え!?
サンタさんを信じてた頃は特に特撮やアニメの決めシーンに憧れていました。
「……え~と、次は……」
「リンは年寄りみたいじゃな。」
古都魅の何気ない言葉を聞いて、俺でさえ見た事の無い笑顔を古都魅に向けるリン。
「ちょっと古都魅を借りるわね~。」
「何をするのじゃ!?」
「いいからいいから。」
「離すのじゃ~。」
古都魅の襟首を摘まんで、奥へとリンと古都魅が移動する。
「は~な~す~の~じゃ~。」
………………約30分後
満面の笑顔とリンの手の平で体操座りで引き吊った笑顔の古都魅が帰って来た。
「え~と、ね。簡単に説明するわね。」
「分かった。」
「キャン。」
「……わ、分かったのじゃ。」
ありゃ!?
古都魅が大人しいな。
「この北の荒野エリアのボスに繋がる、運営のネーミングセンスを疑うこの名称『北の荒野』エリアには、運営の嫌がらせモンスターの『麻痺』の状態異常を与えるモンスター『麻痺蜥蜴』が居るわ。だから、見付けたら、周りに報せる必要は無いから、即座に討伐する事。良いわね?」
「ああ。」
「キャン!」
「任せるのじゃ。」
「後、外見は岩とかに擬態しているから気を付けて。」
土のゴーレムの首をスパスパと狩りながら俺達は進む。
「洞窟の中でソーマの戦い方を見て思ったのじゃが、ソーマもリンも首に何か恨みが有る様な戦い方なのじゃ。」
「別に、これなら簡単に倒せるからな。」
「私は、……言わなくても分かるでしょう、古都魅?」
「……は、はいなのじゃ!」
あの古都魅の反応からリンは、古都魅に伝統と格式高いOHANASHIをしたんだろうなぁ。
まあ、これで仲良くなる切っ掛けぐらいにはなるだろう。
少し進むと俺の制空圏に反応が出た。
俺は目視せずに、炎の矢でソレを撃つ。
「ギシャアアアーーー……」
周辺の岩そっくりの蜥蜴がソコに居た。
「ソーマ! ソレが『麻痺蜥蜴』よ。」
「アレがそうか。確かに見分け難いな。」
「そうよ。しかも、あいつは麻痺が成功すると、周りのモンスターを呼ぶのよね。」
「分かった。これからも注意するよ。」
「お願いね、ソーマ。」
……20分後
《北の荒野の主の領域に侵入しました。森の主『岩窟王』を討伐するか、全滅しないとこの領域からは出られません。》
「お。北のエリア・ボス『岩窟王』の領域に入ったみたいだな。」
「勿論、このまま行くわよね、ソーマ。」
「ああ。当然だ。」
「キャン!」
「……何故か、ソーマも危ない感じなのじゃ。」
「古都魅、大丈夫だ。」
「何が『大丈夫』なのじゃ!?」
「さあ、行こうか。」
「だから、襟首から離すのじゃ~!」
「あははは!」
「ソーマ、『あははは!』じゃ、ないのじゃ!」
古都魅と楽しいコミュをしながら進むと、如何にもな外見のゴーレムが居た。
アレが北のエリア・ボス『岩窟王』だろう。
「なあ、リン。」
「何、ソーマ。」
「何か事前情報、有る?」
「北エリアボスの『岩窟王』は、魔法攻撃無し、魔法耐性低い、物理攻撃と物理防御が高い。後、外見通りにAGIは低い。……以上よ。」
「もしかして、四方のエリア・ボス最弱?」
「あ、何か運営からのネタ発言が聞こえる気がするわ。」
「こんな感じか。『ふははは! 我は四方のエリア・ボスの中で最弱ぅ。これよりの戦いに絶望するが良い!』とか?」
「うん。しっくり来るわ。」
「あのぅ、ソーマにリンよ。」
「何、古都魅。」
「向こうでじ~いと、出番を待つ切なそうな視線を向けてくる『岩窟王』の無視は可哀想なのじゃ!」
「そうだな。そろそろ行くか。さて、作業内容だけどな。」
「……ソーマよ。作業内容なのじゃな。」
「最初に向こうを立たせる意味と確認を兼ねて、物理攻撃をしてみよう。ある程度したら、魔法で遠距離攻撃で終わらすで、良いか?」
「賛成ー。」
「……アヤツが不憫なのじゃ。」
「行くか!」
「分かったわ!」
「キャン!」
「妾はせめて真面目に応援するのじゃ。」
《勝利条件は、『岩窟王』の討伐。》
《敗北条件は、メンバーの全滅。》
本当にこれが仮にも北エリアのボス戦!?
ってくらい和やかに開始された。
不意打ちだけは警戒しつつ、『岩窟王』に歩いて向かい、刀の届く範囲に入ったら、リンと紅牙で物理攻撃を始めた。
……確かに、攻撃は試しにカスらせたが、それだけで、1割くらい削られた感覚が走った。
その後は、ノーダメージで色々とパターンを変えて攻めてみる。
1番の収穫は首狩りが無効になっている事。
一応はダメージは入るみたいだけど、他の雑魚や森猿王みたいにスパッといかない。
パッチを当たられたのだろうな。
まあ、これでボス戦が作業にならないから良しとしよう。
俺はリンに視線を送ると、リンは頷いたから、合図を送る。
「散開。」
俺は後方に跳びながら、火炎球を撃ち続ける。
リンは、影の矢で『岩窟王』の頭を狙うシューティングゲームをしている。
実は『岩窟王』の頭は比較的に小さい。
俺は、散々火炎球で『岩窟王』を熱してから、水球を放つ。
バシューーー!
ピシッ! ビギッ! バギッ!
俺はアニメや特撮みたいに準備した。
「封印の扉を開けし舞姫よ。刹那の夢幻を支配せし者よ。
その艶やかな舞で魅了せよ。神霊召喚! 天字受売女!」
舞姫が踊り、藤の花びらが散り、神霊召喚は完了した。
「止めだ!」
俺は崩壊しつつある『岩窟王』に迫り技を放つ。
「破邪虎王牙掌!」
勢いのまま、指を立てたまま両の手の平を横にして突き出し、両の手首を引っ付け手の平を縦にする。
「覇っ!」
そのまま、『岩窟王』を後方に突き飛ばす。
俺は突き飛ばした『岩窟王』に背を向けて、決め姿勢と決め顔で一言。
「終わりだ。」
そう言った瞬間に『岩窟王』を爆発した。
「え!?」×リンと古都魅
はい。自分に酔った自己満足です。
……だって、やってみたかったから。
タイミングが合ってて、本当~に良かった~。
《《北の荒野の主『岩窟王』が討伐されました。》》
《《北の荒野の主『岩窟王』が討伐された為、北の荒野の街道が再び開通されました。》
《討伐した2名には討伐報酬が贈られます。》
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




