妾の名は。
第2ヒロイン(仮)と第1ヒロインの顔合わせ。
祝!
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第53位!
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さて、忘れ掛けていた隠神刑部狸の討伐報酬は、と。
……コレ有り!?
名称:大妖狸の化け葉っぱ
効果:ゲーム時間内の1日に1度使用可能。
使用した場合、最大30分間、お地蔵様になり、NPCやモンスターに気付かれず、効果破棄は任意となる。
なお、この効果はパーティーメンバーや従魔等の全てが効果を受ける。
……まあ、今度、暇な時に使い道についてリンと相談しよう。
リアルの時間で次の日
「おはようなのじゃ、ソーマ!」
「おはよう、天邪鬼……」
「どうしたのじゃ、ソーマ。」
「やっぱり名前を付けよう。」
「名前?」
「ああ。天邪鬼は種族名だからな。」
「……ま、まあ。ソーマがどうしてもと言うのなら、考えても良いのじゃ。」
「どうしても、だ!」
「そ、そうか。そ、ソーマがそこまで言うのなら、き、許可するのじゃ。」
「ありがとう。」
「そ、それで、ど、どんな名前を付けるのじゃ?」
「名前は『古き都に魅了された者』から『古都魅』はどうかな?」
「うむ。『古都魅』か……良いのじゃ!」
「良かった。じゃあ、天邪鬼の名は『古都魅』だ!」
そう言った瞬間に、紅牙の時の様に、お互いが光り出し、光の綱が2人に繋がる。
光が消えると……
《ユニークスキル『天衣無縫』を修得しました。》
「……え!?」
「どうしたのじゃ?」
「なんか、新しい力が手に入ったみたいだ。」
「それは良かったのじゃ。それで、どんな力なのじゃ?」
「ちょっと待って。」
え~と、名前が「天衣無縫」で、効果は……名称だけで、後は文字化けか。
これじゃあ、当分は使えないな。
「えっと、名前は『天衣無縫』で、残念だけど、俺が使うにはまだ『器』が足りないみたいだな。」
「……そうか。残念なのじゃ。」
「だけど、これは古都魅と繋がった証だから俺は気にしてないよ。」
「………………ソーマぁ。」
古都魅がうつ向いていてぷるぷる震えて、心なしか褐色の肌が少し赤みが増してないか?
「どうした、古都魅。」
「何でも無いのじゃ!」
「……そうか。」
「それよりも! この後はどうするのじゃ?」
「お、おお。この後は、人族のもう1人の仲間と合流する予定だ。」
「分かったのじゃ。」
「キャン?」
「ああ。ごめん、紅牙の事は忘れて無いよ。」
「キャン!」
「良し。紅牙、古都魅、行こうか。」
俺達は、待ち合わせ場所の北の門に向かった。
「……リンは何処だ?」
北の門に到着した俺達はリンを探すが見つからない。
「ソーマ、ごめんなさい。待った?」
「いや、俺も今来たとこ。」
「キャン!」
「紅牙も。」
「ソーマ。そのカラスがメールで言ってた子?」
「ああ。あるイベントで仲間になった天邪鬼の古都魅だ。」
「カァー!」
「よろしくね、古都魅。私はリンって言うの。」
「カァー!」
「それにしても、珍しいな。待ち合わせにリンが後から来るなんて。勿論、時間的な意味では遅刻じゃないけどな。」
「ちょっと急用が入って対応していたら遅れちゃった。」
「その急用はもう大丈夫なのか?」
「うん。それはもう大丈夫だよ。」
「それで、今日の予定は?」
《《北の荒野の主『岩窟王』が討伐されました。》》
《《北の荒野の主『岩窟王』が討伐された為、北の荒野の街道が再び開通されました。》》
「あ~! 先を越された~!」
「別に問題無いだろ? 挑戦者全員に初回限定討伐報酬が出るんだからな。」
「それでも、何か悔しい~!」
「まあまあ。分かったから、な!」
「う、うん。」
「それで、今日の予定は?」
「えっとね。先を越された北のエリア・ボスを攻略よ。」
「分かった。それで何か注意点とかは?」
「防御力重視のモンスターが多くて、1種類だけど、状態異常の『麻痺』を掛けてくるヤツが居るんだって。そいつが要注意ね。」
「状態異常の『麻痺』はキツいよなぁ。」
「そうだよね。」
「後、防御力重視という事は、甲殻系やゴーレム系か?」
「うん。後、掲示板とかには、北のエリア・ボスは『ゴーレム』系らしいよ。」
「流石に最初のゴーレム系ボスが、『ミスリル』とか『オルハルコン』だから、魔法が効きませんというオチは無いよな?」
「大丈夫。普通に岩石系だって。」
「さて、そろそろ行くか。」
「おおー。」
「キャン。」
「カァー。」
こうして、俺達は北のエリア・ボスを目指して進むんだけど、途中の森であの「台所の憎っくき黒いG」に酷似したモンスターが現れた為、紅牙を退避させ、俺とリンは魔法で殲滅させた。
因みに、古都魅は何も言わず自主的に紅牙の耳の間に避難した。
「これが、古都魅の人型バージョンね。ソーマから聞いてた通りだわ。」
気付けば古都魅がカラスから人型になっていた。
「アレだけは、駄目なのじゃ。」
「同感だな。」
「同じくよ。」
「だから、古都魅だけじゃないから安心していいぞ。」
「妾だけじゃなくて良かったのじゃ。」
黒いGは発見次第、即殲滅をしながら、俺達は北の荒野エリアに到着した。
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