誰?
すみません。
遅くなりました。
矛盾が有ったので修正しました。
「お前、紅牙なのか?」
「キャン!」
そこには、目の周りに有る紅色のクマドリはそのままで、体毛が薄い黒から、更に薄い黒、いや、灰色になり、4本の足には、赤い炎の様な模様が付いている。
試しに鑑定を使うと……
名称:紅牙
種族:紅星白狼(幼体)
……後は、文字化け。
紅牙は、ずっと笑顔で「ハッハッハッハッ!」しながら尻尾を少し早めに振っている。
これは、進化したから誉めて欲しいのか?
それなら是非もない!
喜んで頭ナデナデからの全身良し良しだ!!
「キャン!」
紅牙と満足するまでスキンシップする事、約30分。
さて、スキルレベルも上がったし、どうしようか?
「きゃあああーーー!」
絹を裂くような悲鳴が!?
……行ってみよう。
到着すると、そこにはオーク2匹に襲われている女性冒険者が居た。
「助けて欲しいか?」
「助けて!」
ラノベで良く有る確認をする。
「紅牙は一応、周りの警戒をしてくれ。オークは俺が倒す。」
「キャン!」
「無茶よ! オーク2匹を1人で倒すなんて!」
「大丈夫。」
俺は警戒しながら慎重にオーク2匹を倒した。
勿論、刀一本でな。
「オーク2匹は俺が貰っても良いな?」
「あ、ああ。」
異世界の定番を言いながら俺はオーク2匹を旅袋に仕舞う。
「危ない所を助けてくれてありがとう。私の名は『セリカ』よ。」
「危ないと思って助けるのは当たり前だ。俺の名は『ソーマ』で、こっちが『紅牙』だ。」
「キャン。」
その後は、彼女が何故、あの様な場面になったかの事情聴取を行った。
話を聞くと、本来なら2人で遊ぶ予定が急遽、相方の用事の関係で遊ぶ時間が合わなくなり、仕方無く1人でプレイする事に。
そして、今回、不自然に出現するモンスターの数が少なかった為に何時もより奥に入ってしまい、先程の場面になったらしい。
……え~と。
……うん。
……俺が原因だな。
……黙秘権を行使しよう。
「もし、良ければ臨時でパーティーを組まないか?」
「いや、悪いけどそろそろ時間が無いわ。」
「そうか。」
「また、今度やりましょう。」
「分かった。」
お互いにフレンド登録して、セリカは去って行った。
本日、2回目の「どうしようか?」だな。
……とりあえず、さっきの広場に戻ろう。
戻ったのは良いが、やっぱり怪しいよな。
「南の森に存在する何も無い広場」だからなぁ。
ちょっと調べてみよう。
周辺の木々には細工は無しと。
ゲームとかだと、たまに有るからなぁ。
実は1本だけ偽物で隠し扉等を出現や開閉させるスイッチとかな。
次は広場の中心辺りだな。
……まあ、分かり易い「物」とかは無いな。
でも、何か有ると俺の「勘」が警報を鳴らすんだよなぁ。
「ねぇ、何をしているの?」
「ん? いやな、此処って不自然な広場みたいになっているから何か有るかもと調べていたけど何も無いんだよなぁ。」
「それはそうよ。地上の部分は全て消滅したんだから。」
「そうか。……って!? 俺はさっきから『誰』と話してんだ!?」
「失礼ね。『私』は此処よ。」
しかし、周りを見ても誰も居ない。
頭上見ても、足元見ても、誰も居ない。
まさか、昼間から幽霊か!?
「あっ!? そうだったわね。見えない様にしていたわ。」
そう言うと、俺の目の前の空間が透明なカーテンが風に揺れるみたいに歪み、転移したかの様に顕れたのは、手のひらサイズのカラスだった。
「……」
「あら。私の可憐で美しい姿に声も出ないのかしら?」
「……」
「やっぱり、美しいって罪よね。」
「……とりあえず、自己紹介したいけど良いか?」
「いいわよ。私の名は『天邪鬼』よ。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




