神霊召喚!?
またやっちゃったソーマ。
今回は何?
「えっ!?」
《《GQ『封印の舞姫』は達成されました。》》
「はいっ!? また!」
「ソーマよ。」
《天字受売女から『神霊の誓約』が発生しました。》
《受諾するor拒否する》
え~と。
ユニークスキル『神霊召喚』の封印が解除された状態で、神霊、つまり、女神「天字受売女」からのイベント発生!?
誓約、つまり契約だよな。
数の制限? 効果内容? 損得勘定!?
全く分からないが、とりあえず1回は受けないと判断も出来ないな。
……よし!
「そうか。アタイを受け入れてくれるか!」
「ああ。これから宜しくな、ウズメ。」
そう言うと、ウズメはスウと消えた。
《天字受売女との『神霊の誓約』は成されました。》
「ソーマ! どうなったの?」
「天字受売女をユニークスキル『神霊召喚』で喚べる様になったみたいだ。確かめてみるよ。」
………………マジか!?
えらいチートな内容だな。
コレを、リンに言わないといけないのか?
憂鬱だ。
でも、言わないといけないんだろうなぁ。
「リン。確かめたけど効果内容は、この『神霊召喚』は複数の神霊と契約出来て、神霊ごとに効果が違う様だな。それで、1回に付き1体を選びその神霊の効果が発動する。選んだ神霊に関係なく付く常時効果が、全ステータスの向上だな。勿論、選んだ神霊に因ってはその数値は変わる。此処までがメリットで、デメリットが、1度使うとゲーム時間で12時間経過しないと同じ神を『神霊召喚』で喚べないクールタイムが有る、だな。」
「天字受売女自身の効果は?」
「え~と。残りのMPの3割を消費して7秒、本人以外の周りの時間を止めるだってさ。」
「え!? 何!? そのチートは!」
「そういえば、『弁天の演奏場』の報酬アイテムは?」
「えっとね。名称が『弁天の好意』で。効果が、使用後、パーティーメンバーはゲーム内時間で24時間の間、戦闘後に手に入るステータスの向上する数値が倍になる、だって。……『倍』になる!?」
「……マジかよ!」
「ちょっと待って。そもそも、聞いていた名称も効果も違う所が有るわ!」
「何処が?」
「名称が『弁天の嫉妬』で、効果がゲーム内時間で24時間の間、ソロの時の戦闘後に手に入るステータスの向上する数値が『1.2』倍って聞いたわ。」
「……」
「ソーマのチート野郎。」
「え!? 俺のお陰扱いじゃなくて、ディスられている?」
「はあ。流石はソーマよね。さて、早速だけど試しにやってみようよ、神霊召喚。」
「……そうだな。いくか!」
「わくわく。」
「封印の扉を開けし舞姫よ。刹那の夢幻を支配せし者よ。
その艶やかな舞で魅了せよ。神霊召喚!天字受売女!」
神霊召喚の詠唱が終わると、先程まで居たウズメが現れ、舞を踊り出し、終わるとその姿が無数の藤の花びらになって、俺の周りを回った後、俺を祝福する様に舞散り閃光を放つ。
「神霊召喚が終わったみたいだな。」
「何? 今の厨二な台詞と格好つけた動作は!」
「止めようとしたけど、キャンセルとか出来なかった……」
「そういえば、私も動けなかったわ。」
「多分、アレじゃないか。」
「アレ?」
「魔法少女の変身からの決め台詞や、合体ロボット系の合体シーン、それらの必殺技シーンを邪魔出来ないというテンプレじゃないかな。」
「あ、あ~!」
「まあ、面白いと言えば面白いけど……」
「そうね。」
「基本的には、不特定多数の前では使わない様にしよう。」
「……そうね。」
「後、この『弁天の好意』は、ボス戦前のレベル爆上げが必要な時に使おう。そして、時間内にボス戦して、ステータスの爆上げを狙おう。これ、1個しかないし使い捨てだから。」
「賛成ー。」
因みに、この神霊召喚は使っている間は額に何かの紋章が付いていた事と身体からオーラみたいなのが出ていた。
解除は「封神」と言うか、一定以上のダメージを受けるかで解けるみたいだ。後、MPが切れても解除するみたいで何度か試して分かった。
あれから数日経過したある日に、俺達は東の森に居る。
「えっとね。情報からだと、この東の森のエリア・ボスは『黒狼王』だって。」
「なんか、強そうだな。」
「うん。単純な戦闘力なら東西南北のエリア・ボスの中で最強だってさ。」
「それなら、東は最後でも良いか?」
「……ソーマなら、そう言うと思ったわ。ソーマは、美味しいのは最後に残す派だもんね。」
「おう。」
「それでなんだけど。そう思っていながら東の森を今日、選んだ訳よね、東の森の森狼から低確率でレアイベントが発生するらしいのよ。」
「へ~。どんな?」
「分からないのよね。情報提供者からは、『全部バラすと面白く無いだろうからこれ以上は自分の目で確かめろ!』だって。」
「そりゃあ、そうだな。リン!」
「何、ソーマ。」
「美味しいのは最後派だから、文字通り東は最後にしよう。」
「分かったけど、何故?」
「……テンプレが起きそうだから。」
「そうだね。ソーマは既に『ヤラカシテ』いるもんね。」
「ま、まあな。だから、北東を繋ぐ街道を歩いて北に行ってみよう。」
「いいよ。」
こうして、背中に嫌な汗が流れる感覚から逃れる為に、東から北に行く事にした。
ちょうど街道の真ん中辺りに来ると、街道脇の森から、3人の盗賊が現れた!
「死にたくなければ、女と装備品と金を置いて消えな!」
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