第3話 そして異世界へ…
「この世界ー。そうこんな世界に来るのを待っていたんだよー」
疲れた気がしてコケかかったところをコットが支えてくれた瞬間、景色が森へと切り替わった…
…先ほどのコットの言葉が気になりこの宙域を調べてみると、確かに異世界っぽい。
異世界だとすると、セオリーだと料理・玩具などの一般的なものを大々的に特許などを取って売り出したりするものだが、神秘ともいえる科学やちょっとした料理から民主主義などの制度まで秘匿する。
そもそも今現在持っている知識や力でそのまま元の世界へと帰れるのだ。むろん未来の元の世界などではなく。
それに、異世界にお呼ばれしたら、なるべくお手伝いするようにという努力義務といえるようなものがなぜかある。さて、どうしたものかと考えていると…
第一村人その1~3までに発見された。さてどうしよう。取りあえず、ググって…答えはコレだ。
「ハロワの依頼を見て、こちらの猟を手伝いにきました。確か、雷魔法使いが第一希望でしたよね?」
「おーそうか、さすがに雷魔法使いは高望みすぎたかと思ったが、その服の質の良さからいうとかなりの実力者だろう?」
くっバーニングなファイターになりたかったがやむを得ないか。雷も嫌いじゃない。というか好きだ。
ハロワ
そう、この世界では商人ギルド、鍛冶ギルドなどは存在するが、冒険者ギルドや傭兵ギルドはなく、正式名称はハローワークと呼ばれている…
ランク?…いいものは正社員と呼ばれるようだ…
異世界人の創設者が色々活躍・干渉した結果、名称を決める際、揉めに揉めて、ついカッとなってやってしまったらしい。さすがに異世界人の干渉、怖いものだ。
だが、割と多くの者が未だに冒険者ギルドを自称したりしている…なんだか冒険者ギルド原理主義っぽく。
なんで知っているのかって?この星に異世界人が打ち上げた多機能人工衛星が残っていたからだよ…ググったのはそこからだ…
「とりあえず、実力を見てみたいから、そこのいらない木にでも一発撃ってみてくれ」
「了解。下がっていてください」
ほどよい遠さにあった木に雷を撃つ。直撃した木は焼け裂け、周囲の木々すらビリビリと帯電したかのように震え上がる。
…このくらいなら大丈夫かと撃ってみたが、実際に見てみるとかなりの大迫力だ。それは村人1~3も同じようで、
「おぉ…これが雷魔法…これならば勝てる…」「一度は見ておきたかった…」「…これであと10年は…いいツボだ…」
などと大喜びだ。
コット?…自分で光学迷彩などをかけているが、ドヤ顔でうんうんうなずいて満足そうだ。
「にしても嬢ちゃん。珠のように白い肌、サファイアを一滴垂らしたような輝く銀髪ツインテール、翡翠よりも鮮やかな緑色の目。服はゴスロリって言うんだろ?身長は150くらいか?可愛い可愛いってモテモテだろ?」
…くっ今まで確認したくなかったものが告げられた…