防衛するというのが、役割だと思うよ。」
「なるほどな。」
「他に何か有るか、リン。」
「そうだね。多分だけど、1番やり易いのが南門だと思うよ。」
「それは何故だ?」
「多分だけど、南門はゴブリンやオークが多いと思うよ。」
「ああ。俺達はどちらかと言えば、人型特化だもんな。」
「そういう事よ。」
この後、色々と話し合い、それ以降はレベルアップに勤しんだ。
ストーリー的には、ゲーム内時間の3日前から動いていた。
原因不明のモンスター大量発生が確認され、2日前で対策を決定して、各方面に決定事項を報せて、冒険者ギルドは参加者を集った。
俺達プレイヤーは基本的にはスタンピード殲滅する為のアタッカーを担当し、街のNPC達は最終防衛ラインを担当する。
この最終防衛ラインを越えられると、俺達プレイヤー側の負けになる。
勝利条件は当然、スタンピード殲滅だ。
ゲーム的には原因不明のスタンピード発生原因の解明が裏ボーナスかな。
さて、公式イベント当日だ。
俺達や冒険者は冒険者ギルドに集まっている。
そして、お立ち台に上がる1人の厳ついオッサン。
こういう時にこういう場に上がる立場って1人しか居ないよな。
「この街の冒険者ギルドのギルド・マスターだ。
この街の危機に良くぞ集まってくれた。
礼を言おう。
今日の為に回復系魔法水をかき集めれるだけ集めた。
そして、最終報告で、スタンピードは南門に向かっている。
だから、南門の防衛が重要になる。そして、衝突時間は後、1時間に迫っている。命を捨てろとは言わねえ。
だが、1匹でも多く討伐して欲しい。当然、報酬は此処の領主や近隣から巻き上げた。
さあ、野郎共! 稼ぎ時だぁ!!」
「おおーーー!!!」
「南門かぁ。少し気が楽になったな。」
「そうだね、ソーマ。」
「見つけたわよ、リン!」
「あら、セリカじゃない。久しぶりね。」
「うん。リンちゃんも久し……じゃない!」
「……セリカ。」
「今日のスタンピードの討伐で勝負よ!」
「分かったわ。勝負しましょう。」
「楽しみだわ。貴女の勝負に負けて悔しがる顔を見るのはね。」
セリカとペコッと頭を下げたラビが南門に向かった。
「なあ、リン。」
「何、ソーマ。」
「何故、リンとセリカはお互いに身バレしてんだ?」
「セリカもβテスターで、セリカもラビもこういう個人情報的な事はきちんと守るからよ。」
「それに私はセリカに誘われたのよ。このゲームに。」
「……そっか。早く、セリカのリンの呼び方に『ちゃん』が付くと良いな。」
「うん。」
「さて、ちょっと湿っぽくなったが、俺達も南門に行くか。」
「うん。」
「キャン。」
「カァー。」
南門に到着した俺達は1番左端に移動した。
……いや、だって真ん中とかだと良くも悪くも目立つ上に動き難いからだ。
おー。
遠方から土煙が上がっているし、地響きがする。
さてと。
この手のゲームのスタンピードのパターンだけど……
1つ、単純に設定された以上のモンスターを討伐出来ればイベントが達成する。
1つ、スタンピードを発生させたボス的なモンスターを討伐しないとイベントが達成しない。
1つ、ボス的なモンスターの討伐にストーリー的な黒幕げ居て、接触以上しないとイベントが達成しない。
……どれだろうなぁ?
後、10分くらいか。
《《SQスタンピードから街を防衛せよ!》》
《《勝利条件、最終防衛ラインの戦闘回避。》》
《《敗北条件、最終防衛ラインの戦闘。》》
……結構、厳しい条件だな。
もう、2分も無いな。
「リン。『弁天の好意』を使うか。」
「うん。良いね。」
「ソーマにリン。その『弁天の好意』とは何なのじゃ?」
「ああ。古都魅。これはな、簡単に言えば、戦闘後に貰えるモノが、何時もより沢山貰えるんだ。」
「そうなんじゃな。」
俺の「弁天の好意」を使った。
「紅牙! 古都魅を頼むぞ!」
「キャン!」
「ソーマもリンも死ぬで無いのじゃ!」
「ああ。」
「大丈夫だよ。」
スタンピードのモンスターが、もう目の前に迫っている!
「行くぞ!」
「ええ!」
俺よりもAGIの数値が高いリンは正に斬り込み隊長となってスタンピードのモンスターに突進して、次々に首が宙を舞う。
俺も負けられないな。
80分後
主にリンの首狩り無双が炸裂して、多分、防衛戦で3時間以上掛かる筈がもう直ぐ終わろうとしている。
俺はリンをメッセージで呼んだ。
リンは手に持つ短刀と魔法で、首から上を攻撃し、仕留めながら俺の下に到着した。
「ソーマが呼ぶなんて、どうしたの?」
「アレを見ろよ。」
「あらら。今回の初イベントのボスは、オークの頭を通り越して『オーガ』なのね。」
「ああ。そうみたいだな。」
俺の視線の先には、ジェネラルオーク2匹とオーク・キング1匹に、オーガ5匹やジェネラルオーガ2匹と、オーガ・キング1匹が居た。
「さて、行くか。」
「ええ。」
俺達が行こうとした時、声を掛ける人が現れた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




