新しい仲間。
現れたテンプレの盗賊。
彼らの首は死が別つまで、繋がっているのか?
「どう思う?」
「う~ん。プレイヤーでもNPCでも同じだろ。」
「何をごちゃごちゃ言ってやがる!」
「リン、2人目はどっちがする?」
「私の方がレベル低いから私に頂戴。」
「いいよ。」
「おい! 何を無視してやが……」
「五月蝿い。」
「がっ……」
「ぎぁ……」
「ぐ……」
「あっ!? ゴメン。つい、3人とも殺っちゃった。」
「異世界転生あるあるの盗賊のアジトイベントがぁ~。」
「ごめ~ん。……ちょっと待って。此処から離れていく気配がする。」
「きっと盗賊の仲間だ。リン、追うぞ。」
「分かった。」
まだ気配察知に余裕が有る為、リンに先行して貰い、先程の盗賊から換金出来る物を回収すると、メッセージで《盗賊3人を焼却or無視》と出たから焼却を選ぶと炎のエフェクトが出て、盗賊はポリゴンになって消えた。
先行したリンからメールが来て指定した場所に行くと、開けた場所に洞窟らしき出入口が有った。
そこに見張り番らしき盗賊が立っていた。
俺はリンの所に合流する。
「リン。アレがそうか?」
「うん。何人かは分からないけど、異世界転生あるあるの盗賊のアジトだと思うよ。」
《盗賊のアジトを急襲しますか?》
《はいorいいえ》
俺はリンと相談して《はい》を選んだ。
《イベント「盗賊のアジト、急襲!」が発生しました。》
《勝利条件、アジトの盗賊の全滅。》
《敗北条件、プレイヤーの全滅。》
俺とリンは相談して、リンの独壇場にする事を決めた。
リンのスキルはこういう時に生きるし、リンの方がレベル低いし、アジトの中に囚われた人とかも居るかもしれないから、俺は隠れて不意のイレギュラーに対応する事にした。
急襲する事に決めた俺達は、スキルを発動したリンが見張り番を殺して、有無を言わせず次々に盗賊を殺して行った。
俺は周りに注意しながら、取り零しが無いかと見ながら進む。
リンはあっさりとアジトの奥に居た盗賊の親分を始末していた。
良かった事に囚われた人は居なかったよ。
俺とリンは満面の笑顔で盗賊が貯めていたお宝を回収する。
そして、1番奥には牢屋が有って、モンスターが鎖で繋がれていた。
「リン、どう思う?」
「身体は小さいから、異世界あるあるで、何処からか拐って来て、無駄に金だけは有る屑に売る為に捕らえていた?」
「とりあえず、『鑑定』。……ありゃ!? 種族の名称すら出ないや。」
「ソーマ。それって、鑑定のスキルレベルが低い上に、あのモンスターがソーマのレベルより高いとか、種族が上位種とかが、異世界の定番だよね?」
「……そうだな。」
「どうする、ソーマ?」
「まあ、助けようか。」
「そうだね。」
俺達は盗賊の親分の部屋から鍵を見つけて、牢屋を開け、鎖で繋がれていたモンスターを解放した。
「あれ? 怪我しているわ。」
「分かった。」
俺は、治癒の魔法水を取り出し身体に降り掛ける。
光り輝いた後は、怪我は治り、毛艶は良くなり、起き上がり、周りを見ていたと思ったら、俺とリンの匂いを嗅ぎ、俺の方に向いてお座りして、ハッハッハッとしながら尻尾を振っている。
外見は犬系で色は薄めの黒で、目の周りに赤いクマドリがチャームポイントだな。
「何でソーマに~?」
「多分、俺とリンのレベル差じゃないか。」
「……ブーブー。」
《テイムしますか?》
《はいorいいえ》
「リン、どうしよう。『テイムしますか?』だって。」
「色々と考えられるけど、もふもふは欲しい!」
「……分かった。」
「キャン!」
俺は、「はい」を選んだ。
俺と目の前のモンスターが光り輝き、光の綱が繋がるとメッセージが出た。
《テイムしたモンスターの名前を決めてください。》
俺の前に名前入力する為のキーボードが出た。
「リン。何か名前の案が無いか?」
「……う~ん。ソーマは?」
「目の周りの赤いクマドリと、犬系はやはり『牙』から紅の牙で『紅牙』ってのはどうだ?」
「……いい。それ採用!」
「分かった。」
俺は、キーボードに名前を入力すると、より光り輝いた後、光は消え、そこには目の周りの赤いクマドリが紅色のクマドリになった紅牙が居た。
「これから宜しくな、紅牙。」
「キャン!」
「こっちは俺のパートナーのリンだ。」
「宜しくね、紅牙。」
「キャン!」
《イベント「盗賊のアジト、急襲!」が達成されました。》
《《イベント「パートナー『幻獣』」が解放されました。》》
「「はい!?」」
「ま~た、ソーマが『ヤラカシタ』ね。」
「え!? 俺が悪いのか?」
《ソーマに称号「幻獣(狼)の仲間」を手に入れました。》
「称号が付いた。……内容は、職業が『召喚士』や『テイマー』以外で、モンスター等とテイムか契約したプレイヤーに贈られるみたいだな。
後、称号ボーナスは無いみたい。」
「まあ、そうだと思うよ。でないと『召喚士』や『テイマー』を職業に選んだプレイヤーのメリット無いもん。」
「その言い方だと、何かメリットが有るんだ。」
「うん。共通のメリットが『数』や『質』でプレイヤーのステータスやスキルに影響が有るんだって。」
「それくらい旨みが無いと意味無いよな。」
「それじゃあ、笑いが止まらない程のお宝や武器類に盗賊の所持金等をゲットしたし、ソーマがヤラカシタし、洞窟を出ますか。」
「ああ。そうだな。行こうか、紅牙。」
「キャン!」
メッセージ《洞窟の盗賊を焼却or無視》が出たから、洞窟から出た後に、《焼却》を選んで洞窟を後にした。
俺達は新しい仲間を連れて、街道に戻り北に向かった。
後からリンから聞いた。
あの時のメッセージで、掲示板は大変な状態になったらしい。
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